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インフルエンザが流行してきた
2013年12月27日(金)
ワクチン接種希望者は急いだ方がいい。
先週土曜日の産経新聞兵庫版に書かせて頂いた記事。
産経新聞ウイルスシリーズ第二回 飲む、吸う、点滴の3種類
インフルエンザ診療の実際
師走も後半になり慌ただしくなりました。寒波も厳しくなり、風邪引きさんが沢山受診される季節です。いきなり高熱が出てフラフラになって来院される人は、一見しただけでインフルエンザだと分かります。すでに当院でもチラホラ患者さんが出ています。昔なら、「ああ、インフルですね。寝ていてください」で終わりだったのが現代はやることが結構あります。まず鼻汁を採取して「簡易検査」を行います。約10分でインフルかどうか判明しますが、発熱から半日~1日以内だと陰性となりことがあり注意を要します。1回目の簡易検査が陰性でもインフルを強く疑えれば翌日に2回目の検査をすることもあります。それで陽性が出ればインフル確定ですが、陰性であっても総合的にインフルと診断する場合もあります。すなわち簡易検査が絶対という訳ではなく、簡易検査を参考にして総合的にインフルかどうかを診断します。たいていは高熱が出ますが、稀にあまり高い熱が出ない人や筋肉痛が無い人もいます。インフルは学校や職場で集団感染することがあり、診断を間違うと沢山の人に感染を拡大させる恐れがあります。だから陰性の場合の説明にはとても気を使います。あとワクチンを打っていてもかかるひとが毎年いくらでもおられます。
さてインフルと診断すれば、多くの場合、抗インフルウイルス薬を使います。現在、飲み薬(タミフル)と吸い薬(リレンザ、イナビル)と点滴薬(ラピアクタ)の3つのタイプがあります。飲み薬は簡便で1日2回、計5日間飲みます。一方、吸い薬には2種類あり、リレンザは1日2回を5日間吸入します。イナビルはたった1回の吸入ですべて済みます。しかし一発勝負ですので、上手に吸うことができない人にはちゃんと吸えたかどうかがよく分からない場合があります。子供や肺活量の少ない人は吸うこと自体が難しいことも。さて、点滴は1回のみ20分程度で終わり安全性も高い方法。しかしなにせ点滴ですから面倒くさいし、点滴自体がイヤだという人もいます。また点滴中に周囲の人にインフルをうつさないように別室が必要です。一方、衰弱した在宅患者さんには、たった1回で効果が確実な点滴薬は、即効性もあり大変便利な方法です。
それぞれのお薬には長所と欠点があり、患者さんの病状や生活環境や希望などを勘案してどの抗ウイルス薬にするかを選択します。医師によっても多少、好みはあるでしょう。ちなみに私は3年前から点滴薬を好んで使っています。ただ解熱や症状の改善が早すぎて「規則なので5日間休みなさい」と命じても、早くに学校や職場に出てしまう人がいるのが悩みです。
以上の4種類のお薬のどれもイヤ、だという人が稀におられます。彼らは簡易検査でインフルかどうかを知る目的だけで受診されます。抗インフル薬を拒否される方に理由を聞くと「副作用が怖い」とのこと。そのような方には、漢方薬を提案します。急性期には麻黄湯や葛根湯を、その後は小青竜湯、そして補中益気湯に切り替えていきます。いずれにせ医師とよく相談して自分にあう治療薬を選択してください。しかし、こんなことをしないで済むよう、なんといっても予防を一番に心がけて下さい。
キーワード 簡易検査
鼻やのどの粘液を綿棒でぬぐって“抗原抗体反応”を利用してインフルウイルスに特有の蛋白質(抗原)を検出する検査キット。抗インフル薬が効果的である48時間以内に検査をする。ウイルスがA型かB型なのかも特定できる
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