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強制入院=家族の安心
2012年08月09日(木)
独居や老老介護の、末期がん患者さんが結構おられる。
緩和医療を駆使して、気分良く過ごしていても、突然、遠くの家族が入ってきて
病院やホスピスに強制入院させる。それこそが家族の安心なのだ。
緩和医療を駆使して、気分良く過ごしていても、突然、遠くの家族が入ってきて
病院やホスピスに強制入院させる。それこそが家族の安心なのだ。
家族に医者や看護師がいる場合、ことさらそのような傾向がある。
病院医療者の家族が、在宅ホスピスを信じていないのだ。
施設ホスピスや病院というハコモノが大好きだ。
本人がそれでいいなら、それでいい。
しかし、本人に泣かれる場合は、こちらも泣きたくなる。
いかなる場合も、御家族の意思には従わなくてはならない。
辛い別れ。
まだまだ病院の時代だ。
在宅医療なんて、信じているひとはまだ極わずか。
まして、在宅ホスピスなんて、全く信じられていない。
分かる人だけ分かればいい。
拙書「平穏死・10の条件」を読んで、共感して頂くひとだけと楽しんでいればいい。
余計な労力は使わず、ただひたすら現場職人に徹していればいいのだ。
しかし、わかっちゃいるけど、どうしても書いてしまうのが、悪い性なのだ。
オリンピックを見習いたい。
1点集中突破。
町医者の本分に徹するべし。
今日、ある患者さんに諭された。
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この記事へのコメント
長尾先生。愚痴もいいもんですね。私も先生に触発されたわけではなく、実際に、退院後病院から出されていた薬を、服薬し終わったあと全部中止。痛み止めのオプソだけにしてみたら、ご家族全員が楽になったというほど、安穏に長生きしておられます。患者さんやご家族の価値観を大切にしたいものです。
町医者にしかわからないですよね。
Posted by 広部尚武 at 2012年08月09日 05:12 | 返信
先生のブログいつも拝見させて頂き、同感同感と頷き、
励まされています。
私の父は2年半年入院していまし
た。大学病院からの転院でした。
じょくそうの治療とベット上でのリハビリ。
気管切開、胃漏、幸い意識ははっきりして
2年半年入院した主治医に退院のお願いを何度となく
お話ししましたが、家に帰って何かあれば誰が責任とるのですか?
司法解剖す梅田る事になってもいいのですか?
このまま入院生活をおくるとどうなるのかと問うと
ぼちぼち悪くなり
肺炎がひどくなると呼吸器につなぎます。
希望もなく、毎日病院に通うのは
ほんとに辛かったです。
こんなに病院と在宅医療が交わらない話があるのかと
残念でなりません
Posted by ふぅ at 2012年08月10日 12:57 | 返信
私の尊敬する町医者、故松田道雄さんの『安楽に死にたい』(岩波書店)より
「私の知っているかぎり、安楽死に賛成している医者は、相当長く瀕死の人を
親身に世話した人です。病人の苦しみを自分の苦しみと感じているから、何とかして
苦しんでいるのを救いたいと思うのです。」
「医者の使命は生命をのばすことだと考えている人は、安楽死に反対です。
そういう人は、年とった病人を親身になって世話していない人です。
救急病院で一日か二日しか病人をみない人。
終末医療の収入で病院の経営に成功している人。
年とった親の苦しむのをながく介抱したことのない人。
人間の苦しみを感じないで生物的生命を一分でも一秒でものばそうとするのは、
非人情です」
もちろん松田氏の「安楽死」=長尾先生の「平穏死」というわけではありませんが、
これが15年以上前の文章であることを思うと、この先見の明や辛辣さは、すごいなと思います。
Posted by 花へんろ at 2012年08月14日 10:22 | 返信
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