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ドイツのリビングウイル法案が可決

2013年10月25日(金)

保守的な国であるドイツのリビングウイル法案が可決したのが2009年6月19日。
資料を探していたら、同日のシュピーゲル紙を松尾幸郎氏が翻訳していただいた。
これを読むと、どこの国も同じように終末期医療に苦慮しているのがよく分かる。
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先日は、台湾の尊厳死法案を紹介したばかり。
今日、趙教授から英語のメールが届き、ドキドキしている。

さて、ヒトラーの負の遺産があるドイツでさえ(敢えて、さえと書きたい)
4年半前に、リビングウイルが合法化されている。

ある人から、LWが合法化されていない国はどこですか?
と聞かれて調べている途中の出来ごと。

日本も終末期の問題をタブー視せず、みんなで直視すべきだと思う。
読みながら、ドイツ議会の正義を感じた。

あるいは、的外れかもしれないが、映画「リンカーン」を思い出した。
患者さんの希望を叶えるにはかくも長い時間とエネルギーを要するのかと思った。

訳して頂いた、松尾幸郎氏に感謝申し上げます。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

Living Will Law ‘ Strikes a Successful Balance’

Living will法 は balanceを上手く打ち当てる)

 

数年にも亘る政治的議論を経て、ドイツ議会は去る木曜日、Living Willの法的担保を与える法律に合意しました。

 

この法律は尊厳をもって死にたいという患者の願いと法的保護が欲しいという医者との間に於ける微妙なバランスを上手く打ち当てているという見解に,評論家たちは合意しております。

 

この問いはBerlinの国会議員たちには数年以上付きまとっておりました:ドイツの医者たちはLiving willsにどの程度の重きをおくべきか そして、どのようなケースを優先的に取り上げるべきか ?という問いであります。

 

しかし、木曜日に、ドイツ議会は、遂に、あらゆる種類のliving willsに法的担保を与えるという法律に合意しました、あらゆる種類とは、問題の病状が自動的に致死に到らない状態にあるときでさえ、(危険として)禁止する処置をも含みます。

 

317票 対 238票でもって、ドイツの立法者たちは、極端に(重篤な)病気あるいは傷・障害のケースにおける救命に関しては、医者が患者の書面による指示に従うことを命じるという法律に合意したのであります。

 

この決定は9百万人とも言われるliving willの保持者であるドイツ人に明瞭なる回答、―そして法的担保―を与えるものであります。

 

Advance healthcare directives (事前の医療指示書)-living willはそう呼ばれることもありますが、この法律は、どれだけ遠い以前に作成されたものであれ、そして作成された時点で、患者が病気であれ健康であれ、いずれの場合にあっても、優先的に扱われるものであります。

 

Living willの指示内容が患者の病気に合致しないケースには、医者は患者の家族あるいは医療従事者と相談することが必要である。不合意があれば、special court (訳者注:特別の裁判所とは何を指すのかドイツの司法制度を知りませんのでわかりません)で判断を仰ぐ。

 

 

この新しい法律は又、どの程度living willを優先的に取り扱うべきか不確かな医者に対して法的根拠を与えます。

 

然し、いまだドイツ医師会は(420,000 以上の医者たちを代表する)この木曜日の法律に批判的であります。

 

同会の会長であるJorg-Dietrich Hoppe氏は、たった一つの法律で全てのケースを規制できるものではない、そしてこの法律を“偽規制”と呼びました。

 

この法律に不満を述べる議員も沢山おります。

この問題の性質の故に、各党は党としての統一した投票をするようにと議員たちに要請しませんでした。

 

“人は最期の瞬間まで死を規制は出来ない、とりわけ法律でもってそれは出来ない”Angela Merkel首相の率いるChristian democratic UnionHuber Huppe言っております。

 

他の議員は、患者は医者と相談してliving willを起草したほうが

良いと言っております。

 

Merkel首相自身は木曜日の投票前に、法律に賛成すると表明しておりました。

 

評論家たちは金曜日に、もっと注目することになるでしょう。

 

Sudeutsche Zeitungの記事:

 

elicateな問題というものは、今日まで、裁判で争われて判決という形で治められて来ました。法事国家では特にliving willの(法的地位)のような倫理的に、法的にSensitiveな問題になりますと規制は立法者たちによって作られるべきものであって、判事によって、case by caseによって決められるべきものではありません。

 

過去に於いて、間違いが時々起きました。

 

医者は患者のliving willを無視して罰せられることはありませんでした;しかし患者の願いを最優先させたと裁判所で答えなければならなかったことが、過去に数件ありました。

これが危惧するところは、多くの医者たちが終末期の患者を、その患者の願い通りに扱ってこなかったということを意味しております。

 

ここで重要な争点になるところは、法律はこの不確定なものを完全に取り除くことが出来ないということであります。

死というものは標準化されるものではありません;むしろ常に個々のケースによるものであり、そして個々の状況によるものであります……医者は今や、より法的な保護を得ることになりますが、又その法律が医者に与える(自由行動の幅)を注意深く駆使しなければなりません。

 

 

保守的日報紙、Die Weltの記事:

 

“法律は木曜日に合意されました…..それは(微妙な)balanceを見事に打ち当てたものであります。一方、それは人が重篤な病気を患っているときの(患者の)自己決定という基本的権利を保証するものでありますが、….. 他方、その規制は曲げやすいもので、医者や医療従事者に、living willが患者の状況に正しく適用されるかどうかを決めさせることを認めるものでもあります。

 

そのような次第で、この新しい法律は個人の尊重を標榜する精神を代表しております。それは病気や認知症と認定される人生最期の局面を心配するとき、多くの人が感じる恐れを減らしてくれることになりましょうが、その長い道程のある状況に、我々が今や、在るということであります。

 

日刊Business紙のHandelsblattの記事:

 

“議論の過程の中にあって、医療技術の進歩から結果として現れた倫理問題はいまやはっきりしました。現代になって、医療は(生)を延ばすも出来ますが、(死)を延ばす

ことも出来ることになりました。医療にはもはや限界が無いように見すが、個人の苦痛や尊厳には限界があります。医者は、益々何が最善なのか分からなくなっております。

 

友人や家族には愛する人の(生)を延ばすことができる医療があるとすれば、それを手放すことは非常に難しいものがあります。

 

患者が過去に管をいっぱい装着させられるようなことにはなりたくないと言ったとしても、自分の口でもう何も言えなくなったとき気が変わるとしたならば、その時はどうなるのでしょうか?

 

不満足でありましょうが、この問題は大雑把に答えられるものではありませんーー

それは一つの事実です、ドイツ議会が考慮したことのひとつです。

個々人が生かし続けて貰いたいか、どのくらい長く、どのような状態のままで….

それは自分で決めなければなりません。

 

Living willを起草するとき、大概の人が尊厳をもって死ぬことを目標とします。

医者や愛する人が、その過程の中に含まれるという事実は自己決定に法的担保を与える法律と同様に重要であります。

 

以上


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