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拝復

2013年12月07日(土)

毎日、見知らぬいろんな人からネットやメールや手紙で様々なご意見を頂く。
キンタマの小さい私はそのたびに、ハラハラドキドキしながら読んでいる。
世の中には、善意に満ちた人と悪意に満ちた人が半分半分いるのだなと感じる。
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以下、今、頂いた書き込み,。

拝啓

最近の長尾先生のご活躍なによりです。
文藝春秋社から近藤誠氏の特集号が発刊されました。私は近藤親派ではありませんし、まだ特集号を全部読んだわけではないのですが世論の動向は次第に近藤氏の主張に重なろうとしているようです。
この増刊号がかなりの発行部数を記録するであろうことは近藤氏のこれまでのマーケッティングをみても予想されます。
長尾先生の「48の真実」は注目を浴びましたがどちらかといえばご自身の経験が骨子を成しておりややインパクトに欠けるように感じます。
今後ある水準以上の知識層「特に医師以外」を唸らせる重量級の反論をどこかのメディアで発信しないと今後患者とのフリクションが増えることになり多くの病院、診療所で必要な医療行為が必ず滞ります。
私は近藤氏とは対談でなくてもいいと思います。誌上で充分論陣を張ることはできます。
今正面から突破する覚悟をお持ちの医師は西先生か長尾先生しかいないのではないでしょうか。
とりあえず日本医事新報「私も20年以上愛読」次号の近藤反論に対する再反論という手段でも構わないと思います。そしてそれを一般向けに再発信すれば衝撃度は大です。
先の大阪府成人病センターのEGCの論文だけでなく反証論文を揃え対素人でなくそれなりのインテリ層に照準を当てた反論でなければ泥仕合になるだけだと痛感します。
文春特集号はジャーナリストや有名人を飛車角に添えています。この出来レースにストップをかけるためには医師という狭いグループの中だけで近藤批判を続行しても多勢に無勢で落城はできないように思います。
有無を言わせぬデータを添えた重量級の、近藤親派が凍りつくような反論こそが今絶対に必要だと思います。
チェックメイトのため先生の次の一手を期待しています。

敬具

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まあそうなんでしょうね。
私なんかじゃ力不足だなと、私自身も思います。

知性も能力も文章力もなにを取っても、私のほうが劣っています。
ただひとつだけ言えることは、沢山のがん患者さんを最期まで診てきたという経験だけ。

しかし別に私は勝とうと思って書いている訳ではありません。
普通の市民や患者さんが後悔しないことだけを願って書いただけ。

書き込みを書いて頂いたかたの期待に添えなくて申しわけありません。
たしかに私ごときでは、世間の風はにとても太刀打ちできません。

対談については、「往復書簡という形で対談をやりましょう」、と提案したのですが、
週刊文春さんに断られました。

私が断ったのではなくて、出版側が断ったのですが、このように書かれます。
ちゃんと返事をしても、反対に報道され、市民の方には正確には伝わりません。

ところで・・・

今日発売の文藝春秋を、読まれましたか?
別冊号は近藤先生の賛美本です。

その全面広告が出ていますが、その手前に
「がんの手術を10回して乗り越えて現在は元気に暮らす」人の記事も載っていました。

文藝春秋さん、いったい、どっちやねん。
そう思えるくらい、メデイアはポリシーが無いのだな。

売れれば内容はどうでもいい、という基本姿勢は簡単に崩れません。

あるいは、「甘利大臣、早期がんを手術」と大手新聞の見出しを見られた方は多いでしょう。
「早期がんは無い」という医者を持ちあげた紙面で、早期がんの手術を普通に書く神経は
よく分かりません。

メデイアにリテラシーを求める自分は子供なのでしょう。
支離滅裂というか、主義主張があるようには見えません。

一部の患者さんは、そんなメデイアに翻弄されています。
メデイアが、がん再発難民を造っているような気がします。

しかしメデイアは売れてなんぼ。
間違いを検証することはまず、ありません。


最近、届いた見知らぬ方からの手紙をリンクします。
文藝春秋さんに出した手紙のコピーだそうです。

http://www.drnagao.com/pdf/media/related_article/tousyo131202.pdf

私は無能ですので、この手紙の主のような方に寄り添うことができません。

これ以外にも沢山頂いているのですが公開は控えておきます。
あまりに凄い文章なので、信者さんの反感を買うだけです。

結局、
・近藤本を買うことと信じることは別
・宗教には、正論は勝てない
・しかし国民は、その宗教を信じている
ことがよく分かりました。

自分が当事者にならない限り、私の意見が伝わることはありません。

自称インテリさんの言葉遊び、エビデンス遊びには、つきあいきれません。

みなさま自身の価値観で、決められたらいいのでしょう。
ならば、それが自己決定と言います。

ちなみに、
今夜、健康保険組合の代表者に講演をさせていただきました。
厚労省の幹部の方とも意見交換をさせて頂きました。

がん放置療法も医学不要論も、厚労省が聞けば嬉し話ばかりかもしれません。
しかし私は一般市民なので、人間の尊厳と終末期を混同しないように心がけています。









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この記事へのコメント

乳がん患者です。
自分自身のことに当てはめて考えてみました。

様々な種類のがんについてASCO(American Society of Clinical Oncology)で毎年国際会議が開かれますし、乳がんではInternational Breast Cancer Congressがスイスで開かれ世界中の専門家によって治療方法などにについて議論されています。

これらの会議での結果もふまえて日本では厚生労働省が治療のガイドラインを作成し、学会でもガイドラインが作成されています。

どれもすべて一般の人に公開されていますので、自分の治療について考えるときに1番に参考にしています。
エビデンスが高い情報だからです。
実際に治療を決める時は主治医とよくよく相談しておりますが、提案される治療方法はほとんどこのガイドラインの範囲です。

末期にどこまで治療を継続するのか?というような個別問題や珍しい種類のがんは数多のご意見がありましょうし除外するとしまして、一般的な治療はおおよそこの範囲ではないのでしょうか。

そうした流れの中で突然に論文ではなく一般書籍で「がんは放置したほうが良い」と漠然と発表されましても、困惑するばかりです。
近藤先生の書籍は7冊ほど拝読致しましたが、どれもがんまたは胃がんや大腸がんや乳がんといった大まかなくくりで述べられていますので、「一部の例ではそうかもしれないけれど、これをがん全般的に当てはめることができるのかしら?」というような多くの疑問が残ります。

近藤先生と標準治療を指示する方の議論はメディアが売り上げ向上?のために面白半分に煽っているとしか思えませんし、がん患者の利益になるのか疑問です。

Posted by 50代がん患者 at 2013年12月07日 04:36 | 返信

慶應義塾大学の近藤先生のもとへセカンドオピニオンを受けに行かれた方の8枚に及ぶお手紙、情けなくなりました。
長尾先生の言われる近藤信者、この手紙をも自作自演などと言われるのか、放置しておくべきを摘出等すれば良くない結果を招く、とは言えますまい。
近藤先生の説は、どう読んでも素人の読解力なしの私には、そう簡単に割りきれるのか、がんもどきと本当の癌、区別が間違いなくつくのか、本当の癌なら希望が持てる人生を送れるか?等、なんだかしっくりこない。
ですが、永年早朝から研究、孤立しても自己の信ずる道を進み、患者の不安感に寄り添ってこられたんだとある意味尊敬していました。
しかし、この手紙からは、医療現場への不信感を引き起こしている医師と何ら変わらない。自分の説に対して大してメリット無しなら、売店で本を買えですか。本は名を売るため?
ろくに説明もせず、治療法が決められたり、質問は受け付けない雰囲気、不安感や治療の苦しさ等も寄り添って貰えない、病に立ち向かう主体者は誰だ?といったような医療界への不信感から、近藤先生の著書は受け入れられたと思います。
腹膜播腫の手術の実験台のようにされてご主人をなくされた方の本を読みました。この医師も説明もそこそこ、自分の実験のような手術、自分に必要がないとなると転院。奥様は近藤先生に手紙を書いて親身に返事をもらい、癌になったら近藤先生に相談して下さい、といったようなことを書かれていたような。上記の手紙の方とは随分違う対応ですね。
慶應義塾大学も近藤先生は異分子ながら、異分子も受け入れている度量の広い大学という宣伝になる、近藤先生も慶應というブランドを十二分に利用して次々に著書を世に送り出し、素人でわからない私のような者は信じてしまう、とひねた見方が頭をよぎりました。
長尾先生が、患者さん賢くなれでしたか、書いておられたように記憶していますが、未病?の素人よ賢くなれと自分に言われていると思い、学ばなくてはと思いました。
万一病を得たとき、自分が主体となって病にどう向き合い、どう人生を送れるか、平穏死を迎えるには?介護人となりうる状態でもありますので、平穏死を迎えさせるには?

お手紙の方、どうぞご自愛ください。

Posted by 小畑ふみこ at 2013年12月07日 08:34 | 返信

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