正直、東広島市という市を知らなかった。
また、そんな新幹線の駅も知らなかった。

東広島と広島は全然別と気が付いたのは新幹線に乗ってから。

広島なら何度も行っているので、１時間半で行けるし、近いと思っていた。
しかし東広島のほうが大阪に近いのに、広島より、さらに１時間遠い。

岡山駅で、こだま号に乗り換える。
着く駅、着く駅で、さくらやひかりやのぞみに追い抜かれる。

東広島駅は小さな駅だった。
そこからタクシーで１５分走ると、広島大学のキャンパスがある。

実に広大で、素晴らしい。
大阪大学の千里キャンパスをもっと大きくした感じ。

その中に大きなイベントホールがあった。
６５０人もの方に講演を聞いて頂いた。

講演後のシンポジウムが、素晴らしかった。
自宅で親を看取った息子さん、訪問看護師さん、在宅医の
３人のシンポジストのそれぞれの発表に、心を打たれた。

訪問看護師１年目という若きナースの言葉が印象に残った。

「何もしないという看護に無力感を感じ、悩んだ」
「寄り添うだけしかできないことに迷いを感じた」

私は、全然無力感を感じる必要は無いとコメント。
それが訪問看護だから、もっと自信を持ってと。

私の「平穏死１０の条件、自分の最期は自分で決める」という演題に呼応したかの
ような素晴らしいシンポジウムだった。

このシンポジウムは、東広島市医師会の主催。
楽しい前会長、担当理事さん、医師会事務職員さんと交流させていただいた。

東広島市は昭和４９年からある人口２０万人の都市。
西条町は愛媛県（伊予西条）にもあるが、東広島が本家だと。

西条は、日本酒の酒蔵で有名。
歴史ある酒蔵街を案内して頂いた。
３日前、西宮の酒蔵通りで灘の酒を味わったばかりだが、それよりさらに旨かった。

酒都西条を代表する料亭、「藤乃家」は、重厚な造り。
賀茂鶴の「超特選特急酒」を御馳走になった。

こんな私の講演を聞いて頂いた、東広島の６５０人の市民のみなさま、
ありがとうございました。
市民のエンドオブライフケアに関心の高さに感心しました。

美味しい西条のお酒まで御馳走になった東広島市の関係者に
感謝しながら、広島経由で帰阪した。