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テストステロン補充療法
2013年12月04日(水)
しかし、前立腺がんを起すんじゃないかと心配されて最近まで廃れていた。
しかし女性ホルモン同様、がんが無いと分かった人には普通に行われている。
テストステロン補充療法は、はっきりとした効果がある良い治療法。
もちろんその前に必ずPSAを測定しておく。
以下、11月23日の産経新聞兵庫版から転載させていただく。
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第6回 戦前からあった治療法
テストステロン補充療法の実際 長尾和宏
「テストステロン(男性ホルモン)を測って欲しい」と希望する壮年男性が時々来られます。甲状腺ホルモンなどの測定と同様、血液検査で簡単に分かります。テストステロン値は、朝が高くて夜が低くなります。先週述べたようにLOH症候群が疑われる方であれば、保険診療での測定が可能です。しかし無症状の人は、健康診断と同じで自費診療となります。その男性の健康状態を知るのに有用なので、会社検診の項目に入れるべきだと主張する医師もいます。特に産業保健の場で注目されている「職場のうつ病」、すなわちメンタルヘルス対策においても注目されています。抗うつ剤とテストステロン補充療法の併用が有用だという報告もあります。職場復帰に際し、テストステロンの値を参考にすべきだという意見もあるくらい、議論が盛り上がりつつあります。
テストステロンというホルモンが発見されたのは1931年。ブーテナント博士は、1944年の「アメリカ医師会雑誌」に男性更年期障害に「テストステロンを投与するといい効果がある」ということを報告しました。それらの功績で、1949年にノーベル化学賞を受賞されています。
テストステロンを用いたホルモン補充療法は、決して新しいものではなく、70年もの歴史があるのです。実は日本でも戦前から行われています。戦前の雑誌[改造]に、「精神衰弱にテストステロンを」という広告が載っています。当時の神経衰弱とは、現代の「うつ」に相当します。その時代から、テストステロンの効果は分かっていました。では、戦前からある治療法なのに、なぜ現代でもあまり知られていないのでしょうか。ひとつには、テストステロンは強壮剤のようなイメージがあり、戦後の混乱期に出回った覚せい剤と混同されたことがあります。また筋力を高める作用があるため、国際オリンピック委員会(IOC)からドーピング検査の対象に指定されたことも関係あるでしょう。しかし使用量を守れば重大な副作用は無いので、海外ではテストステロン補充療法が一般的に行われています。我が国でも、テストステロンに着目した治療を高齢者医療にも応用すべきではないかという機運が高まっています。
我が国の保険診療で認められるテストステロンの注射剤は、1回打つと約10日間持続します。海外では、貼り薬。飲み薬もありますが日本では注射薬だけ。ネット販売で経口薬が入手できるようですが、偽バイアグラと同様、お勧めできません。日本のメンズヘルスの専門医は、塗り薬や、貼り薬や経口剤の早期承認を求めていますが現時点では、保険適応外薬として使用されています。ただ若いうちからテストステロンを長期に使用すると、精巣の機能が低下して不妊の原因になることがあります。ある大学病院のメンズヘルス外来ではテストステロンの値が低い人にホルモン製剤を使うのは、3割程度だそうです。残りは漢方薬治療です。ED(勃起障害)を主訴とするLOH症候群の人にはバイアグラなどのED治療薬のみで対応されています。いずれにせよ、古くて新しい男性ホルモン医療はまだ始まったばかり。必ず専門医の診断と処方を受けてください。
キーワード メンズヘルス外来
男性の更年期障害、LOH症候群、EDなど、男性に特有の病気を専門に診療する外来。大学病院やクリニックで「メンズヘルス外来」を掲げるところが徐々に増えてきている。
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