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和歌山大会の余韻
2012年10月07日(日)
ベストセラー作家の久坂部羊氏の特別講演を拝聴し大変勉強になった。
和歌山の方と意見交換できて、大変有意義な1日だった。
お話もとても面白かった。
常に問題の核心をついておられる。
中村仁一先生と同じ匂いを感じた。
小説家であるので、頭の回転もとても速い。
想像力も豊かで、しかも愛にあふれた講演だった。
久坂部先生のファンになった。
質疑応答も楽しかった。
岩尾總一郎理事長、青木仁子副理事長も
加わって頂き一緒に議論できた。
今日は、3連休の谷間。
その割には、100人もの方に来て頂き、よかった。
大きなイベントが無事終了して、ホッとした。
「健やかに生き、安らかに逝くために」
久坂部羊氏
○医療が発達していない国の方が平穏死できる。
医療が未熟な時代のほうが、平穏死できた。
皮肉なものだ。
○苦しまないで死にたいと思ったら苦しむ。
思わなければ苦しまずに死ねる。
思うようにはならない。
○だからお任せでいい。
基本は少し苦しい程度。
○死ぬな!という言葉は
死ね!というより残酷な場合がある。
○尊厳死法がない=尊厳死禁止法があるのと同じこと
○死人に口なし。
苦痛があったことを証言する。
みなが死は初体験。だから全員、失敗する。
=危機管理とは嫌なことを先に知ることである。
○PPKの矛盾
PPの内容は書いていても、コロリは無い
コロリと死ぬのは、不摂生の賜物でしかない。
元気で死ぬのはよくどおしい。
がんで死ぬのは、PPKに近い。
○本当のことは伝わらない。
マスコミは正しく伝えていない。
○「望ましい死を迎えるに必要なことは?」という問いに
最後まで治療を続けていくと答えた医者は2割だが、
同じように答えた市民は8割だった。
○なぜ医者は本当のことを言わないのか。
そのまま言うと医者の自己否定になる。
また、言っても患者さんが受け入れない。
=賢い患者になる
○日本の医療は「幻想」が広がっている。
抗がん剤、医者は「効く」と言って出すが
患者は「治る」と思って飲む。
○抗がん剤の認可の基準を調べてみた。
癌が半分以上縮待って、4週間以上続く患者が
20%以上あれば効果があるとなっている。
○認知症になったら治すことを諦めることが肝要
残っている機能を活かすこと
認知症の進行を抑えることができない。
○ゆっくり老いてられない
老いる=失うこと
美貌、社会的役割、配偶者も失うこと。
○時間は無駄にしていいと思った瞬間に豊かになる。
有効に使おうと思うほど、短くなる。
○2600年前の老子の言葉
人間は強いより弱いほうがいい
人間は賢いより愚かなほうがいい
人間は老いると、知恵がいって、円熟してくるといういい点もある。
○老人力(赤瀬川源平)
老いによって、ダメになってから、得られる力がある。
老人パワーとは違う。
コペルニクス的転換が必要な時代に生きている。
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この記事へのコメント
久坂部羊氏講演のご紹介、有難うございます。
一読して流行作家なのに? 凄い! お医者様みたいと思って検索したら、私が知らなかっただけで医師でいらしたのですね。鎌田實医師との対談もじっくり読むことができました。
先生のブログから、ご本が増刷されている割には関係者に読まれていないと知り、こんなにメディアに出ているのになぜ?と不思議です。
でも世の中変わってきつつある希望は見えますよ。以下ご報告です。
先日、SPボランティアチームの一員として、歴史ある医大看護学部の看護学生に模擬患者役をしてきました。
OSCEではないので一部OKで書いてみますと、80代の末期肺がん患者で在宅療養中の方が、痛み止めの点滴に来てくれた訪問看護師に「もう治療はやめたい」という想いを伝えるという場面です。
驚いたことに、学生の対応はとてもとてもレベルが高くて、こちらがいろいろバージョンを変えて投げかけても、傾聴で受け止めたり医師に繋ごうとしたり(勿論完璧とは言えないまでも)、日ごろの学部での教育が偲ばれました。
そしてなにより、こういう設定をして模擬患者を使い、これから看護師として働く学生の資質を高めようとしている大学側の姿勢に、感謝の念と嬉しさを感じました。
良い医療を考えるためのお手伝いができて(いつも一期一会のロールプレイなので反省点は多々ありますが)幸せでした。他の大学や病院(現役医療職)でも同じような試みがなされています。
長尾先生の啓蒙活動がますます広がりマジクッていくことを、心から願っています。
でも、それには良い在宅診療医が増えて下さらない事には・・・
Posted by 梨木 at 2012年10月08日 02:47 | 返信
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