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kayuさんへ

2013年01月03日(木)

アマゾンの「平穏死・10の条件」の感想文に今日、新たに一人が書きこんでくれた。
kayuさんという見知らぬ方から、とても身にしみるコメントをいただいた。
もし自分がその立場だったら、このように書けるのだろうか・・・・

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正直、言葉は無い。
書物というものを通じて、闘病中の方と、こうして通じるだけでも嬉しい。
以下の文章を読みながら、責任の重さをあらためて感じた。
http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4893087770/ref=cm_cr_dp_synop?ie=UTF8&showViewpoints=0&sortBy=bySubmissionDateDescending#R3I1IIGWT4MQEX

kayuさんは、素敵な旦那さんがいますね。
病院で正月を迎えられたのでしょうか。
揺れ動きながら闘っている。

まさに闘いのさなかにいる方の声はとても重くて
傍観者にすぎない私はなにも言えません。
ただただ頑張って生きてください、生き抜いてください、と月並みだけど、送ります

実現するかどうか分かりませんが、
いつかどこかで会えると信じています。
今は何もできなくて、ごめんなさい。

でも、ちゃんと生きたひとは、ちゃんと死ねます。
私自身もそう信じています。

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

私は現在、スキルス胃癌の為に抗癌剤治療を受けている身です。
告知された時から、自分の最期をどうやって締めくくって行くか…と言う事を考えていたように思います。
2012年の7月のことでした。

抗癌剤治療が始まってからは副作用などもあって、色々な事を諦めなくてはいけなくて。
1つ1つ執着しているモノや、単なる義理で付き合っていた人とのご縁を手放す中で、ネットで長尾医師のブログに出会いました。

第4クールの抗癌剤治療入院の時に、この本を病室で読み終えました。

『平穏死』を望む私に必要な情報が書かれていて、『平穏死』を望むのであれば死に逝く自分だけでは無く、残された家族も私の意志に沿って貰わなければいけないんだ…と改めて気付きました。

読み終わった本を主人に読んで貰って、私の望む最期を託すことになったのです。

私は、まだ延命治療を拒否する段階ではありません。
腹膜播種とリンパ節転移はありますが、他臓器への大きな転移が無い事もあって、抗癌剤治療を続けています。

年末に第4クールまでの治療効果を評価する検査も、クリア出来ました。
来年も当分は抗癌剤治療が続きます。

ただし他臓器への転移が見つかった場合は、抗癌剤治療を中止し緩和ケアに移る事は、告知された時から主治医に伝えています。
それは今も変わらない私の意志です。

延命治療をどこまで続けるのか…、その判断は難しいかと思います。
それには今の自分がどんな状況にあるのか、病状から逃げることなくしっかり自分自身で把握する必要があります。

幾ら延命治療の拒否を望んだとしてもタイミングを逸してしまえば、生の総決算を出来なくなってしまう。
怖くても、逃げたくても、自分の病状を自覚しなければ、死に逝く時に望んだ方向に行かないのです。

死を恐れることは無いけれど、終末期の痛みのコントロールはして貰いたい。
少しでも痛みの無い時間を持つ事が出来れば良い。
そう思っていたのですが、やはり現実の医療現場で起きている無駄な延命治療の実態をこの本で知る事が出来ました。

最初は「こんな本を読む段階じゃない。」と言っていた主人も、本を読み終わってから気持ちが変わったようです。
最期を託されたのだ…と言う自覚を持ったことで、お互いにすべき事も認識出来ました。

この本は、もっと多くの人に読んでもらいたい。

命に終わりがあるのは、誰でも同じです。
だけど生きることだけに気持ちを向けて、死を見ようとしないのはおかしい事です。
今の日本には死に対する感覚が希薄で、死は恐怖であり闇であり、考えるべきではないと言う風潮があって、ちゃんと死ねない人も多くなっているのは、とても残念なことだと思うのです。
ちゃんと生きた人は、ちゃんと死ねます。
ちゃんと生きることって、死と向き合うこともであるのです。
そんな事を気付かせてくれる本なのではないかな…と思います。

子供の頃から病気や怪我と縁が切れなくて、何度も入院・手術を繰り返してきました。
昨年、誕生日前に進行性の胃癌と告知を受けた時、私は「あぁ、これでやっとこの世の卒業証書が貰えるんだ。」と思いました。
生きることから解放されるんだって思ったんですね。
これが総決算になるんだって思って、色々な整理をし始めています。

治療を受けなければ余命半年と言われ、その半年を過ぎた時。
まだ生きて居ても良いんだと、許されたような感覚になったのも事実です。

死と生を揺れ動いて居る、そんな私がいます。

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