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メタボからロコモへ

2013年10月13日(日)

メタボの認知率は93%だが、一方、ロコモの認知率はまだ17%。
しかし厚生労働副大臣が、以下のような発言をする時代になった。
私は認知症予防の観点から、ロコモ対策が大切だと考えている。
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・平成25927日付秋葉副大臣会見概要

http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=192153

秋葉副大臣会見概要(ロコモティブシンドロームについて)

配布資料

http://www.mhlw.go.jp/file/03-Daijinkishakaiken-10203000-Daijinkanbousoumuka-Kouhoushitsu/0000026005.pdf

 

説明のポイント

○今年の6月に閣議決定された「日本再興戦略」において、健康寿命を1歳

以上伸ばすという目標を掲げており、「健康寿命の延伸する社会」の実現は政府の重要な課題である。健康寿命を伸ばし、国民の皆様が日常生活に制限なく生活を続けられるようにするためには、介護予防などを通じたロコモティブシンドローム対策も重要な要素の一つである。

 

○日本における危険因子とそれによる死亡数についての報告の中で、運動不

足による死亡者数は年間約5万人で、喫煙、高血圧に次ぐ第3位と非常に多い。

(THE LANCET日本特集号(2011年9月)日本:国民皆保険達成から50年「な

ぜ日本国民は健康なのか」より)

 

○ロコモティブシンドローム(以下「ロコモ」という。)とは、年齢と共に運

動機能が低下し、自立度が低下することで、介護が必要となる可能性が高い状態のことである。

 

○ロコモの認知度は、平成24年度において17.4%と低いことから、今年度か

ら開始した第二次健康日本21において、平成34年度までに80%まで向上させる

ことを目標としている。

 

○ロコモの予防の重要性が認知されることで、個々人の行動変容が起き、国

民全体として運動器の健康が保たれ、結果として介護が必要となる国民の割合を減少させることが期待できるため、まずは、「ロコモ」という言葉の認知度を向上させたい。

 

○ロコモは、運動器の障害が基になるため、運動が重要な対策となる。今年

3月に当省が公表した「健康な人のための身体活動量の新基準」では、三つの年齢層に分け、各層での必要な身体活動量を示している。子供の頃からの運動習慣を確立しておくことは、大人になってからの運動の習慣化につながるため、ロコモの予防の観点から大切と考える。

 

○生涯にわたって健康的な生活を営む上で、体力を保持増進することは大切

である。そこで、「プラス・テンから始めよう」ということで、まずは、今よりプラス10分、体を動かすことを広めていきたい。乃木坂46にも御協力いただき、身体活動を増やすため、「プラス・テン」をあしらったポスターを作成した。

 

○健康寿命を延ばすためには、「ロコモ」対策が重要な要素の一つであり、

そのためには、まず、「毎日」「今よりプラス10分、体を動かすこと」を心がけていただきたい。

 

会見の詳細《冒頭》

(副大臣)

どうも皆さんこんにちは。今日は私からロコモティブシンドロームについて、改めて国民の皆さんにしっかりアピールしていかなきゃいけないという見地から御報告させていただきたいと思っております。記者クラブの皆さんはもう本当にロコモティブシンドロームについて知らない人はいらっしゃらないと思いますが、私などは地元でいろいろお話をする時に、メタボリックシンドローム、いわゆるメタボというのはだいぶ解消してきたわけでございますが、100人ぐらいの会場で「ロコモ」を知っている人は手を挙げてくださいと言うとパラパラとしか手が挙がらないというのが実情でございます。今年は折しも健康日本21の第2次計画がスタートしているわけでございますが、このロコモの知名度を上げると同時にやはりこの運動というものに関心を持ってもらうということが非常に大事なことだというふうに思っております。6月に閣議決定されました「日本再興戦略」の中におきましても健康寿命の延伸ということが掲げられているわけでございまして、この平均寿命と健康寿命の差というものをいかに縮小していくのかということが大変大きな課題だと思っております。先般、健康寿命の延伸について、聖路加国際病院の日野原理事長のところにも伺いましていろいろとアドバイスをいただいてまいりました。日野原理事長に開口一番言われましたことは、まずは健康ということについての関心を持ってもらうということも大事だけれども、やはりセルフコントロールということは非常に大事だと、自分の健康は自分で守るということ、特にそのために各家庭に最低でも体重計と簡易な血圧計とそれから体温計を常備して、毎日決められた時間にこれを計測して、健康日記のようなものをつけて自分の体調の変化を管理すると、これがまず大事だというようなお話もいただいてまいりました。そしてさらにはこのメタボリック生活習慣病の名付け親でもある日野原先生がメタボは普及したけれどもやはり運動ということの重要性が非常にやはり十分じゃないじゃないかと、自分は階段をいつも上るようにしているけれども、2回息を吸って4回息を吐くぐらいで上るといいんだなんていうこともアドバイスをいただいてきたわけでございます。ちょっと冒頭、今日の主旨から少しずれたかも知れませんが、やはり日野原先生のような方もですね、運動器の機能低下という問題は健康全体にもマイナスの影響を及ぼすのでしっかりとセルフコントロー

ルの中でさっき言った三つのものを常備しながら、食事と運動ということに留意していって欲しいということであったわけでございます。


そういうことでその中核になってくるのがこのロコモティブシンドロームな

わけですが、まずこの1枚目のパネルを御覧いただきたいと思います。このデータもですね、意外と初めて見るという方もいらっしゃるのではないでしょうか。厚生労働省ではこれまでもスマートライフプロジェクトなどの実施を通して適切な食事、そして適度な運動、そして禁煙ということは力を入れて取り組んできたわけですが、この我が国の危険因子に関連する非感染症疾病と外因による死亡者数ということで、喫煙が間接的な原因で死亡しているという人はかなりの疾病者数になっているわけでございます。それから2番目がやはり高血圧ということでこの辺はだいたい想像がつくと思うんですが、実は3番目が運動不足というデータになっておりまして、結局この見出しにありますように我が国では運動不足が原因で概ねということになるんでしょうけれども毎年5万人が死亡していると。やはり適度な運動というものは健康寿命の延伸にとって非常に重要なことなんだということだろうというふうに思います。本当に運動不足が喫煙や高血圧に次いで死亡者数が第3位で5万人にもなっているというデータをしっかりと国民の皆さんにも認識をしていただきたいなと、つまり、運動不足は生命の危険ということにさえ直接影響する切実な問題だということだと思います。
次にパネルの2枚目を見ていただきたいと思います。年を重ねて運動機能が

低下をいたしますと、やはり筋力の低下を始め体力が全般的に衰えてくるわけでありますから、必然的に自立度が低下をしてまいります。そして結果として介護が必要になる可能性が高まってくるわけでございまして、こうした運動器症候群全般をロコモティブシンドロームと呼んでいるのは御案内のとおりでございます。しかし、現状ではこの「ロコモ」の認知度ですね、残念ながら17.3%という状態でございます。先ほど申し上げましたように会場の中で知っている人って言ってもですね、残念ながらパラパラとしか手が挙がらないという状況でございます。ですから、今年スタートさせた第2次健康日本21の中においては約9年後になるんでしょうか、平成34年度までに80%までに認知度を向上させていこうということで取組をしていきたいというふうに思っております。ロコモの予防の重要性が認知されることによりまして個々人の行動変容というものが起きて、そして国民全体として運動器の健康が保たれ、結果として要介護が必要になる国民の割合を減少させることができるんじゃないかなというふうに思っております。まずはそのためにこのロコモという言葉の認知度を向上させていきたいと思っております。なお、第1次の健康日本21で取り組んできたのがいわゆるメタボリックシンドロームだったわけでありますが、今ではこのメタボリックシンドロームの認知度はこの10年間で92.7%にまで向上さてくることが出来ました。もう生活習慣病の代名詞でメタボといった方が通りがいいぐらいに向上してきたわけでございますので、今年度からは「メタボからロコモの認知度向上へ」、やはりメタボ並の認知度に高めていくということが必要だというふうに思っております。


次にパネルの3を御覧いただきたいと思います。ロコモは運動器の障害が基

になるため、まずは運動というものが重要な対策になります。具体的にですね、どのような運動をどれぐらいの時間、どれぐらいの負荷でやればいいのかとい具体的な話になるとなかなかピンとこない国民の皆さんが多いんじゃないかというふうに思っております。そこで厚生労働省ではだいたい健康な人の場合ですね、どれくらい身体を動かすことが理想的なのかということで今年の3月に公表したデータがあるんですけども、専門的な統計を参考にしながらかなり詳しいデータを発表したんですが、より一般の方に見やすくしていくことが大事だということで、今日は具体的にこういうパネルを用意させていただきました。例えば65歳以上の方はですね、必ずしも強度を伴わなくていいのでとにかく身体を毎日動かしてくださいと。具体的にはですね、とにかく何か運動するってことじゃなくて、自立的にとにかく朝起きて身の回りの世話もするでしょうし、あるいは近くのお散歩もするでしょうし、とにかく全体で運動っていうことではなくても身体をとにかく40分以上動かしてくださいと。それにですね、「プラス・テン」ということを厚生労働省では付け加えているわけでございますけれども、では具体的にプラス10分というのはどういうことかというと、例えばラジオ体操だとちょうど10分、植物園の水やり、庭仕事ですね、これが10分、単に歩く場合だと40分、こういう形で40分プラス10分という形でなるべく負荷の高い必ずしも運動ということではなくて、極力身体を動かすという観点から取り組んでいただければなというふうに思っております。それで18歳から64歳の方々のはかなり年齢の開きがありますけれども、3メッツ以上の強度でというんですが、3メッツってどれぐらいの強度かというのはなかなかピンとこないと思うんですけれども、この右側に書いておりますようにボーリングでボールを投げるぐらいの負荷だということのようでございますが、あるいは自分の体重を使って軽い筋トレをするというのが3.5メッツと、そして植物園の水やりでも2.5メッツと、普通の歩行はだいたいこれも3メッツぐらいの負荷なんだそうでございまして、こういったレベル以上の身体活動を毎日60分やってもらうのが理想だと。この60分に該当するのが例えば歩くっていうことをやるんであれば30分やってもらえばいいし、ストレッチも10分、あるいは掃除だったら20分ぐらいこういった身体を動かすということが大事だということでございます。また、18歳未満の方々については楽しく身体を動かすということが大事だということで、毎日これも60分以上行うということが推奨されているわけでございます。特に子どもは遊びの中で運動能力が上がるといわれております。子どもの頃に様々なスポーツにチャレンジをして身体を動かす楽しさを知

るということも大変大事だと思っておりますし、子どもの頃に運動習慣が確立されれば大人になってからもそれを継続しやすいというメリットもあろうかと思います。そういったこと自体が自然にロコモの予防ということにもつながってくるわけでございます。ただし、健康診断でいずれかに異常が見つかった場合は保健所の保健指導やかかりつけ医の指導の下にしっかり自分の体調管理をしていくということには留意をしながら、こうした身体を動かすということを意識して取り組んでいただくということが大事なんだろうと思います。


次にパネルの4を御覧をいただきたいと思います。これがですね、いろんな

ところに貼っておりますので、これが実物の後ろにも貼っておりますポスターでございます。記者クラブには貼っていただいているんですかね。そうですか、ありがとうございます。この新しい基準を踏まえてですね、より簡単なメッセージを併せて打ち出すことが大事だということでですね、運動にあまり関心のない人たちにこそですね、私たちのメッセージを伝えたいというようなことで毎60分身体を動かしていただきたいということはなかなかハードルが高いろうということもあって、このポスターではプラス10分というですね、「プラス・テンから始めよう」ということで打ち出しました。記者の皆さんもお忙しいと思いますけれども、どうしてもですね、外に行って散歩するにしても何かジムに行くといってもですね、十分な時間が取れなくてついつい流されてしまうということが往々にしてあるわけでございますが、とにかく10分だけやろういうようなことを意識付けていただいてですね、乃木坂46というんでしょうか、この皆さんに御協力をいただきまして、身体活動を増やすための「プラス・テン」ということをあしらったポスターを作らせていただいたわけでございまして、とにかく10分でもいいのでここに書いておりますようにですね、ウォーキングはもちろんですが庭いじりや掃除、ギターの演奏、ボウリングなどですね、とにかく10分、1日10分でいいから身体を動かしてくれというようなことをですね、厚生労働省でも省としてしっかり推奨させていただいて、もう出来るところからとにかく自然に運動に取り組んでもらうということに力を入れていきたいと思いますし、私もいろんなところでこうした話もさせていただきたいというふうに思っております。今日はロコモという言葉の認知度を87%にまで約9年の中で上げていくんだということ、そしてメタボのように国民の中に当たり前にですね、その重要性が認識されるように啓発をしっかりやっていくということ、そして最後にこうしたポスターを作ってまずは40分あるいは60分と出来ない場合でも、1日10分でもちょっとしたことから始めていただく、そのことが国民の一人一人の健康の増進にもつながり、結果として健康寿命の延伸ということにもなるんだろうと思っておりますので、本当に私どもはこういう立

場で仕事しておりますから、新聞やテレビなどでだいたい月1,2回はロコモという言葉を私は目にはしているんですけれども、しかしなかなか本当に国民の皆さんの認知度がまだまだ上がらないと。メタボの最初はそうでした。ですから、10年かけて国民の中に浸透してきたように、この第2次の国民健康日本21ではですね、このロコモということをしっかりアピールして行きたいと思っておりますので、どうか記者クラブの皆さんにおきましても、いろいろな機会を捉えましてこのロコモの重要性ということをこれからも取り上げていただきますことを心からお願いをいたしまして私の今日の記者会見にかえさせていただきます。どうも今日はありがとうございました。

 

《質疑》

 

(記者)

資料の1ページ目でですね、お亡くなりになる原因が運動不足とあるんです

が、おそらくこれは高血圧とかの因子とかいろんな要因が絡むものだろうと思うんですけれども、だからこういう分類をするには相当の追跡調査をしなきゃ、運動不足というには行き着かないと思うんですけれども、どういうふうにしたらこういう分類が可能だったのかをお分かりであれば。

 

(副大臣)

結局ですね、単に運動不足だけで5万人ということはもちろんなくて、いろ

んなものと複合としてこういう結果になっているだんと思いますが、具体の統計的な根拠については、今日は事務方に御一緒に同席させていただいておりますので、ちょっとお答えさせていただきたいと思います。

 

(事務方)

具体的には、コホート研究と呼ばれる研究の結果をいくつも集めたメタ・ア

ナリシスという手法を用いました。その結果を基にして寄与危険度割合、運動不足ですと、がんのうちの何パーセントの方が運動不足で亡くなっているかというものを計算するという手法がございますので、それを基にして日本人の年間亡くなっている方を掛け合わせることで、この計算をしたということになっております。実際、御指摘のように、いろんな要因が複雑に絡み合うという部分がございますので、いろんな交絡を取り除くような措置も一応は行っているという研究になっております。

 

(記者)

2ページ目の運動器の障害のためにという、その障害という言葉に私が引き

ずられているのかもしれませんけども、ロコモの背景にあるのは運動しないという怠慢とか、ちょっと言葉は悪いですけれども怠けとか、生活スタイルの変化というものがあるのか、それとも運動器が何らかの障害を受けて動けなくなるということなのか、どちらなのかなと思ってですね。ロコモの背景にあるのは。

 

(副大臣)

ロコモの背景にあるのはですね、健康寿命の延伸ということを我々も目標に

掲げた時に、やはりメタボということの中で生活習慣病への関心とか、食事というものへの意識の高まりということが見られるようになってきたと思うんですが、やはり運動機能が全般的に低下していくということが健康寿命の延伸にマイナスになっているので、食事や禁煙に加えてですね、やはり適度な運動をすることによって正常な運動機能を少しでも長くしていこうという考え方の基に、いわゆる運動機能の健全化を維持するために運動そのものが大事だよというようなことをPRしていきたいというふうに思っております。

 

(記者)

なるほど。そしたらここでいう障害というのは、いわゆる障害者の障害では

なくて、動かさないことによって機能が低下するという意味での障害ということで。

 

(副大臣)

 

そういうことですね。劣化するという意味です。ちょっと、もう少し表現を

見直していきたいと思います。先ほど私もちょっと正確さを欠いたところがあったかと思いますが、メタボの認知度が80パーセントを目指してて、結局は今92パーセントで9割を超えたと。このロコモもですね、出来れば9割になるようにというふうには思っておりますが、まずはとにかく80パーセントの皆さんが認識していただけるように頑張っていきたいと思っております。そしてやはり、大変食事と合わせて身体機能の維持のための運動ということは大事になってまいりますので、どうかこれからもメタボと合わせてロコモをいろんな形でPRしていただければ助かりますので、よろしくお願いします。

 

 

 

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