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全国の医師よ、がん放置療法を断固拒否せよ

2013年11月06日(水)

「全国の医師よ、がん放置療法を断固拒否せよ」
これは、私の言葉ではない。
今週発売の日本医事新報での、がん医療界のドン、神前五郎医師の言葉である。
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日本医事新報の今週号(11月2日号)は、記念すべき号になるだろう。
私の平穏死の記事の次のページから神前先生の文章が始まっていた。

神前五郎先生と言っても、知らない人がいるかもしれない。
山崎豊子著「白い虚塔」の財前五郎医師のモデルと言ったほうが早いかもしれない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E3%81%84%E5%B7%A8%E5%A1%94

元大阪大学第二外科教授
元日本癌学会会長である、神前先生が、ここで見事な小論文を書かれている。

外科の大家。
胃がんの大家。

さすが財前先生。
90歳をゆうに超えても、これだけ鋭く味のある文章を書かれるのだ。

今年、某週刊誌で近藤誠氏と対談されたが、その記事がよほど言葉足らずだったのだろう。

90歳を超えた老医が、こう語っているのだ。
「がんもどき理論は、後出しジャンケン」と。

これは、私が書いた本「医療否定本に殺されない48の真実」の
帯や本文中に書かれたコピーそのもの。

神前先生は、ちゃんと私の本を読んでくれて賛同してくれているのだ。
そして書かれている趣旨は、まったく私と同じと言っていい。

無駄が無い素晴らしい文章だ。
神前先生にしか書けない文章。
きっとこの文章のような手術をなさっていたのだろう。

専門家向けの文章なので、一般の人には分かりにくいだろう。
しかし私が一般の方に向けて発したメッセージと同様の趣旨の文章。

そして最後の方で、遠まわしに、近藤誠理論ですでに
犠牲者が出ていることをやや強い口調で批難されている。

どうせ旧態依然とした医療界のボスの文章だろう、と
信者さんたちは、騒ぎ、また叩きまわることだろう。

しかし90歳を過ぎた何の利害関係もない老医が、渾身の力を込めて書き残した
文章を素直に受け取れない人は、本当にどうかしていると思う。


がんもどき理論も
がん放置療法も、大変申し訳ないのだが、破綻している。

だから「真実」と題して、私は一般の人に向けて易しく書いた。

これ以上、犠牲者を増やしたくはないから。

私はこんなことを書く時間があれば、本来は他のことをしたい。
しかし犠牲者を増やさないために、あの本を書いただけのこと。

とにかく、読んでほしい。
迷っている人は、ちゃんと読んでほしい。

熱烈な信者さんや、近藤氏を教祖とまつるマスコミに、どんなに叩かれても構わない。

間違っていることは間違っていると正しく伝え、命を救うのが、末端医者のせめてもの責務。

http://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E5%8C%BB%E7%99%82%E5%90%A6%E5%AE%9A%E6%9C%AC%E3%80%8D%E3%81%AB%E6%AE%BA%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE48%E3%81%AE%E7%9C%9F%E5%AE%9F-%E9%95%B7%E5%B0%BE-%E5%92%8C%E5%AE%8F/dp/4594068685/ref=zg_bs_2133619051_3


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この記事へのコメント

読ませていただきました。

お話は理路整然と展開されているように思いました。(正確に理解したかどうかの自信はありませんが)

長尾先生の書物の大きな裏付けで、心強いです。

近藤先生の反論を是非伺いたいのと、一般市民にとってはやや難解なので、より分かりやすい「解説版」があると良いなと思います。

なお、90歳にして・・と思うと、10歳ちょっと若い私は、もっと頑張れるはず、と励まされました。
以上

Posted by 小澤 和夫 at 2013年11月06日 11:48 | 返信

以前松本市医師会に講演に来て頂いて以来、先生のブログ拝見しております。先日とあるところで、近藤先生の話を「近藤理論」として講義しました。勿論全体としては批判的内容です。彼の理論で抗がん剤の効果についてなどは、一部当たっている点もありますが、全体としては一時代前の感覚で述べられ、しかも一面的にしか捉えていないと話しました。そして彼はがん患者を最後まで看取ったことがおそらくないので、あのような理論、がん放置療法などと言えるのだと思うと話しました。彼の理論が受けるのは、現状のがん診療に対する不満と、医師患者間のギャップがあるためであると結びました。私も開業医ですが、長尾先生のような実地で働く先生の意見(批判)が、がん診療拠点病院なんかの医師の批判よりも重要であると思います。

Posted by 赤羽康彦 at 2013年11月06日 05:36 | 返信

「財前」さんのモデル?の方がご健在とは知りませんでした。
私ども医療の対象者となる無知な羊たちは、あふれる健康ものやがん話しの本をあれこれ手に取りながら右往左往するばかりです。TVのCMでは、早期発見早期治療の声高な喧伝や、葬式から初七日の御膳料保証付き医療保険の脅迫的宣伝、つまらないゲームサイトへの取り込み宣伝攻勢に、もううんざりです。
正常細胞とがん細胞はどう違うのか、脳腫瘍とはよく聞くが、脳がんなるものは聞いたことがない。心臓とか、小腸、脾臓にはがんはできず、転移もしないらしい。そもそも特定臓器のがんがなぜ他の臓器のがんになるのか、がんの転移を防ぐためにリンパ節を大胆にかくせい?するとのことですが、それなら膨大な血管網を根こそぎかくせい?しないのはなぜなのか。脾臓はすぐ切除してしまうそうですが。
一口にがん細胞といってもいろいろあるらしい。正常細胞の分裂時に異常細胞ができるとのことですが、ヒトの進化とはそういうものではないですか。こうした肝腎の素朴な疑問が放置されたままです。断片的ではない超わかりやすい解説と対談による丁寧な論争がのぞまれます。わたしたち庶民は右往左往するばかりです。
わが老人会では、お互いおもしろかった、ためになったなどといって、いろいろな健康思考の本やがん療法の本、死亡時の苦痛や、死後の世界の本を回し読みしています。自分のからだは他人任せにせず、自分の免疫力、抵抗力、自然治癒力、そして自己理解、自己決定力をみがかなくちゃあーというところに逃げています。
私事で恐縮ですが、5,6年前、突然の痛風で眠れず歩けずタクシーで病院に直行すると、医師から1週間後から治療薬を出しますとのこと。診察室を出るとき、女性看護師さんが「いたそうねー」といって、左親指にタッチされました。とたんに痛みがすーとひき、午後には、フィットネスクラブのインストラクターを無事つとめられました。こんなとことってあるのですね。今もって不思議でなりません。感謝感謝です。

Posted by 鍵山いさお at 2013年11月07日 07:05 | 返信

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