このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com

医者が書いた本が売れるということ

2013年03月09日(土)

同じ中村でも、東大医科研でがんワクチンの研究で大活躍されている
中村祐輔先生の近著「がんワクチン革命」の広告が週刊誌に出ていた。
その宣伝文句の中に「白衣を着た医者の妄言」といった言葉が並んでいた。
2つの応援
クリックお願いします!
   →   人気ブログランキングへ    →   にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
 
 
私は最近白衣を着ていないので、どうやら私のことではないだろう。
がん研究者から見たら、抗がん剤の悪口を書いている一人かもしれないが。

中村祐輔先生とは、20年以上前から面識がある。
彼が誰のことを言っているかは、明白だ。


今夜は、「医者が書いた本が売れる」ということを考えている。


・敵が増える。

・ヘンな自信を持つ。

・態度が傲慢になる。

・聴衆の質問をlはぐらかし、ちゃんと答えない。

・自分のことを神のように思っている。


そんなお医者さんや学者さんを、生で何人か見て来た。

実は、政治家もまったく同じ。
地位と権力が、謙虚さを奪っていく。

それに抵抗できてこそ、本物。

一番困るのは、研究会などで、聴衆の真面目な質問に対して、
全然違う話や、自慢話にすり替えて、ちゃんと答えない人だ。

これは社会迷惑。
騒乱させるだけではいけない。

つまり
本が売れる=従来の価値観とは違うことが書いてある、ということだから、
⇒旧価値観と新価値観の対立構図になる。

だから、世間に対して説明義務が生じると思う。
私が講演を引き受けるのは、説明責任があると思うから。

本当は、時間さえ許せば、学会のシンポジウムなど、
ワンテーマで2~3時間でもデイベートしたい。

旧価値観のひとなど相手にせず放置しておけばいいさ、という考え方がある。
一方、旧価値観の人にも、優しく教えてあげようという考え方もある。

これは「考え方」というより、「生き方」であろうが。

私が見てきた、本が売れた医者は、自分ワールドだけの人が多い。

しかし、考えてみれば、理解できないひとを無視していくという考え方では、
いつまでも対立構図は変わらないような気がする。

本当に救いたいひとを救えない。
本来、人を救いたいから、その医者は本を書いたのではないのか。

大切なことは、徹底的に議論すること。
議論で解決しないと思っても、議論することだと思う。

しかし本が売れてしまうと、初心を忘れて、傲慢になってしまう。

そして気がつかないうちに、裸の大様になっているかもしれない。

以上、自戒を込めて。



2つのランキングに参加しています。両方クリックお願い致します。皆様の応援が日々ブログを書く原動力になっています。

お一人、一日一票有効です。

人気ブログランキングへ ← 応援クリックお願い致します!

(ブログランキング)

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ ← こちらもぜひ応援クリックお願い致します!

(日本ブログ村)

※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

医師には医師の苦労があるもんですね。
人を救える時もあれば、救えない時もある。
そのストレスが何年も続けば、独断と偏見と言うより、勘で動くようになるのかもしれません。
中村仁一先生の仰ることも、一理あるとは思います。
免許取り立てで、海千山千のお年寄りの中に入って行くと、してやられますからね。
患者さんが、いい事を言っていたなあと、しみじみ思うのは、患者さんが亡くなってからの時が多いですね。
生きて、鍼灸院に来ている時は元気で、口ばっかり達者で、「この婆ばあ!」と思う時が多いですからね。
ところで、この頃、ノンノンさんは、何にもコメントしないけど、元気なのかな?

Posted by 大谷佳子 at 2013年03月09日 11:50 | 返信

大谷さんのように、私も初期のころ良くアピタルブログに投稿されていた
大人感覚のみつぼんさんや、ユニークなご意見だった匿名さんを
時々懐かしく思い出します。
お元気だと良いな、春ですものね。

Posted by 梨木 at 2013年03月10日 10:05 | 返信

梨木さんは、看護師さんで、ケアマネジャーでも、お在りなんでしたね?
長尾先生も、「元職、看護師のケアマネジャーが望ましい」と言ってますよ。
是非、ケアマネジャーとして、ご活躍下さい。
関東にお住まいのようにお見受けしましたが、長尾クリニックで、見学させて貰って、関東地区で、実践なさったら、鬼に金棒のように見えます。
医師のインターンも研修できるのですから、ケアマネジャーも研修させて貰えると思います。
噂では、誓い将来、何年かインターン研修してからでないと、ケアマネジャーとして実務につけなくなるそうですよ。

Posted by 大谷佳子 at 2013年03月10日 05:14 | 返信

昨夜、3月15日(金)のクローズアップ.現代では、抗がん剤を投与すると、癌細胞は死滅するが、癌幹細胞はびくともしない。その癌幹細胞が血液とともに、体中に流れると、癌が体中に転移すると言っていました。
癌幹細胞を、壊れやすくする何とかって言う薬と、抗がん剤を併用すると、癌幹細胞も抗がん剤で死滅する可能性があるとか。
癌治療も、日進月歩ですね。
近藤誠先生や、長尾先生も含めて、世界中のお医者さんに、感謝します。

Posted by 大谷佳子 at 2013年03月16日 02:23 | 返信

ごめんなさい。間違えました。
NHKの「かんさい熱視線」でした。

Posted by 大谷佳子 at 2013年03月17日 01:56 | 返信

翌朝の土曜日も、BSで、再放送がありました。
よく考えたら、今、癌と診断されている患者さんが見たら、どう思うだろうと考えましたら、「抗癌剤を癌幹細胞に効きやすくする薬は未だ、できてない」のが現実です。
すると、抗がん剤を服用すると、癌細胞は死滅するけど、癌幹細胞は死なずに、身体じゅうに、散らばると言うのが本当とすると、今は抗がん剤は飲まない方がよいと思うのが人情ですよね?
癌幹細胞を弱くする薬ができたら、その薬と抗がん剤を飲むと、全ての癌細胞は死滅するけど...。

Posted by 大谷佳子 at 2013年03月17日 03:22 | 返信

コメントする

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

このたびURLを下記に変更しました。
お気に入り等に登録されている方は、新URLへの変更をお願いします。
新URL http://blog.drnagao.com


過去の日記一覧

ひとりも、死なせへん

安楽死特区

糖尿病と膵臓がん

病気の9割は歩くだけで治るPART2

男の孤独死

痛い在宅医

歩き方で人生が変わる

薬のやめどき

痛くない死に方

医者通いせずに90歳まで元気で生きる人の7つの習慣

認知症は歩くだけで良くなる

がんは人生を二度生きられる

親の老いを受け入れる

認知症の薬をやめると認知症がよくなる人がいるって本当ですか?

病気の9割は歩くだけで治る!

その医者のかかり方は損です

長尾先生、近藤誠理論のどこが間違っているのですか

家族よ、ボケと闘うな!

ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっとボケるで!

抗がん剤 10の「やめどき」

「平穏死」10の条件

胃ろうという選択、しない選択

  • にほんブログ村 病気ブログ 医療・医者へ