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患者が変われば医療が変わる
2013年11月01日(金)
患者が変われば、医療が変わる。
本気でこれを実践している市民がおられる。
明後日、島根県益田市でお会いする納賀氏だ。
お考えを皆さんにご紹介したい。
2013年10月23日記入
み な さ ん へ
島根益田がんケアサロン 代表 納 賀 良 一
医療関係者とがん患者の意識の違いを感じて
私はがん患者。
2004年夏 膀胱がん、腎臓がんを患い、両方の臓器をを摘出しました。
大阪で入院中に見たTVで厚労省に抗がん剤の早期承認を申し出た患者が島根県出身者と知り、大変驚いた記憶が残っていました。
2005年12月 島根県益田市に「全国初のがんサロン」を立ち上げました。
全国初のがんサロンを開設したのには意味があります。
地元、大阪の2病院で いろいろな格差を感じたのが発端でした。
・手術の格差 出来る手術と出来ない手術。キズ口の大きさの違い
・抗がん剤の格差 外国と日本の差。都会と地方の差。
・患者の意識の格差 病院を選べる患者そこに病院があるから入る患者
・希望の格差生きたいと願う患者、成るようにしか成らないと思う患者
病院で診察を待っている時 小声で話す患者の話題は病院の不信感、医師への不満が大半でした。
そこで がん患者が思っていることを吐き出す場があればと考えたのが「がんサロン」でした。
最初の場所は市総合福祉センターで開きました。 この場は医療者に遠慮しないでがん患者が好きなことを吐き出せる場でもありました。
それから8年ほど経過し 現在 島根県県下にはがんサロンが28か所で開催されています。 人口70数万の小さな県ですから多いですね。
これまで がんサロンを毎週1回継続開催してきて 思うことがあります。
これがタイトルの「医療関係者とがん患者の意識の違いを感じて」です。
医療者の皆さん方はがん患者のために真剣に考えて、考えて治療をして頂いているのは十分感じています。しかし なにかが違うんです。いつも ボタンをかけ違っている印象なんです。
なぜなんでしょう?
がん患者自身もがんと正面から向き合っていないのも事実です。
治療を医療側に丸投げしている患者がほとんどです。
そして 旨く行かなければ文句を言う こんな関係が出来ているんです。
もっと 賢い患者にならなければいけないと思っています。
では どうすればお互いが同じ認識の下治療が出来るんでしょうか?
やはり 医療者とがん患者には「コミュニケーション不足」があるのでしょう。
医療側は一生懸命説明しても それを受けるだけの力が患者、家族にはないからなんでしょう。
質問したくても知識がないので質問も出来ないのが現状でしょう。
また 医療者に遠慮して何も言わない患者もいるようです。
その積み重ねが医療不信などに変換してしまうんです。
そこで提案いたします。
医療者が集まる会 等で「がん患者が発信する場」を作って頂けないでしょうか。患者自身が 医療者にもっと自分たちの考えていることを伝えなければいけないと思います。 文句を言うのではありません。
私自身のことを申しあげますと
医療者が集まる沢山の会に参加させていただいています。
・がん治療学会(4回) ポスターセッションあり
・日本ホスピス・在宅ケア研究会(2回)
・スピリチュアル学会
・がん政策サミット(年2回×5年)緩和ケアのテーマで発表
・医療者向け緩和ケア研修会(2日12H)オブザーバー参加(3回)
・各県に呼ばれて医療者向け講演(7県)
これらの会から沢山の学びをしましたし、感ずることも沢山ありました。
がん患者として伝えたいことも沢山伝えました。
・今度 ゆきさんの公開講座で講義します (12月4日)
また 地元でがん患者が主催の「緩和ケア講演会」も開催しています。
2013年1月小平ケアタウン 山崎章郎先生
8月 中野一司先生
2014年2月(決定) 上野千鶴子先生(ゆきさんのご紹介)
さらに がんサロン支援塾 (全国から医療者を集めて) 3年連続4回
(3年連続)
など いろんな仕掛けで地域医療を向上させようとしています。
患者が出来ることはしているつもりです。
これらは すべて がん患者が対応しています。
あわよくば 地域振興に繋がればとも考えています。
「患者が変われば医療が変わる
医療が変われば地域が変わる」
がん患者もここまで行動しています。
有る程度の医療知識も付いてきています。
皆さんのご存じないところでがん患者はこんなに行動しているんです。
せめて 「こんな事からでも知っていただければ
知らせるチャンスを頂ければ」
今後 同じ土俵の上で討議が出来るんではないでしょうか?
そうすれば もっと もっと 患者に寄り添った医療が出来るのではないで
しょうか?
がん患者にもっと「発言の場を提供頂ければ」嬉しいんですが・・・
皆さんのご意見をお待ちしています。
よろしくお願いいたします。
以 上
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この記事へのコメント
8年前から「吹田ホスピス市民塾」で、「がんの川上から川下までを考える」(予防、早期発見・早期治療、患者会、ご遺族の会)活動を。
2年前に、「名古屋市がん相談情報サロン・ピアネット」所長、花井さんのお話を聞いて、吹田でも是非と考えてきました。今年5月に、井上哲也吹田市長の「てつやの部屋」でお話をした中から、「市役所ロビー」で「吹田がん情報コーナー」設置の方向が出て、現在準備中です。うまくいけば、来年前半にと思っています。そのためのピアサポーター研修も企画中。
がん患者さんの相談窓口は、「がん診療連携拠点病院」ですが、多くの市民には敷居が高くて、中々気軽には相談に行けません。(毎年の「吹田みんなの健康展」で、約250人の市民と膝つき合わせてお話をしてきましたが、その事を強く感じます)
また、患者さんの声の中には、「医療者は身体の治療のことの相談には乗ってくれるが、精神的な面の相談には対応してもらえない。こちらも大切なんだけど」というお話があります。
少し時間がかかるかもしれませんが、吹田市内4つのがん診療連携拠点病院にがんサロンができて、がん患者さん・ご家族が気軽に相談ができ、お話ができるようになると良いと思っています。
以上
Posted by 小澤 和夫 at 2013年11月01日 11:40 | 返信
今日もお疲れ様です。
今日は母の二七日(ふたなぬか)です。
この2週間、母を看取り法要をあげ、忌引き休暇後(介護休業後)職場復帰。
私宛の院内メールは200通を超えていた。(--〆)
月末、月初めの業務もてんこ盛り。
悲しんでる時間はなかった。
久しぶりに会う人達との会話で一番多かったのが
『どこの病院に入院してたの?』→『入院してません。自宅で亡くなりました』
『最後はどこの病院に行ったの?』→『病院には行ってない、自宅よ。』
『誰が死亡診断書を書いたの?』→『かかりつけ医のクリニックの先生よ』
『開業医の先生が?』→『そうよ!亡くなってすぐに電話したらすぐ診察に来てくれて、死亡診断書をかいてくれたよ』
『警察を呼んだの?』→『呼び必要がないでしょ!自宅でも死ぬことはできるの!』
『苦しんだ?』→『前日までご飯を食べ、テレビを見て、全く苦しまずに死ねたよ』
『自宅でなんて大変でしょう?』→『介護保険をフルに活用したので何が大変だったかわからないわ』
こんな会話を幾人かとした。その中にはMSWもいた。
ちょっと意地悪な質問をMSWにした。
市内で在宅緩和医療をしているところって知ってる?
麻薬を処方できる開業医さんや扱っている調剤薬局さんは知ってる?
もちろん『知りません。』でした。
在宅死、自然死の言葉は急性期病院・がん拠点病院には、なじみがないんですね。
なじませたいなぁ~
Posted by らら at 2013年11月03日 01:07 | 返信
初めてコメントさせていただきます。お母様が虹の橋をわたられたとのこと。
今から半世紀ほど前、自宅に電話も架設待ち1年という頃、職場に泊まり込んでいたら、隣人から伝言を頼まれたとのことで帰宅すると、白黒テレビを見ていた養父が、かかりつけ医から薬をもらってきてほしいとのことで、その夜、薬をもらって帰りました。翌朝、カップラーメンを作って仕事にでかけました。夜遅く帰宅すると、すでに養父は亡くなっていました。テレビはつけぱなっしで、電気こたつの上には食べつくした空どんぶりがありました。近くの友人に、かかりつけ医への連絡を依頼すると、しばらくして警察がやってきて検視があり、もらった死亡検案書を葬儀社にお渡しし、簡素な葬儀と火葬許可を依頼しました。在宅死があたりまえの時代とはいえ、看取る者なき突然のひとり死にしてしまったことに、なんともやりきれなく、ぼくも間違いなく将来ひとり死を迎えるであろうと覚悟しました。その後50年近くたちましたが、帯津さんや山折さんのような確信犯にはなりきれそうになく、納得できる人生をもさくしているところです。返信になってなくて申し訳ありません。すばらしい医療者になられることでしょう。
Posted by 養父を想う at 2013年11月03日 08:05 | 返信
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