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家族ががんになった時、何ができるのか?

2013年08月05日(月)

本を書いて、良かった!と心から思える瞬間がある。
本を通じて、全く知らない人と心の交流ができるからだ。
通じる人には通じる!ということを実感するのが、出版の喜びだ。
 
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私は無名のオッサン。
町医者ないしヤクザ医者。

でも勉強だけは一生懸命する。
馬鹿だから賢くならなければならない。

今日、アマゾンの「がんの花道」に第一号のレビューを書きこんでくれた人がいた。
本当に嬉しい!! ありがとうございます。

この方は、「平穏死・10の条件」のレビューも書いて頂いている。
拙書「がんの花道」は、がんになる前から読んでいたほうがいい、というアドバイスを頂いた。

この場をお借りして感謝申し上げながら、レビューを転載させていただく。
その後に、再び、「平穏死・10の条件」のレビューも転載させていただく。

この方の言葉は重い。
一言一句を噛みしめながら、少しずつ前に進んでいきたい。


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がんになってからではなく、がんになる前から。 2013/8/5
By kavu
長尾和宏医師著作の『平穏死10の条件』でも、レビューを書かせて頂きました。

現在は抗がん剤治療を中止し、緩和ケアやかかりつけ医師のお世話になっている状況です。

この本は、患者本人が読むよりも、患者の家族の為に書かれた本です。
告知から旅立ち、旅立ち後までを時系列にとらえて対談と言う形で綴られている本なので、分かり易いのではないかな?って思います。

私自身は、がん患者、しかもこれから旅立つであろう時期もそう遠くない立ち位置に居ます。
だからこの本は、ある意味で私に猛省を促したと言っても良いかもしれません。

がん患者、それもステージ4の末期、しかも響きが宜しくない『スキルス胃がん』と言うがんを持って生きていると言う事は、時にそれが傲慢さに繋がる時があるのです。
我儘になったり、体調の不調を理由に八つ当たりしたり…。
当たられる側からすれば、病気で仕方がない…と我慢させてしまうわけですよね。

家族ならまだしも、親しい友人だったりすると…やはりどうしても、しょぼくれてヘタレた姿を見せたくないから、遠ざけてしまいます。

でも友からすれば、その理由が分からないと言う事もあるでしょう。
幸いなことに、親しい友達は理解を示してくれて居ます。
元々の私の性格からして、来て欲しい時にはきちんと口に出して「ヘルプ!」と言うだろうと思っていてくれるからです。

病気を抱えていることで生まれる甘えって、患者本人でもどうして良いか分からない厄介な感情です。

だからこう言う家族側からの視線、支える側、寄り添う側からの視線で書かれている本は、患者側にしてみれば気付かされることも多くなります。

この本を手に取って読む時間が私に残されていたことは、ラッキーだったと思います。

本を読んでから、ほんの少しだけ…主人に対して本音で物事を言うようになりました。
強がったり、我がままを言うのではなく、「痛い、辛い。」「どれぐらい時間は残っているかな?」とか。

がんを告知された時から、主人の前で涙を流したことってありませんでした。
私が泣いてしまうと、主人が動揺するだろう…って思っていたんですよね。

でも、そんな考えこそ、傲慢だったんだなーって。

ホント、反省です。

タイトルにも書きましたが、『がんになってから』読むのも良いかもしれないけど、『がんになる前から』読んでおけば、一情報として役立つと思います。
この本はがんをメインに書かれていますが、病気全般に言えることだから。

是非、多くの人に読んでもらいたい本です。

 
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以下は、「平穏死・10の条件」のレビュー。

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望む方向へ。 2013/1/2
By kavu
私は現在、スキルス胃癌の為に抗癌剤治療を受けている身です。
告知された時から、自分の最期をどうやって締めくくって行くか…と言う事を考えていたように思います。
2012年の7月のことでした。

抗癌剤治療が始まってからは副作用などもあって、色々な事を諦めなくてはいけなくて。
1つ1つ執着しているモノや、単なる義理で付き合っていた人とのご縁を手放す中で、ネットで長尾医師のブログに出会いました。

第4クールの抗癌剤治療入院の時に、この本を病室で読み終えました。

『平穏死』を望む私に必要な情報が書かれていて、『平穏死』を望むのであれば死に逝く自分だけでは無く、残された家族も私の意志に沿って貰わなければいけないんだ…と改めて気付きました。

読み終わった本を主人に読んで貰って、私の望む最期を託すことになったのです。

私は、まだ延命治療を拒否する段階ではありません。
腹膜播種とリンパ節転移はありますが、他臓器への大きな転移が無い事もあって、抗癌剤治療を続けています。

年末に第4クールまでの治療効果を評価する検査も、クリア出来ました。
来年も当分は抗癌剤治療が続きます。

ただし他臓器への転移が見つかった場合は、抗癌剤治療を中止し緩和ケアに移る事は、告知された時から主治医に伝えています。
それは今も変わらない私の意志です。

延命治療をどこまで続けるのか…、その判断は難しいかと思います。
それには今の自分がどんな状況にあるのか、病状から逃げることなくしっかり自分自身で把握する必要があります。

幾ら延命治療の拒否を望んだとしてもタイミングを逸してしまえば、生の総決算を出来なくなってしまう。
怖くても、逃げたくても、自分の病状を自覚しなければ、死に逝く時に望んだ方向に行かないのです。

死を恐れることは無いけれど、終末期の痛みのコントロールはして貰いたい。
少しでも痛みの無い時間を持つ事が出来れば良い。
そう思っていたのですが、やはり現実の医療現場で起きている無駄な延命治療の実態をこの本で知る事が出来ました。

最初は「こんな本を読む段階じゃない。」と言っていた主人も、本を読み終わってから気持ちが変わったようです。
最期を託されたのだ…と言う自覚を持ったことで、お互いにすべき事も認識出来ました。

この本は、もっと多くの人に読んでもらいたい。

命に終わりがあるのは、誰でも同じです。
だけど生きることだけに気持ちを向けて、死を見ようとしないのはおかしい事です。
今の日本には死に対する感覚が希薄で、死は恐怖であり闇であり、考えるべきではないと言う風潮があって、ちゃんと死ねない人も多くなっているのは、とても残念なことだと思うのです。
ちゃんと生きた人は、ちゃんと死ねます。
ちゃんと生きることって、死と向き合うこともであるのです。
そんな事を気付かせてくれる本なのではないかな…と思います。

子供の頃から病気や怪我と縁が切れなくて、何度も入院・手術を繰り返してきました。
昨年、誕生日前に進行性の胃癌と告知を受けた時、私は「あぁ、これでやっとこの世の卒業証書が貰えるんだ。」と思いました。
生きることから解放されるんだって思ったんですね。
これが総決算になるんだって思って、色々な整理をし始めています。

治療を受けなければ余命半年と言われ、その半年を過ぎた時。
まだ生きて居ても良いんだと、許されたような感覚になったのも事実です。

死と生を揺れ動いて居る、そんな私がいます。

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「がんの花道」は、家族ががんになった時に何ができるかについて、詳しく書いた本。
がん難民コーデイネーターの藤野邦夫さんとの共著だ。

http://www.amazon.co.jp/%E3%81%8C%E3%82%93%E3%81%AE%E8%8A%B1%E9%81%93-%E6%82%A3%E8%80%85%E3%81%AE%E3%80%8C%E5%B9%B3%E7%A9%8F%E7%94%9F%E3%80%8D%E3%82%92%E6%94%AF%E3%81%88%E3%82%8B%E5%AE%B6%E6%97%8F%E3%81%AE%E5%8A%9B-%E9%95%B7%E5%B0%BE-%E5%92%8C%E5%AE%8F/dp/4093883157/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1373197226&sr=1-2&keywords=%E9%95%B7%E5%B0%BE%E5%92%8C%E5%AE%8F

現在、アマゾンで3ケタに入ってきた。

がんになる前に読んだほうがいい、とのアドバイスを頂いた。
沢山の人に読んでいただき、レビューを書いて欲しい。

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この記事へのコメント

こんにちは。

「平穏死」10の条件読ませていただきました。
いろいろ考えさせられるところがありました。
私は、子宮内膜ガンの初期で、先月、子宮、卵巣などの除去手術をしました。
初期なので、周りの皆はそんなに心配してないようなのですが、私は「死」を意識しました。
私の半生は、鬱病で自殺未遂を何度も繰り返しています。
でも、中学生になる娘がいることもあって、今は、「生きよう!」と強く思うようになり、鬱病もだいぶよくなっています。
そんな中で告知された、子宮内膜ガン・・・
ショックでした。

たぶん、これから抗がん剤治療が始まるのですが、正直怖いし、髪の毛抜けるのが嫌です。
でも、娘のためにも主人のためにも、生きなければいけません。

これからも「生と死」について考えていくと思います。

Posted by maychan at 2013年08月06日 04:11 | 返信

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