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看護師も理解できない「胃ろう」

2013年01月14日(月)

在宅は連休と関係ない。通常の訪問診療、そしてある老衰の患者さんの往診をしている。
家族に、ほとんど食べられないので、このままだと先はもう長くないとゆっくり説明した。
そこに入っている訪問看護師さんは、家族にしきりに「経鼻栄養」を勧めてくれるのだが・・・

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30年間もひとつの病院に入院していた患者さんを初めて見た。
終末期になったので家、族の希望で家に帰って来た。
30年もいたのに退院調整も退院指導も何も無しで帰ってきた。

ご家族は、「胃ろうは絶対にイヤ」と明確に意思表示されている。
     しかし「だけど点滴はしてほしい」と、未練をうかがわせる。

私は、「じゃあ、なぐさめの点滴を少しやってみますか」と提案。
もちろん本意ではない。
首尾一貫しない中途半端な自分の言動に少し嫌気を感じている。

訪問看護師は、「経鼻胃管が何故ダメなのですか?」と
     2回も電話してきた。
     「今から、私が入れますよ」と意気込んでいる。

まるで私が、酷い医者のような言いぶりだ。
一生懸命、人工栄養の基礎的な話をするも、理解できないようだ。

10数年前、鼻から管を入れて栄養していた時代で、その看護師の時間は止まっているようだ。

ああ、ご家族と訪問看護師にどこから話せばいいのか・・・

お二人に質問してみた。

「私の胃ろうの本を読んでくれましたか?」

「忙しくてそんなもの読む暇がありません」

いつもそう。
必ず、このような答えが返ってくる。

一番読んで欲しいひとに、全く読んで頂けないジレンマ。

読んで欲しいから書いているのだが、
一番肝腎な人に読んで頂けないのは辛い。
何のために本を書くのか、イヤになってくる。

人工栄養を巡る誤解と混乱は、まさに日常そのものだ。

家族も看護師もケアマネも、最低限の勉強すらしようとしない。
10分あれば分かることを、知ろうとしない。
自分の経験と感情だけで、無理難題を言ってくる。


家族が口から食べられなくなって、困っているみなさまへ。

是非、拙書「胃ろうという選択、しない選択」(セブン&アイ出版)
を読んでください。

http://www.amazon.co.jp/%E8%83%83%E3%82%8D%E3%81%86%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E9%81%B8%E6%8A%9E%E3%80%81%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84%E9%81%B8%E6%8A%9E-%E3%80%8C%E5%B9%B3%E7%A9%8F%E6%AD%BB%E3%80%8D%E3%81%8B%E3%82%89%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B%E8%83%83%E3%82%8D%E3%81%86%E3%81%AE%E5%8A%9F%E3%81%A8%E7%BD%AA-%E9%95%B7%E5%B0%BE-%E5%92%8C%E5%AE%8F/dp/4860086163/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1353247893&sr=1-2

そうすれば
「胃ろうは嫌だけど、鼻からチューブにしてください」ということは絶対言わないはず。


そういえば、今日から、この本の新聞広告が出でいると連絡があった。
小さいですが、どこかで見つけてください。

1/14月=朝日東京、読売東京

1/15火=読売大阪ほか

1/16水=朝日大阪ほか 

1/17木=毎日東京 

1/18金=日経東京、日経大阪ほか

1/19土=毎日大阪ほか 

1/19土=朝日東京



そうそう、2月7日には、東京・池袋で出版記念講演会があります。
ここにも是非おいでください。

講演概要

日時/27日(木)14:00 15:45

場所/池袋コミュニティカレッジ(西武池袋本店8階4番教室

講題
平穏死から考える胃ろうの功と罪
ーハッピーな胃ろう、アンハッピーな胃ろうー

参加費無料定員100


詳細や申し込み方法は、追って掲載いたします。


最後に、胃ろうの拙書を読んで頂いた、「胃ろうの権威の先生」から
たいへん嬉しいお手紙を頂いた。
私信なので、個人情報を伏せて、ご紹介したい。


長尾和宏先生

 

『胃ろうという選択、しない選択』熟読させていただきました。

3回読みました。
1回目は胃ろうのことを何も知らない立場で、2回目は胃ろう反対派の立場で、
3回目は私の立場で。


どの立場から読ませていただいても、納得のいく内容となっており、万人に理解できる素晴らしい書籍だと思いました。

 

先生がおっしゃるように、胃ろうを急性期病院に突然勧められ、悩んでおられるご家族には是非読んでいただきたいと思いました。

胃ろうは延命治療とのレッテルが張られてしまっていますが、

我々は、そうならないように!

パッピーな胃ろうには緩和治療として、アンパッピーな胃ろうは緩和ケアとして
うまく胃ろうを活用できればと考えています。

 





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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

長尾先生 初コメントです
本日の愛媛新聞のシニア図書室に「胃ろうという選択、しない選択」
が紹介されていました(^◇^)
3月 松山でお話が聞けるのを楽しみにしております

Posted by 紅まどんな at 2013年01月14日 06:55 | 返信

専門医でおられながら、三つの立場で三回読まれたという真摯な御態度に
深い感銘を受けました。その先生が褒めて下さっている、素晴らしいですね。

以前中村清吾先生が「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演された時
プロフェッショナルとは?と問われてお答えになった言葉が
WEBでも反響大きかったですね。私もTVでお聴きして心に深く残りました。
     ≪プロフェッショナルとは・・・≫
     自分の可能性と限界を知っている人。
     そして他のプロフェッショナルをリスペクトできる人だと思います。

今日も良いお話をご披露いただいて、有難うございました。

Posted by 梨木 at 2013年01月14日 09:31 | 返信

「胃瘻とゆう選択、しない選択」
私も、何度も読みました。今後の自分の仕事に生かしていこう、
私の言葉で、周りの人達に説明しよう~と覚えるくらい読みました。
今この本は、お友達の喫茶店に置いて、読んで頂いています。
他の先生の本ももちろん、並んでいます。

Posted by 島袋豊子 at 2013年01月15日 01:51 | 返信

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