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見逃されがちなLOH症候群
2013年11月21日(木)
LOH症候群と言います。
産経新聞兵庫版11月16日号から転載させていただく。
産経新聞第5回 男性にもある「更年期障害」
見逃されがちなLOH症候群
女性は閉経期前後に更年期障害があることは有名です。ほてり、イライラ、動悸などの症状を呈します。では男性にも更年期障害はあるのでしょうか?それが、あるのです。男性更年期障害です。しかしまだ広く認識されていません。女性の更年期障害は、エストロゲンという女性ホルモンが急激に減少するために起こります。しかし男性の場合、テストステロンという男性ホルモンは、女性ホルモンのように急激に低下せず、長い時間をかけてゆっくり低下します。また女性には「閉経」という明確なサインがありますが、男性の場合はそのような目印がありません。さらに男性ホルモンの低下の程度は個人差が大きい。そのために男性更年期は、ともすれば見逃されがちなのです。
しかし最近、男性更年期はLOH症候群と言葉を変えて注目されています。LOH症候群の症状を以下に挙げてみましょう。精神症状として不安、イヤイラ、うつ、不眠、集中力の低下、記憶力の低下、性欲の減少などです。一方、身体症状としては筋力低下、疲労感、めまい、耳鳴り、頻尿、「朝立ち」の消失などです。いかがでしょうか?いくつかあてはまるという男性は少なくないと思います。私自身も例外ではありません。実は、LOH症候群の患者さんは、少なく見積もっても60歳以上の男性の2割、70歳以上の3割、80歳以上の5割おられると推定されています。
LOH症候群かどうかを調べるための「AMSスコア」という簡易テストが世界中で使われています。質問内容は、「イライラする」「疲労や行動力の減退」「ピークは過ぎたと感じる」「あごひげの伸びが遅くなった」「性欲が落ちた」など具体的で、多岐に及びます。総点数が高いと重症度が高くなります。最悪が、満点の85点ですが、50点以上の方はLOH症候群の可能性があるとされ、精査の結果そうであれば治療対象になり得ます。
注意しなければいけないのは、LOH症候群の合併症です。先週述べたように、テストステロンの低下は血管の老化、動脈硬化を引き起こします。場合によっては心臓や脳のメデイカルチェックが必要です。さらに、LOH症候群とパーキンソン病やうつ病との鑑別も必要です。また抗うつ薬を沢山飲むと、テストステロンが下がるという警告もあります。このようにLOH症候群の診断は、注意深く行う必要があります。
LOH症候群の治療は、テストステロン補充療法になります。女性の更年期障害の治療に、女性ホルモンの補充療法が行われるのと同様です。足りないものを補おう。それで毎日が快適に暮らせるのならいいではないか、という発想です。もちろん、広い意味では、更年期障害は老化という自然現象でもありますから、そんな余計な手出しはしたくない、興味がないという方もおられるでしょう。それは個人の自由です。アメリカでは2006年のデータでは、400万人の方がテストステロンの補充療法を受けていますが、日本では2万人に過ぎません。実は女性の更年期障害へのホルモンの補充療法も、まったく同様な傾向があります。日本人は我慢強いのと、自然現象に逆らいたくないという国民性なのでしょう。
キーワード AMSスコア
Aging Males’ Symptoms Score(AMS)の略で、LOH症候群をスクリーニングするための簡易テスト。17項目中の質問に5段階で回答し、その総点数で評価する。診断には血液中のテストステロンの測定が必要。
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この記事へのコメント
女性の場合、あまりに更年期症状のきつくて、病的な症状の方には、ほんの少しだけ女性ホルモンを投与して、それには癌の発症には気をつけるとNHKの今日の健康で婦人科のお医者さんが書いていらっしゃいました。
経過は順調だと言う事でした。
私は高脂血症で、軽い高血圧なので、50代から、加味逍遥散を処方されています。
先日、梅田の坂本まむし漢方のお店の前を、通りかかったので、加味逍遥散を購入して飲んでいますが、薬剤師さんに「そんなに重複して飲んだら、サイコが多過ぎるからやめてくださいよ」と叱れらました。
そういえば、更年期みたいに腹が立って仕方がありませんでした。
いつまでも青春だったら良いけど、いつまでも更年期というのは、頂けません(笑)。
Posted by 大谷佳子 at 2013年11月22日 03:23 | 返信
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