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被曝した大地で生き延びた命を守る

2012年07月06日(金)

生き延びた牛たちのお世話をするボランテイアグループからのメッセージが届いた。
ゆっくり読んで頂きたい。心が痛むが残った牛たちの役割を考えると支援したくなる。
「やまゆりファーム」に、みなさまのご支援をお願いします。(MRICからの転載です)
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被曝した大地で、生き延びた命を守る~浪江町やまゆりファームの取り組み~

 

ボランティアグループ「やまゆりファーム」

永澤 敬

 

201276日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

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私たちは福島原発事故による被災牛を保護するボランティアグループ、「やまゆりファーム」です。私たちの牧場は生き延びた命をつないでいく牧場です。

 

2011311日、東日本大震災の発生により福島第一原発が爆発事故を起こし、周辺住民は緊急避難を余儀なくされました。取るものも取りあえず、住民たちが避難した後に残されたのは、動物たちでした。

誰もいなくなった町に残された犬や猫、牛や豚、鶏たちは飢え、渇き、助けに来てくれる人を待ちながら餓死していきました。犬や猫は原発事故後、個人のボランティアや動物愛護団体、行政などの保護活動によりレスキューされていきましたが、牛や豚などの家畜動物は取り残されました。つながれたまま、閉じ込められたまま、無数の動物たちが苦しみ抜いて死んでいったのです。

 

飼育していた家畜動物を何とか生かしたいと、牧場から動物たちを放した畜産農家の方もいました。放牧された牛の場合、草木だけを食べて生き残る個体もいた反面、生きていくために必要な塩分を補給しようと人家に入り込み、軒先を荒らしてしまうケースもありました。

 

422日、原発より半径20キロ圏内は「警戒区域」に指定され、住民たちも立ち入ることが禁止されました。政府は512日、警戒区域内で生存している家畜動物を所有者の同意を得た上で、すべて殺処分することを決定しました。

その理由として、農林水産省は「警戒区域の設定後においては、同区域内での家畜の飼養管理が出来ないこと等から、衰弱して餓死を招くという状況を放置することは農家にとってもつらい状況であることを考慮し」て安楽死処分を判断した、としています。その後、一時帰宅した住民から「牛が民家を荒らしている」などのクレームが寄せられたこともあり、家畜動物の殺処分が急速に進められていきました。

 

次から次へと殺処分に同意していく畜産農家たち…。農水省は「衰弱して餓死を招くという状況」が「農家にとってもつらい状況」であることから殺処分を進める、としています。しかし、畜産農家にとっては自分たちが育ててきた牛が餓死するのと同じように、殺処分に同意するということもまた「つらい状況」でありましたし、そのどちらかしか選択肢がないという現実にはやるせない思いがあったことでしょう。

 

私たちは20122月、殺処分反対を貫く福島県楢葉町の牧場主さんと協力し、そこで飼育されていた肉牛62頭を終生飼養するための牧場、「ファーム・アルカディア」を設立しました。しかしその後、牧場主さんが病に倒れ一時は牧場の存続が危ぶまれました。そんな時、浪江町の「希望の牧場」(私たちと同じく、区域内に生きる牛を生かすための牧場)のご好意を受けて、6月末に全頭移動することができました。私たちボランティアグループは、「希望の牧場」の敷地をお借りしながら、新たに牛を支えていくための支援組織、「やまゆりファーム」を発足しました。

 

「やまゆり」は楢葉町の町花です。

アルカディアの出発点となった楢葉町と、震災以来、牛たちを生かしつづけようと努力を続けてくださった牧場主さんへの感謝とその志を未来につなぐため、この名を付けました。「希望の牧場」もまた既に牛たちの許容頭数は超えていることから、いずれは区域内に新たな広い敷地を見つけ、牛たちを移動し放牧させたいと考えています。

 

食肉とされることが無くなり、生きつづけることが許された牛たち。原発事故がなければ、すでに食肉にされていた牛たちです。放射能に汚染されて「経済価値」を失った産業動物だからといって、無惨な死を与えても心痛まない社会になることは、日本人の倫理感の崩壊につながると思います。私たちはこの牧場を、無闇に殺されてもいい命などこの世にひとつもないことを実証するための牧場にして行きたいと思います。畜主さんもまた「牛たちは何世代にも渡って命をささげて、人間を助けてきてくれた。無残に殺すことなんて出来ない」と語ります。

 

私たちは、牛たちを終生飼養することによって、原発事故により全てを失ってしまった畜主さんの心に小さな希望を灯しながら、同時に生命尊重、動物愛護、動物福祉の社会的機運を高めていきたいと思っています。原発事故という、決して忘れてはならない人災の最たる証明でもある牛たちが、いまも警戒区域には800頭ほど生きいていると言われています。

牛の体調の経過観察を克明に記録することなどによって、被曝と除染の関係を明らかにすることも、牛が、食肉とは違った形で人間社会に貢献することにつながって行くのではないかとも考えています。生き延びた牛たちと、牛たちに寄り添いながら生きる人々との絆の牧場、「やまゆりファーム」を応援してください。

 

やまゆりファームは個人の有志がボランティアで運営しています。

継続的な牧場運営のため、みなさまからのあたたかいご支援を心よりお願い申し上げます。

 

●ゆうちょ銀行口座振替・銀行振込からのお振り込み●

記号-番号 : 18270-17902911

口座名義 : やまゆりファーム

 

他の金融機関からのお振り込み

店名:八二八(ハチニハチ)

店番:828

種別:普通

番号:1790291 

名義:やまゆりファーム

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