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松江紀行
2013年11月02日(土)
まるで外国のリゾート地に来たような楽しいことの連続。
死の臨床全国大会が松江で開催されているのだ。
その後、往診などであまり寝る時間があまりなかった。
尼崎で学校の教師の先生がたに、「平穏死」の講演をさせて頂いた。
15時35分伊丹発、出雲行きの飛行機は、おもちゃのように小さい。
個人用ジェット機のような感じ。
わが自宅の上空を越えて、中国山脈を斜走して1時間後には出雲空港に到着。
出雲空港は宍道湖のほとりにある。
島根半島の海岸線は、想像以上に複雑で、飛行機の窓から見ていて飽きない。
大阪は気温21度で、出雲は19度と2度違い。
松江は、1週間前から全く宿がとれない。
おそらく1年で最高の観光シーズンのピークが今日なのだ。
松江駅の観光案内所や旅行代理店を尋ねたが全滅。
ホテル20軒、旅館20軒、カプセルホテル、ラブホテルも全滅。
米子が満員で、松江に流れ、それも満員で出雲に流れているとの説明。
あぶれた人たちは、岡山か鳥取に宿泊している、との説明に茫然とした。
2時間先の浜田も、3時間先の益田の宿泊施設も満員なので、冗談ではない。
タクシーの運転手に相談したら、家に泊めてくれると言われて少し安心。
いざとなったら、病院の待合室か、なごみ庵の柴田久美子さんに連絡すればいい。
それもダメなら野宿でいいや、と思い、研究会には懇親会から参加。
会いたいひとたちと会えるので懇親会は最高。
このために、ここに来たという感じ。
懇親会では柏木哲夫先生に、ユーモアについて詳しく教えて頂いた。
私が、「自分が余裕がある時には、患者さんにユーモアをもって接することができる」
みたいなことを言ったら、柏木先生に「それは違う!」と指摘された。
「余裕の無い時のためにあるのが、ユーモアなのだ」と。
あるいは、人間だけがユーモアを使える動物だと。
世界ユーモア学会というユーモアのアカデミアの世界も教えて頂いた。
またこの世界のカリスマ、山崎章夫先生とは3次会まで御一緒させて頂いた。
ケアの言語化とその弊害について、詳しく教えて頂いた。
また、広島県竹原市の素晴らしい地域包括ケアチームとも意見交換をした。
今夜は、柏木先生に「ユーモア」を、
山崎先生には、「謙虚」と「正直」と「誠実」を、
二の坂先生には、「医の倫理」を教えて頂いた。
懇親会場では、全国行脚中の隈崎さんとも出会った。
米沢けい氏とも初めてお会いした。
柴田久美子さんとも電話で話をした。
在宅医学会にお呼びする、めぐみの小澤先生とお元気の岡原先生にもご挨拶。
岡原先生ところのスタッフと、ハグをさせて頂いた。
岡原先生は、グループホームと小規模多機能も開設され、さらにバージョンアップしていた。
結局、50本目くらいの電話で一軒だけ空いているビジネスホテルを発見。
野宿を免れた。
最近、カプセルホテルにもフラれることが多くなってきた。
松江の料理と酒を堪能。
しじみピザが美味しかった。
松江がこんなに観光地であることを恥ずかしながら知らなかった。
DAIGOは、島根県代表。
なんてイカしたコピーか。
このポスター、欲しい!
以下、今日のアピタル。
11月3日(日) 癒しの国・出雲より
日本死の臨床研究会に出席するため出雲に来ています。
「死」という言葉を、おおっぴらに語れる有難い研究会。
この研究会と日本尊厳死協会ができたのは同じ時です。
1976年、昭和51年。
私は高校1年生でバレーボールをしていました。
みなさまは何をしていましたか?
この1976年には大きな大きな意味があります。
病院死と在宅死の割合が逆転した年なのです。
以来、約40年間、病院死の時代が続いています。
韓国ではそれが逆転したのは、2003年。
たった10年前。では、中国は?
おそらくまだ逆転していないのではないか?
アジアの中で日本が最初に逆転してその後に韓国。
おそらくその2つだけなのではないでしょうか?
アジアで見ると病院の時代は始まったばかりです。
記念すべき、1976年にできた本研究会が、
癒しの国・出雲で開催されることた大きな意味がある。
屋上で朝風呂に浸かりながら宍道湖を眺めていました。
出雲には豊かな医療神話や伝承があります。
出雲は温泉の宝庫でもあります。
現在でも温泉療法、湯治は活きています。
そして出雲は、薬草の宝庫です。
出雲国風土記には、65種類の薬草が記載されています。
日本医学の源流は、こうした薬草、現在の漢方にあった。
さて話しは変わりますが、昨2012年は記念すべき年でした。
古事記編纂1300年の節目で出雲などで各種イベントが開催。
そして、今年2013年は、さらに凄いことが重なっています。
伊勢神宮の20年ごとの式年遷宮と、
出雲大社の60年ぶりの遷座の両方が重なった年なのです。
おりしも先週、お伊勢さんの外宮にお参りをしてきました。
そして今朝は、出雲大社のすぐ近くにいます。
伊勢が光の国(東方、朝日)であるとするなら、
出雲は影の国(西方、夕日)だそうです。
古事記の中に最初に「死」の記述が出て来るのは、
イザナミノミコトの「神避り(かむさり)」です。
「死」とは、世界の移行であり、生存世界から
死後世界(黄泉国)へと「神去る」ことだそうです。
繰り返しになりますが、死とは移行、変容であって
終わりでは無く、あざなえる縄のように反復継続連鎖。
死をもって終わりと見るか、移行や変容のステージの
始まりと見るかで、死生観は大きく変わってきます。
そんなことを教えてくれるのが、この研究会です。
出雲地方には、もの凄い数の人が訪れています。
ホテルや旅館はどこも超満員。
私も昨夜は野宿寸前で、なんとか宿が見つかりました。
今日は、浜田市を超えて益田市での講演に向かいます。
松江駅から特急で、2時間10分。
島根県は、横に長い、美しい県です。
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この記事へのコメント
長尾先生ようこそ島根へ・・・
ホテルがなくて苦労されたこと大変でしたね!
わかっていれば家にきていただいてもよかったのになんて思いながら読ませてもらいました。
2日に松江に来られるということだったので「死の臨床全国大会」に来られるのかなと思っていました。
私もとても興味があったので今日は公開講座のほうに出かけてみました。家族の死によって死を身近に感じているところです。島根はいいところがたくさんありますよ!是非今度はゆっくり来てくださいね。
寒くなってきました風邪などひかれませんようご自愛ください。
Posted by めだか at 2013年11月03日 06:40 | 返信
長尾先生
初めてコメント送ります。私は、スイス在住で、島根県出身です。
アピタルに掲載されている先生のプログをいつも読んでます。私は先生のファンです。寝る時間を惜しんで、往診されたり、講演会へ行かれたり、頭が下がります。
先生が松江に来られることは、知っていましたが私はスイスにいました。先生がチュ―リッヒに滞在されたことを知ったのは、後日のことでした。ファンの一人としてお会いしたかったです。
私は、特に尊厳死に関心があります。私の娘が病院で長期療養したから経験から言って、スイスでの尊厳死に対するシステムは日本とちょっと違います。しかし、共通して大切なことは、一人ひとりが命の大切さを知ることだと思います。長尾先生のような、人間の持つ本質を尊重する医療従事者が、スイスにどのくらいるかわかりませんが、これからもっと増えれば医療現場は、大きく変わると信じてます。長尾先生のこれからの、益々のご活躍、スイスから応援しています。
Posted by Amberg幸子 at 2013年11月05日 12:08 | 返信
長尾先生
こんにちは。松江の二次会、三次会でご一緒させていただいた広島県竹原市にある、広島・ホスピスケアをすすめる会竹原支部の橋本幸治(フリー看護師)です。長尾先生をはじめ、日本の緩和ケア代表する先生方の中でとっても緊張していたのですが、長尾先生が明るく声を掛けて下さったお蔭で少し肩の力が抜けて貴重なお話をしっかりと聴くことができました。長尾先生がいらっしゃらなかったら、きっと緊張のあまり聴いてるつもりだけで話の内容は頭に残っていなかったと思います。先生のトークは、まるで旧知の仲だと思わせるような不思議な感じで、これぞ在宅医療に必要なコミュニケーションだと感じました。ホームページも盛り沢山で心躍りました。今後も長尾先生のご活躍される情報を追いかけて行きます。
松江での出会いに感謝です。
Posted by 橋本幸治 at 2013年11月06日 05:03 | 返信
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