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被災地に今からできる5つの支援
2013年05月17日(金)
http://www.drnagao.com/pdf/media/iryotimes/iryotimes130513.pdf
そろそろ相馬野馬追いのことが気になる季節だ。
医療タイムス5月号・冬の時代の診療所経営
被災地に今からできる5つの支援
長尾和宏
2年前のGWは、被災3県を転々としていました。震災から49日目の被災地は、大怪我に喩えたら急性期から亜急性期への移行期でした。行く先々で地域の人達といろんな話をしましたが、自分たちに起こっていることにまだ実感がないようでした。あの日、黙々と後片ずけをしていた人たちは今、何を思っているのでしょうか?現在は、医療に喩えたらまさに「慢性期医療」です。被災地の医療は、まさに日本の慢性期医療の縮図であり、近未来そのもの。石巻に入職された先生がたから断片的ですが継続的に情報を得ています。また福島県相馬市とは、震災を契機に特別なご縁を頂戴しています。
しかし何も無かったかのように賑わう神戸や大阪にいると2年前のことを、ついつい忘れてしまいそうになります。しかし私たちも18年前に、同じような辛い体験をしました。もう忘れてしまった人もいれば、いまだにPTSDで苦しんでいる人もいます。喪失体験は一生癒えないことを、知っています。また私の地元である尼崎市では、8年前の4月25日にJR福知山線の脱線事故が起き、多くの命が奪われました。そのトラウマに苦しむ人たちが私の身近におられ、喪失体験の重さを噛みしめているところです。
遠くに暮らす私たちが今後、被災地にできることを5つ考えてみました。1)被災地の方と接すること。地元の医療者や行政の方を講演会等でお招きして、今だから言える教訓を共有する。市民も一緒に参加しましょう。2)ふるさと納税を継続すること。これは簡単にできます。被災自治体への寄付は所得控除ではなく、税額控除として扱われることはあまり知られていません。どこの自治体でもいいです。テレビで見て応援したいと思う自治体のホームページを開けてみましょう。自治体への寄付=ふるさと納税です。「私は被災地のことを忘れてはいませんよ」というメッセージを送ることができます。3)被災地に旅行しよう。私は何度か被災地を巡りました。当たり前のことですが、見ると聞くでは大違い。今からでも遅くはありません。気候に恵まれるこれからの季節、旅行者として被災地を巡りましょう。経済効果に寄与できます。被災地でお金を使う事は、素晴らしい支援だと思います。4)被災地の友人、知人に手紙を書こう。自分自身の経験を振り返っても、この時期の便りは嬉しいものです。5)被災地の野菜や海産物をネットで買おう。便利な時代に生きています。美味しいい野菜や海産物をネットで買って食べることは、被災地の農業や漁業の復興に大きな励みになるはずです。
以上、思いつくままに書いてみました。すべて医療者でなくても誰でもできることです。加えて現地で頑張っている医療者の本を買って、抄読会を開くこともいいでしょう。「在宅医療から石巻の復興に挑んだ731日」(武藤真祐監修)と、「復興は現場から動き出す」(上昌広著)が超お勧めです。被災地の慢性期医療に学ぶことは、日本の慢性期医療の大きなヒントになります。20~30年というスパンで見ると、闘いはまだ始まったばかり。「これまで一度も被災地と関わらなかった」という医療者にこそ、「これからが出番ですよ」と呼びかけたい気持ちです。
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この記事へのコメント
訪問看護師です。
とても苦しいです。
先生のような在宅医はどこにでもいるわけではありません。
思いと現実がからまわりしてただ切ないです。
突然すみません。どこかではきだしたかったのです。
Posted by 匿名 at 2013年05月17日 11:42 | 返信
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