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胃ろうがまだ伝来していない世界

2013年01月15日(火)

鼻からの管(経鼻栄養)に関する相談が毎日ある。
胃ろうのやりすぎも問題だと思ううが、
経鼻栄養のやりすぎも、もっと問題だと思う。
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訪問看護師さんは、連日、鼻から管を入れさせてくれと言う。
経鼻栄養は、人工栄養法のひとつであることが理解できない。
家族にも経鼻栄養の話ばかりするので困ってしまう。

胃ろうの意味が分からないようだ。
ほんとうにそんなに難しいのかな?

何ケ月も鼻から管を入れたままの患者さんが退院してくる。
可哀そう。
食べれるものも食べられない。

その病院では、ほぼ全員が経鼻栄養だと聞き、仰天した。
鉄砲の伝来の歴史を習ったが、
まだ、胃ろうが伝来していない病院があることに驚くばかり。

胃ろうの本を書いたが、
世の中は、まだ鼻から管の時代なのか。

胃ろうなんてもう古い話かと思っていたが、
胃ろう自体が伝来していない、病院や訪問看護もあることを知っておく必要がある。

平穏死の本も売れているが、100歳の胃癌の末期でも
人工呼吸器と心臓マッサージをしている病院が、ある。
現在の話だ。

院長は、「延命こそが最高の医療。長尾先生は間違っている」と
怒り散らしている。
信じられないかもしれないが、これが現場の姿なのだ。

私にしてみれば、ルバング島の小野田さんに遭遇したような気分だ。
どこから話せばいいのか、きかっけがない。

戦争は終わった=もう鼻から管は古い、やるなら胃ろう
延命死⇒平穏死の時代であると、いくら説明しても全く伝わらない。

そういう医療者が死ぬまで変わらないのか。
すると、あと10~20年はかかるのだろう。

平穏死も胃ろうも、まだまだ時間がかかりそう。

あのような医療者に伝来するまで最低でもあと10年はかかるのだろう。
本は、そのような人に読んで欲しいのだが、それが叶わないもどかしさ。

可哀そうなのは患者さん。

医療という犯罪行為が、公然と行われている。
誰も言わないので、顔出しで指摘している。
それで殺されても仕方がない。




 

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この記事へのコメント

はじめまして。
療養型病院で介護福祉士として働き始め、<医療という犯罪行為>のような実態に唖然として日本の終末期医療はまちがっていると強く思い、中村元一先生、石飛先生のご著書、もちろん長尾先生の
「平穏死10の条件」「胃瘻という選択しない選択」それからブログ記事の寄せ集めの町医者シリーズ!
も読みました。顔出しで指摘してくださる先生方を尊敬しています。
急性期病院のとりあえず胃瘻が諸悪の根源だと私は思います。最近は胃瘻=よくないもの。という
意識も広まってきているのか急性期病院で胃瘻を拒否する家族さんも多いようで、胃瘻しないのなら
とりあえず経鼻栄養、それがいやなら在宅になりますと説得され経鼻栄養でうちの病院に送られて
こられる患者さんがとても多くなりました。 急性期病院の医者はその患者さんのその後を知らないの
ではないでしょうか? 尊厳とは真逆の苦しく長いベッド上での生活が死ぬまで終わらないのです。
経鼻栄養の方が患者さんの苦痛は強いようで、少しでも手の動く方は必ずと言っていいほど自己抜去
されます。一回でもするとミトン、何回もすると拘束です。かわいそうです。

Posted by ゆらーり at 2013年01月16日 12:21 | 返信

ゆらーりさんの仰っていることは、本当かも知れません。
私に父も、病院に入院すると、拘束パジャマを、買わされて、着せられました。「購入して下さい」と言われて、私が、着せました。父は嫌がっていました。
父は尿道カテーテルを、引き抜こうとしたから、危険だったのです。
でも、ゆらーりさんの、この経鼻栄養の話を読んだ時は、びっくりして、笑ってしまいました。でも、直ぐ悲しくなって、涙が出ました。
年を取って、力が無くなると、ひどい扱いを受けるんですね。
動物が年を取ると、他の獣に食い殺されるのと、一緒ですね。
人間の尊厳とか、社会保障の理念とか、絵空ごとなんですね。
長尾先生が、過激なんではなくて、現実の医療の世界が、過激で、非情なんです。
私はどんな、死に方をするんだろう。あんまり、いい死に方は期待できないみたい。

Posted by 大谷佳子 at 2013年01月17日 02:20 | 返信

>尊厳とは真逆の苦しく長いベッド上での生活が死ぬまで終わらないのです。
>経鼻栄養の方が患者さんの苦痛は強いようで、少しでも手の動く方は必ずと言っていいほど
>自己抜去されます。一回でもするとミトン、何回もすると拘束です。かわいそうです。

母を思い出しました。
私も手術で胃管というのを経験していますので、管が鼻やのどに通りっぱなしの
強い不快感はよく分かります。母も不自由な手で抜いてしまいミトン→ベット柵に拘束でした。

最後まで好きな物を食べて、枯れるように死なせて上げたかったなと思います。
介護なんていう言葉が無かった時代、私の祖母が認知症になったのですが、看護婦さんが
毎日脈を取って栄養剤の注射を打つだけでした。入浴サービスもなかったので看ていた母は
大変でしたが、最後まで刺身やお菓子を食べて、最後は飲まず食わずが数日続いて眠って
逝きました。それが良いとは言いきれませんが、私ならそうやって死んでいきたいです。

Posted by ちろる at 2013年01月17日 01:46 | 返信

83才の認知症の母を、2012年春に新設の特養に入れていただき喜んでおりました。しかし特養入所後半年後位の10月末に失神で救急搬送されて以後、嚥下能力が低下しました。特養の看護師さんから、さかんに入院するか経管栄養にするかと判断を迫られましたが、唯一健常な家族である私はどちらも拒否しました。すると今度は、特養の施設医から言われたから、と言って経鼻栄養を勧めてきました。胃瘻のように手術する必要はないし、一時的に鼻から栄養を入れて元気になれば、また口から食べれるようになるから、と言われましたが、私が「もしずっと口から食べれないままだとどうするのですか?」と聞くと回答をいただけませんでした。
私宅は、経管栄養もIVHもせずに自然の看取りを希望しており、そういった看取りをお願いできる施設であることを事前に確認して入所申し込みをしました。にもかかわらず、新設の特養なので職員間のコンセンサスができておらず、看護師さんは、食べれない母をこのままにしておくのは犯罪である、としか考えられないようでした。年配の看護師さんなので胃瘻に対する詳細情報も知らないようです。とにかく機械的に生きれるようにしておけば、自分達医療者側の責任は回避されると考えて働いている人です。
昨年10月末からの2ヶ月余り、母の経管栄養も入院も拒否する私は、看護師と施設医と施設長と理事長と、連日のように話し合いを続け神経をすり減らしました。正直、クタクタになりました。今ようやく施設側は、終末医療に対する私宅の方針を再確認し理解し了承したかのように見えています。
何よりも入所以前の申し込み段階から、ナチュラルな看取りを実行していただける施設であることが、施設入所に対する私宅の絶対条件でしたので、それは入所申込以前に何度も確認しました。理事長との話し合いでははその点、言葉を濁すようなこともなく明確にご回答いただき信用できると感じましたので、公的機関にクレーム申請することはなく、そのまま母を預かってもらっています。また介護師の方々はほんとうによくお世話してくださって、私は介護師の方々の良心を信頼できます。
しかし問題は看護師さんです。施設医と話している時は、強引に経管栄養にさせようとする意図は感じられないのですが、看護師さん連中は経管栄養こそ「正しい道」だと考えているようです。
今後、他にも様々な「肉体を存在させるために受けるべき医療処置」を提示され、それを拒否すると「医療ネグレクト」だの「殺人行為」だのといった批判や非難を受けるのだろうと予測しています。そういった批判や非難に対してどう対処すればよいのか、ずっと考えていてノイローゼになりそうです。医療者のやりたいようにやらせることが、家族にとっては一番楽なのですがそれは母の本意ではありません。母は元気な時から管に繋がれて生きるのは嫌だと言っていましたし日本尊厳死協会へも登録しています。にもかかわらず家族は医療者と戦わなければならない。
最近、ある覚悟をしました。それは、医療者側から「受けるべき医療処置」を提示され私がそれを拒否して、医療者が納得せずに私を非難した場合には、私を告訴するように願い出ることです。
私は次のように言います。
「あなたは医療従事者ですから、職業人としてそういった非難をなさるのは仕事の一部のはずです。ですからどうぞ告訴してください。私は逃げも隠れもいたしません。逮捕されるのなら逮捕されます。この問題を衆目に晒し司法の判断を仰ぎましょう。」
「受けたくない医療を受けない権利」は、日本国憲法では保証されないのでしょうか? 日本は医療が支配する国なのでしょうか?
幸い母は、ゼリー状のものですが何とか口から食べています。
これからもずっと、私の戦いは続きます。

Posted by komachi at 2013年01月23日 09:34 | 返信

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