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餓死か、胃ろうか
2013年01月31日(木)
連日、全国から胃ろうに関する相談が寄せられる。
「餓死か、胃ろうか」が全国共通のセールストーク。
誰がこんなフレーズを使いはじめたのだろう?
「親を餓死させる気ですか?」
この問いかけに、NO!と返事できる日本人は、ほぼ皆無だろう。
そこをついた、巧妙なセールストークが、あちこちで使われている。
ちょっと許せない気分。
そんな汚い手で患者や家族を誘導するのは、悪質だと思う。
よく聞くと、ちゃんと会話ができるという。
「話ができるなら、食べられるじゃないか!」
「それが、食べたら誤嚥性肺炎で死ぬよ、と言われているんですよ」
この会話は、全国共通。
私も毎日、聞かされている。
それにしても、こんな都市伝説がどうして生まれたのか??
食べられるのに食べさせない医療。
それって、拷問であり、犯罪ではないのか。
「医療という名の犯罪」がいたるところで公然と行われている現実を
見知らぬひととの会話の中から知ることができる。
嘆かわしいのは、主治医が自覚症状がないこと。
アホな医者が、アホな医者を教えた結果が、この現状なのだ。
胃ろうの相談電話を切ろうとしたとき、家族は呟いた。
「鼻からのチューブが可哀そうで・・・」
「ええ!もう鼻から管が入っているの?」
「そうなんです。この病院はみんな鼻からです。
胃ろうにしたら、胃ろう専門病院に転院しないといけないし・・・」
「・・・・・・・」
もうどこから話していいか分からなくなる。
そんな電話をしているうちに、1日が過ぎていく。
疲れたら、こう言って電話を切ることも。
「餓死も悪くないよ。私自身は餓死がいいな」
胃ろうの相談を寄せる方へ。
そんな貴方のために、一生懸命、本を書きました。
「胃ろうという選択、しない選択」(セブン&アイ出版)
http://www.amazon.co.jp/%E8%83%83%E3%82%8D%E3%81%86%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E9%81%B8%E6%8A%9E%E3%80%81%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84%E9%81%B8%E6%8A%9E-%E3%80%8C%E5%B9%B3%E7%A9%8F%E6%AD%BB%E3%80%8D%E3%81%8B%E3%82%89%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B%E8%83%83%E3%82%8D%E3%81%86%E3%81%AE%E5%8A%9F%E3%81%A8%E7%BD%AA-%E9%95%B7%E5%B0%BE-%E5%92%8C%E5%AE%8F/dp/4860086163/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1353247893&sr=1-2
できればこの本を、3回読んでから相談してほしいな。
でないと、私は胃ろうの相談で、私の1日が終わってしまう。
それにしても、日本の医療は狂っている。
医学教育が、狂っているから。
しかしその自覚症状が無いので、行くところまで行かないと変わらないのだろうな。
維新の会が政権をとって、皆保険制度が崩壊すれば、胃ろう問題は自然消滅する。
日本の医療の自然死。
しばらくは、自然に任せるしかないのか・・・
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この記事へのコメント
「胃瘻にせず親を餓死させるのか」と迫る「医療従事者」は、職業人として発言しているのであって、個人としては「自分や自分の家族は胃瘻にさせたくない」と思っている人が、アンケートを取ると、かなりたくさん居ることがわかった、という記事を、何度か読みました。
また、親が生活している特養の看護師さん連中もよく言います。
「あなたの気持ちはとてもよくわかる。でも私たちは仕事だから、あなたの気持ちに同調できない。」と。
これって、何なのでしょうか。
個人としては拒否することを「仕事だから」他人に強要する、言い換えれば、(自分や家族以外の)人間の命をもてあそぶことも仕事の内、そういった人達が医師であり看護師である日本という国。
ず~っと前からこうだったのかしら?
Posted by komachi at 2013年01月31日 09:31 | 返信
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