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がん拠点病院は施設ホスピスしか知らない

2013年06月13日(木)

がんセンターのエライ先生が、尊厳死について考えようと言ってくれている。
しかしそれ以前に、がんで終末期に近い人を放置するのは止めて欲しいな。
がん拠点病院は施設ホスピスしか知らない。在宅ホスピスなど見たことも無い。
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私は、在宅ホスピスの素晴らしさを知っている。
講演の内容の半分は在宅ホスピスについてだ。

日本ホスピス在宅ケア研究会の役員としても
在宅ホスピスの市民啓発に取り組んできた。

しかし本当に啓発しなければいけない対象は、実は、がん拠点病院なのだ。
彼らは、在宅ホスピスの、ザの字も知らない。

在宅医療を信じていない。
在宅医と施設ホスピスへの紹介状を同時に書くなんて、家族を迷わせるだけ。

言語道断の行為をやっていながら、それが患者のためだと思っているようだ。
しかし患者や家族のニーズがそこに無いことには、全く気が付いていない。

数えきれないほどの、可哀そうな末期がん患者さんを診てきた。
すべてに共通するのは、「もっと早く、知りあえてたらなあ・・・」という想い。


がん拠点病院が、日本のがん終末期医療の”がん”である!!

これは数えきれないほど書いてきたし、言ってきた。
しかし肝腎のがん拠点病院からは、非難も反論も、何も無い。

もちろん、世の中何も変わらない。

もう3年以上、言い続けているが、全く意味の無いことに時間を費やしたことになる。
あと3年やって、何も変わらないのなら、諦めてこのブログも止めようと思っている。


彼らは、在宅の、ザの字も知らない。
施設ホスピスに紹介状を書くことしか知らない。

患者や家族は、早くから在宅ホスピスを望んでいる。
しかし、絶対に紹介状は書かない。

地域連携室やMSWも同じ。
在宅ホスピスを知らないのか、信じていない。

家族が頼み込んでくるのは、余命1週間程度になってからがほとんど。
そんな短時間だけ、看取り屋みたいなことをやるのが辛くなってきた。


あと1ケ月早く、知りあっていたら、いろんなことができたのに・・・
もっと喜んでもらうことができたのに・・・

こんな情けない思いを何度してきただろう。

もしかしたらこのブログは、がん拠点病院のスタッフも読んでいるかもしれない。
どうかこんな町医者の想いも、少しでも知って頂ければ幸いだ。

在宅ホスピスについてもっと知って欲しい。
そのためにはなんでもするし、身を呈する。

在宅で「平穏死」で旅立たれた患者さんと御家像のためにも
在宅ホスピス普及活動を、細々とでももう少し続けていきたい。



 

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この記事へのコメント

がん拠点病院のスタッフです。いつも興味深く読ませていただいてます。先生のご講演を病院内で開催できるのでしょうか?小さな病院ですけど。

Posted by 大倉英司 at 2013年06月13日 02:29 | 返信

大は小を兼ねない。
大きいところほど、動けない。
企業も同じことで、小さい組織ほどハンドルを切り替えやすいように思います。
そして小さいところの事例がどんどん出現し、患者を抱える家族からの
口コミ、ブログ等が出はじめれば、大きいところも、重たい腰が上がるのでは
ありませんか?
先生のご尽力のおかげで出版物、講演など、話題がこれほど増えてきています。
これで医学界に牛耳られているマスコミが正しい認識を持ち、放映されれば
日本人の特性からして一気に事態が変わる傾向がありますので、
もう少し時間が掛かるように感じています。
ご健康に留意され、先生の情熱が続きますことを念願しております。
敗戦で価値観が180度ひっくり返った日本のことですから。

Posted by 匿名 at 2013年06月14日 06:27 | 返信

栃木県在住の高校教員です。時々よんでおります。がんの終末期を在宅で過ごした母のことを書いた作文が「心に残る医療作文コンクール」で日本医師会賞をいただきました。自分で申しますのも何ですが、ご一読いただけると在宅での看取りの素晴らしさが伝わると思います。医師会からの小冊子や、ウエブ上に文章があります。第31回心に残る医療 などで検索してください。長尾先生やほかの先生からの在宅推進のメッセージとは少し違う視点で思うところが多々あります。
先日、地元の医療施設のスタッフミーティングでお話ししてきました。終活セミナーみたいな場や、看護学生へのメッセージとしても、直接お話しする機会があれば、日本の社会を少し変えていくことのお手伝いができるのではないかと思っています。長尾先生ほどのインパクトのあるお話しではありませんが、在宅医療、在宅ホスピスの素晴らしさを伝えることができると思います。日程があえば、どこへでも(現実には関東近辺か)伺います。といっても、本業が教員ですので行ける時は限られますが、少人数、1時間ほどでの場も歓迎です。
長尾先生、もし興味を持っていただけたらご連絡ください。

Posted by 大竹伸子 at 2013年06月16日 12:24 | 返信

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