このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com

第1回 都市型の看護・介護・医療等連携研究会

2012年04月05日(木)

第1回 都市型の看護・介護・医療等連携研究会が東京で開催された。
厚労省老健局長の宮島俊彦氏が講演したあと、みなさんで討論した。
少人数のこの研究会は意外に面白いシンクタンクに発展する予感がする。
2つの応援
クリックお願いします!
   →   人気ブログランキングへ    →   にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
 
 
宮島局長、東大の辻哲夫氏、長寿の大島伸一総長をはじめ
そうそうたるメンバーが約20人、揃っていた。
こんな会議に入れて頂き、身に余る光栄だ。

宮島局長のお話を真剣に聞くのは初めて。
これまで私の話を聞いてもらってばかりだった。

「もし自分が宮島局長だったら何をするんだろう?」なんて
妄想を膨らませながら、真剣に講義を拝聴した。

「地域包括ケア」の歴史から始まり
これからの包括ケアのあり方まで総花的なお話をされた。

議論の時間で、私は
・医師会は在宅医療に反対であること
・在宅診療科を正式な診療科目にすること、を提案した。

今日は大きな収穫があった。
偶然とはいえ、天皇陛下さんとすれ違った日だけのことはあった。

地域包括ケアの推進主体は医師会ではないことがハッキリ分かった。
都道府県でもないことも分かった。
市町村長なのだ。

在宅医と首長さんの連携で
「地域包括ケア」を推進する時代なのだ。
これは自分にとって、新しい視点だった。

和光市での成功例を見習いたい。

この研究会の名前。
凄いでしょう!
看護、介護、医療等、と並んでいる。
そう、医師は付け足しで全然いいのだ。

医師や医師会はあてにせず、
訪問看護師さんと介護職の連携を軸に
市町村行政を介して推進するのが、これからの在宅療養なのだ!

カリスマ訪問看護師の秋山正子氏は副座長を務め、
カリスマ退院調整ナースの宇都宮宏子氏も参加された。
こぶし園の、小山剛氏も副座長を務められた。


以下、宮島局長さんの講演スライドを写してみた。

「地域包括ケア」とは?=略して、地包ケア?

・ニーズに応じた住宅が提供されることが基本

・生活上の安全、安心、健康を確保する

・そのために医療・介護・予防のみならず

  福祉サービスを含めた総合的

・概ね30分以内に駆けつけられる圏域=中学校区を基本

 

地域包括ケアの新規定

介護保険法第5条第3項

日常生活の支援のための施策を医療および自立した

日常生活の支援を包括的に推進する。

 

高齢者三原則

・これまで生活した生活と断絶せず継続性を持って暮らす(継続性)

・自己決定権を尊重

・今ある能力に着目して自立を支援する(自己資源の活用)

 

 

「地域包括ケア」の5つの支援

・予防―介護予防

・医療―在宅医療、訪問看護

・介護―生活援助、身体介護、基礎的医療ケア

・住まいー福祉は住宅に始まり、住宅に終わる

 

介護予防

・3つのターゲット 

生活不活発状態など(骨折、転倒、リウマチ等、衰弱)

脳血管性疾患

認知症

・介護予防サービス

 運動、栄養改善、口腔機能向上

 (生活習慣病対策)

・家事援助は介護予防になるのか?

・介護予防事業と介護予防給付の連続性の確保

 

医療1 在宅医療

・第3分野―入院、外来との違い

・キュアからケアへー生活中心

・家庭医と複数医師体制

・エリア担当

 

医療2-訪問看護

・医師の指示との関係

・歯科医師、薬剤師との関係

・介護職との関係

・典型的規模は?

・経営は?

・特定看護師の議論

 

医療3―リハビリテーション

・地域でそういう働き方をするのか 

地域拠点

デイ

訪問ステーション

・看護、介護職員との関係

 

介護1-介護の概念

・介護職員の介護

 身体介護

 生活援助

 医療ケア

・多職種共同の基盤

 

介護2-介護職員の働き方

・時間単位、出来高制

 1日1回への批判

 軽度へのお世話批判(掃除の時間が長い)

 小規模事業

・24時間定期巡回サービス

 包括払い(手抜きか自立か)

 1回は短時間

 看護師とセット

 

 

生活支援

・見守り、配食、買い物などの地域サービス

・虐待対応

 介護給付か?

 誰が払うのか 

 財政支援のありかた

 

 

介護保険事業(支援)計画の策定

 

デンマークと日本(在宅ケア)

 

           デンマーク      日本

在宅ケアの供給    公的主体       民間多主体

           統合ステーション   医療と福祉の壁  

 

医師         家庭医        専門医の開業

ケア         看護師        看護師―訪看ステーシン

          =ケアリーダー 

           

           ヘルパー       ヘルパー

=看護とチーム     =訪問事業所

 

供給調整      公的に一元化     ケアマネージャー

 

 

多職種連携の課題

・異なった事業所間での連携は可能か?

・看護+介護+リハビリ職のチーム方式

 24時間訪問

 複合型小規模多機能

・医師の指示の弾力化 

 包括指示 

 独立してできる療養の範囲

・歯科医師、薬剤師の役割

・ケアマネの役割は?

 

低所得高齢者の住まいの問題

・サービス付き高齢者住宅

・低所得―単身借家 

 たまゆら

 第二のセイフテイーネット

 生活支援+家賃補助

 介護保険の補足給付への影響

 

サービス付き高齢者住宅=月20万円の年金を標準に作られた住宅

・原則25平米以上(特養は13平米なので)

・敷金、家賃、サービス対価以外の徴収禁止

・登録事項の情報公開

 

 

施設の方向

・介護療養病床―6年経過措置

・老健施設

 コース1 地域の拠点化

 地域リハビリテ―ションの拠点、訪問系拠点

 コース2 住まい化

・特養(住まい化)

 

高齢者の居場所に対する権利と

ケア提供のありかた

 

療養病床・老健   利用権  内付け

特養・GH     利用権  内付け

優良老人ホーム   利用権  内付け

高専賃       賃借権  外付け

持ち家 
      

デンマークでは特養を減らして

住宅に推移している。

 

専門職間の役割分担に関する制度の見直し

フィンランドにおける介護職員のカリキュラム

1年間 職業専攻課程プログラム

2年間 職業基礎学習

 

介護福祉士は療養のリーダーになるべき

介護職のキャリアアップ

 

認知症

・生活の継続

・尊厳の保持

・自立支援

 

課題

・受け入れ病院が無い

 精神病院=5万床

・的確な診断、治療、ケア

・的確な薬剤の処方

 

被災地の災害支援のイメージ

サポートセンターを仮設住宅に併設する施設の建設








2つのランキングに参加しています。両方クリックお願い致します。皆様の応援が日々ブログを書く原動力になっています。

お一人、一日一票有効です。

人気ブログランキングへ ← 応援クリックお願い致します!

(ブログランキング)

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ ← こちらもぜひ応援クリックお願い致します!

(日本ブログ村)

※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

今頃、このような、質問を致しまして、叱られるとは思いますが、長尾先生は「医師会が在宅医療に、反対している」と仰いますが、医師会が、反対している、もしくは、「どうなのかなあ」と怪訝を持っているのは、「尊厳死」或いは、「自然死」なのではありませんか?
私の町では、大学出たての若い女医さんが張り切って、在宅医療に来て下さいますが、何かと言うと、「救急病院に行って下さい。私から、救急病院に連絡しておきますから、早く、救急車を呼んで、言って下さい」と仰いました。
救急病院に行くと、病院の担当のお医者さんが「あの先生は何かと言うと、自分で責任を撮りたくないから、何でもかんでも、うちの病院に患者を、送り込んで迷惑なんだ!」と怒りました。
父が最後を迎える時は「家、自然に死ねるのか、病院で死ぬのか?」どうかなんて、こちらも質問もしないし、考えたくありませんでしたから。
もう一人の女医さんは「癌の時は、在宅で看取りをして頂けます」とは仰いましたが、「肺炎の時はどうなるか?」は、明確には聞いていませんでした。看護婦さんは「感染症は入院して貰わなければいけません」と仰いました。
ですから、医師会は在宅医療は推進しているけど、死ぬ時は病院で死んでくれと言う方針なんではないでしょうか?
私の思いすごしかもしれませんが。

Posted by 大谷佳子 at 2012年04月06日 11:29 | 返信

コメントする

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com


過去の日記一覧

ひとりも、死なせへん

安楽死特区

糖尿病と膵臓がん

病気の9割は歩くだけで治るPART2

男の孤独死

痛い在宅医

歩き方で人生が変わる

薬のやめどき

痛くない死に方

医者通いせずに90歳まで元気で生きる人の7つの習慣

認知症は歩くだけで良くなる

がんは人生を二度生きられる

親の老いを受け入れる

認知症の薬をやめると認知症がよくなる人がいるって本当ですか?

病気の9割は歩くだけで治る!

その医者のかかり方は損です

長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか

家族よ、ボケと闘うな!

ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!

抗がん剤 10の「やめどき」

「平穏死」10の条件

胃ろうという選択、しない選択

  • にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ