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ドラッグ・ストライキ

2012年09月15日(土)

全く知らないある高齢者に往診に呼ばれた。
事情が分からないまま、そのSOSに応じた。
訪問すると、沢山の飲み薬を全部やめたという。
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数えてみたら、5つの医療機関から
合計30種類ものお薬が出ていた。

そりゃ、止めたくもなるだろう。
まさにどうしたらいいか分からなくなり自己中止していた。
そもそも通院が難しくなってきた。

「もう死んでもいいの、だから全部止めるの」と泣く。
まあ気持ちが分からないわけではない。

高齢になると病気が増える。
病気が増えると薬が増える。
ガイドラインを満たすにはさらに増える。

そしてみんな20種類以上のお薬を飲む。
それぞれの専門医は、俺様の処方に胸を張る。
しかしそれを集めたら、20種類以上となり、誰も止められない。

これをなんとかするのが、「人を診る医療」ではないのか?
多剤投薬のトリアージ指針を出すのが老年医学会ではないのか?
当たり前のことが全く当たり前でない、異常な日本の投薬状況。

ドラッグストライキを起したその老人は元気になった。
よくある笑い話と一緒。
医者が一番気がついていないので、話は深刻だ。




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この記事へのコメント

>多剤投薬のトリアージ指針
おっしゃるとおりですね。その優先順位について、心おきなく話せる医師が居てほしい。
その前に、医療を受ける側が、こんな風に生きたいのだと医師に伝えられなければ、
それぞれの医師は、良かれと思って標準治療を選択するのは当然に思えます。
自分のことを言うと、いつも「脳血管障害と糖尿病と認知症は予防したい、後はまあまあで
良いです」と言って笑われています。

薬剤選択の相談料ですが、答え=情報の提供サービス(セカンドオピニオン)には、対価を支払うのは勿論のことでしょう。マックと同じで、「スマイルは無料」であってもね。
東京は、病院に依るのかもしれませんが紹介状はすぐに書いていただけるし
SO費用30分3万円は普通です。私の場合治療の選択についてでしたが、
肝心の最初の病理診断結果についてもSOが受けられると知り、世の中進んできたことを実感しています。

この大胆な(自分の体の声を受け止めた)おばあさんが、お元気になられて良かったです。
私は医師の知識や臨床経験を尊んでいることもあり、そこまで実行する勇気は多分無いですが、お気持ちは伝わってきました。
一つ疑問・・・その患者さんが長尾先生にSOSの往診をお願いした理由は? お薬を全部止めたことを告げて肯定していただきたかったんでしょうか。

Posted by 梨木 at 2012年09月15日 09:25 | 返信

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