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がん治療はあっても緩和医療なし

2012年08月22日(水)

今日も朝から深夜まで、がん患者さんの対応で追われていた。
数々のがん拠点病院にかかっている患者さんの生の声を毎日聞いている。
いくつ有名病院を転々としても、あるのはがん治療だけ。緩和医療は無い。
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有名がんセンター、2つの有名がん拠点病院、有名大学病院、
そして大手免疫治療クリニックにかかっている患者さんが
初めて来られた。

来られたと言っても座ることもできない。
ベッドに倒れこみ状態。
呼吸困難と痛みを訴える。

痩せこけた体。
生生しい傷跡。
苦しそうな声。

問診だけで30分かかる。
座っていられないのだから、当然介護ベッドが必要。
痛みなどの苦痛があるのだから、当然緩和医療が必要。

しかし、どこの病院も、がん治療しか考えていない。

大学病院では、治験に参加している。
免疫療法は、何百万と言うお金さえ入ればいい、という感じ。
どこにも、緩和医療という文字が登場しない。

もちろん、サルコペニアという筋肉が減少する状態への
栄養管理という言葉も登場しない。
そこにあるのは、ただただ、がんと闘うという標語のみ。

がん医療の頂点がいくら「早期からの緩和医療を」と謳っても
現場の医師には、届いていない。
届いていても、患者さんの痛みを感じることができない。

これが、がん拠点病院、というところ。

私は繰り返し繰り返し、提唱している。
緩和医療こそ、地域の診療所で。

しかし誰も耳を傾けない。
御縁がある人だけ関わればいいのだが。

日本中にこのような患者さんが一杯いるのだろうな。
可哀そうだが、どうすることもできない。

緩和医療の大切さが本当に認識されるのはいつになるのか。
道は遥か遠くに感じる。

今日は、異常な数の往診をこなした。
恥ずかしくて書けない。

看取りあり、看取り直前あり、急変あり、難儀な相談あり・・・
朝から夜中まで、毎日。

そろそろ倒れないかなと思うが
強い体なので倒れない。
自分でもイヤな奴だと思う。

今週は研修医も来て教えている。
毎日、産業医業務もある。
明日は大きなイベントの司会。

 

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この記事へのコメント

>そろそろ倒れないかなと思うが
 >強い体なので倒れない。
 >自分でもイヤな奴だと思う。

決してイヤな奴ではありません。
決して、強い体だから倒れないんじゃなくて、
患者さんとその家族に、医師として、これだけ時間を費やして、
心と体を看て、手当てされるのに、ご自分の心と体は看ようとせず(看る暇がない?)、
不感症(気づかないふり症候群)の慢性化に罹っているのではありませんか?
 長尾先生も人間だから、大魔神じゃないから、心と体を大切にしていただきたいと思います。

倒れてから、あの時、こうしていれば…、では遅すぎます。
たくさんの患者さんと家族が困ります。
くれぐれも御身も大切に、灯台もと暗し、紺屋の白袴とはよく言ったものですが、
医者の不養生、特に長尾先生が自らの倒れるのを待っているような不養生は、治癒困難ですか?

Posted by ゆいゆい at 2012年08月23日 02:26 | 返信

ほんとに、ゆいゆいさんの、仰る通りみたいに思います。長尾先生はどちらかと言うと、心理的な意味で、「A型人間」に見えるし、「平穏死」や、「自然死」の運動で、私達に良くいえば「やさしい」、悪く言えば「八方美人的」で、こういう人は、心筋梗塞タイプなんだそうです。小説に出てくるように「アーッ!」と言って倒れる。皆が「先生!しっかりして!」と言って泣く、「長尾先生はいい人だったのに!」なんて言われて、ロマンチックだったら良いけど。
中村仁一先生は御自分のお父様が心筋梗塞で亡くなった時は「脱糞して、失禁した」と何回も書いていらっしゃって、あんまり、ロマンチックじゃないなと思いました。あれは中村仁一先生のお父様も、お仕事に命を掛けていらっしゃったんだなあと思うのと、私と同じ鍼灸師でいらっしゃったから、ちょっと医師に血液検査とか、血圧とか計って貰おうという気が無かったからかなとか思います。ゆいゆいさんの仰る、紺屋の白袴でしょうかね。

Posted by 大谷佳子 at 2012年08月24日 01:33 | 返信

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