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2025年への医療状況予測
「地域疾病管理」という思想
2012年05月25日(金)
第1回「平成24年度在宅医療推進のための会」に参加させて頂いた。
千葉大学の藤田伸輔先生による「2025年への医療状況予測」のご講演を拝聴。
結構衝撃的な内容だった。
結論から言えば、2025年には、
・医者が余る地域が大半となり、
・医者が足りない地域はわずかとなる。
全国各地の2次医療圏域でみた医療需要の予測は、
驚くほどばらつきが大きい。
藤田先生は、全国各地の医療需要予測研究されている。
藤田先生が、大変な地域!と言われるのは2つの地域がある。
厚労省が大変だ!という地域と、
日本医師会が大変だ!という地域。
そんな中で、医学部新設の議論が行われている滑稽さ。
いくら医師数を増やしても医師の偏在は解決しないだろう。
やはり「強制配置」という劇薬のみでしか改善できないのか。
実は、欧州もこれで悩んでいる、そうだ。
成績の悪い医者は、北極圏でしか診療できない。
そのような強制配置が行われているという地域もあるそうだ。
現在の日本は自由開業制。
医師も自由なら、患者もフリーアクセス。
必然的に、診療科の偏在と、地域偏在が大きな課題となっている。
もし藤田先生が出されるような需要予測をもとに
すべての医師が、「目の前の患者さんだけ」という意識に加えて
「地域疾病管理」という意識を持てばどう変わるのだろうか。
医師会からは「管理医療」という一言で非難されるだけで終わりかもしれない。
しかし国家的視点に立てば、「地域疾病管理」という思想は国益にかなうのではないか。
現実的には、実施主体は少なくとも都道府県単位だろうか。
実際には2次医療圏ないし市町村を想定すべきばろう。
さらに「介護」という視点も入れて検討べきだろう。
「医療と介護」は、あくまで「地域包括ケアシステム」という枠組みで思考すべきだ。
・これから開業しようという医者、
・これから病床数を増やそうという医者、
・これから医学部を目指そうという高校生にとっては、
今夜の需給予測はあまりにも衝撃的な内容であろう。
そもそも、医療・介護は、需給予想が比較的し易い産業ではないか。
もちろん、死生観の変化という大きな変動要因も加わるのだが。
少子化率や景気動向など、不確実性も高いのは想定内か。
今夜はとても勉強になった。
PS)
不思議なことがあるもんだ。
座ったら右が、東大出の在宅医の武藤真祐先生だった。
雑誌で彼のインタビュー記事を読んで、会いたいなーと
思っていた先生がすぐ横におられた。
左が、長尾医院の長尾信先生だった。
同じ在宅をやっているドクターで長尾という名前の先生が
おられることを失礼ながら初めて知った。
なんと石川県白山市でご開業の先生だった。
実は今日、ある方と伊勢白山道氏の話をしたばかり。
その話にあった白山から来られた先生が私の左におられた・・・
世の中は面白い。
飲んでいなくても楽しい。
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この記事へのコメント
本日はお疲れ様でした。
お世話になりましてありがとうございました。
本当に結構衝撃的な内容でしたね。
未来の医療需給予測はなかなか難しく、その中で在宅医療をどのように展開していくのか、という大きなテーマを頂いた勉強会でした。
先生仰るように都道府県単位の地域疾病管理というのが今後のキーワードかと思いますが、さて果たしてどれくらいの方にご賛同いただけますでしょうか?
今年一年間勉強させていただこうと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by みどり病院 清水 at 2012年05月26日 01:03 | 返信
長尾先生
これから一年どうぞよろしくお願い申し上げます。
色々とご指導下さい。
Posted by 武藤真祐 at 2012年05月27日 10:53 | 返信
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