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在宅療養シリーズ最終回

2012年09月01日(土)

今朝の産経新聞兵庫版に連載している「在宅療養シリーズ」最終回。
訪問看護師さんとケアマネさんの話で締めくくった。
2種類の在宅医がいることも書いた。
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在宅療養シリーズ第8回(最終回) 2種類の在宅医

                 訪問看護師とケアマネ選びが要

 

 在宅療養シリーズも今日で最終回。今回はまとめです。もし在宅療養を望むなら、相性のいい在宅医を探すことです。しかし「医者なんて要らん!」という医者嫌いの方もいます。お気持ちは分かりますが、医者は必要です。主治医師意見書が無いと介護認定がおりませ。また死亡した時に必要な死亡診断書は医者しか書けません。何?警察があるからいいって?いくら警察が入っても死亡診断書や死体検案書を書くのはやはり医師なのです。

日本では生まれる時も死ぬ時も、お医者さんと関わらないといけないのです。あの有名な映画「おくりびと」には、医者はおろか看護師も一回も登場しません。人の生死に医療者は必要ない!という強いメッセージは素晴らしかった。しかし現実には、裏に死亡診断書を書いている医者が必ず要るのです。従ってうんと年老いたり衰弱したら、主治医選びとは、自分の死亡診断書を書いてもらう医師を選ぶことでもあるのです。はやり納得のいく主治医を選んでくださいね。終わりよければ全てよし、なのです。

 
 在宅医には2種類あります。朝夕の外来診療を行い午後から在宅医療を回る昔ながらの開業医は、「午後から在宅組」と呼ばれています。私もそうです。一方、もっぱら在宅医療だけを行う診療所もあります。後者は、「在宅専門クリニック」と呼ばれます。前者が大半ですが、都市部では後者も増えています。「午後から在宅組」は、かかりつけ医として外来から継続して診ることが大半です。私も長く診ることが喜び。一方「在宅専門クリニック」は、文字どうり在宅医療に特化していて病院からの紹介が大半。末期がん専門とか神経難病専門とか専門に分かれてきています。このように2種類の在宅医がいますが、どちらがいいとか一概に言えません。時と場合、そして相性によりますので、口コミ等を参考にして決めてください。万一相性が合わなければ、在宅主治医もチェンジできます。国民皆保険制度は、フリーアクセスと言って、患者が自由に医師を選べることが最大の特徴です。

 
 さて在宅医とはオーケストラにたとえれば指揮者のような役割です。診察をしてお薬や注射や検査の指示を出し、患者さんや家族に説明し、介護意見書や死亡診断書を書くのが仕事。しかし実際に患者さんに寄り添い力になってくれるのは、実は訪問看護師さんです。ウンコやオシッコのお世話になるのは看護師さん。真夜中に電話一本で助けに来てくれるのも看護師さんです。医者は偉そうに言いますが、イザという時にあまり役に立ちません。もっとも訪問看護師は医師の指示でしか医療行為は出来ません。しかし在宅現場では予め「包括指示」といって「ここまでは介護師さんの裁量で行ってもいいですよ」という指示を医師から事前にもらっています。ここが病院の看護師さんと少し違うところです。

 
 さらに大切なのはケアマネさん選びです。その人にあったデイケアはどこがいいのか、親切なヘルパーステーションはどこなのか、本人や家族の希望にしっかり耳を傾けて相談に乗ってくれるケアマネを探しましょう。訪問看護師とケアマネ探しが要というのが本シリーズの結論です。こうして本シリーズを書いている間に出版された「平穏死・10の条件」は早々に4刷り、ベストセラーになりました。御礼を申し上げます。(終わり)

 

キーワード 在宅専門クリニック

もっぱら在宅医療のみを行う診療所。外来診療をほとんど行わなくても、法律上は診察室が必要で、週に1時間でも外来診察を標榜している。人口30万人程度以上の都市部で生まれつつある。

 

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