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患者を家に返す

2012年10月05日(金)

病院医療者は、よく「患者を家に返す」と言う。
あるいは「状態が悪くて家に返せない」とも言う。
どちらも上から目線の言葉であり、傲慢だと感じる。
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私のもとには、「家に帰りたいと言っても病院が返してくれない」
という相談が舞い込む。
どうやったら家に帰れるのか?と。

病院側は、「食べられないから返せない」とか「状態が悪いので返せない」という。
食べられないから家であり、状態が悪いから家である、と思うのだが。
いかに本人や家族が望んでも、返してくれない。

最悪なのは、予後1ケ月もないひとに、IVHポートを作成し
高カロリー輸液をできる在宅医でないと退院調整ができない、という病院。
家族には、「早く脱北するしか方法がない」としか言えない。

病院は、必ず退院調整が必要だという。
地域連携室や退院調整が無くなれば、患者はハッピーなのに。
これは、ある在宅医の勉強会での在宅医たちの意見。


主治医から直接、退院後の在宅を依頼される場合がある。
これが一番、スムースに在宅移行できる。
なぜ、そうなのか?

退院調整ナースたちが、在宅現場を知らないことに全てが起因する。
想像で医療処置を増やして返そうとする。
家には家のやり方があるのだが。

可哀そうなのは患者さん。
相談だけでは、どうすることもできない。
早く病院が、退院調整の愚(一部だろうが)に気が付いて欲しいのだが。

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この記事へのコメント

住宅改修も、「患者さんが、退院する前にしてしまわないと、患者が困る」と言う説と、「利用者が帰ってから、利用者に合わせて、細かく計って、住宅改修した方が良い」という説があって、ケアマネジャーの資格更新研修でも、つい感情的になって、論争してしまいました。知人のケアマネジャーに聞くと、「住宅改修ね!患者さんの一時帰宅を待って、担当者会議を開いて、理学療法士のアドヴァイスで、始めておくのだけど...(ため息)。」と言う意見でした。
やっぱり、退院前後は患者さんも、医療関係者も、在宅介護関係者も慌ただしい時期なんでしょうね。
利用者さんに喜んでもらって初めて、「良かった!」と思える一瞬ですね。
私は未だ、その修羅場は知らないので、ごめんなさい。

Posted by 大谷 at 2012年10月05日 02:01 | 返信

読売新聞も在宅医療に関する記事が増えてきました。
毎週木曜夕刊で、「わたしの医見」というコーナーで読者の意見を掲載しています。
最近も印象的な投稿がありましたので、引用させていただきます。


昨年、姉と一緒に母をみとった。享年85歳だった。
余命1ヶ月の末期がんだったが、在宅医療と訪問看護サービスを利用できることになった。
姉の家で1ヶ月、母と一緒に過ごした。
医師も看護師も訪問のたび、私達家族の疑問に丁寧に答えてくれた。
母とともに家族のこともよく見てくれていると感じた。
「在宅でみとると決心しただけで親孝行の9割は果たしている。
だから無理をしないで。」
そんな医師の言葉が心に残っている。
母を見送り、今もすがすがしい気持ちでいられるのも在宅医療のプロに
出会えたからだと感謝している。


最近は、このように在宅で満足死を迎えることができた家族の投稿が増えてきました。
この担当医の言葉が素晴らしいと思いました。
医師としての専門性と、人間として品性が上等であること。
両方兼ね備えた医師に出会いたいものです。

Posted by 花へんろ at 2012年10月06日 09:37 | 返信

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