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前立腺がんと上手に付き合う
2013年12月28日(土)
いろんな選択肢があるのが前立腺がんの特徴で、ダ・ヴィンチ手術も普及してきた。
実際にそれをしている泌尿器科の医師に話を聞いたが、もう元には戻れないらしい。
産経新聞男性医療シリーズ第8話 前立腺がんと上手に付き合う
検査や治療の評価にPSAは有用
増加している前立腺がんを早期発見するにはどうしたらいいのでしょうか。前立腺がんは基本的に無症状です。骨に転移して痛みが出てはじめてがんが発見される場合があります。PSAを用いた前立腺がん検診に関しては、賛否両論です。PSA検診を行った場合、治療の必要のない前立腺がんが沢山見つかってしまうという問題点が指摘されています。またPSA値がいわゆるグレーゾーンの場合には、定期的に検査を続けることになり、がんの不安が持続するという悩ましい問題が生じています。だからといって、PSA検査なんてやらないほうがいい、ともなりません。PSA検査の長所と短所をよく知ったうえで、上手に使うことが大切だと思います。
PSAが高いからといって前立腺がんと決まったわけではありません。がん以外でも上がる場合はいくらでもあります。前立腺がんの早期発見や治療効果の評価には血液中のPSA測定は欠かせません。PSAが高い場合は、泌尿器科の専門医に紹介します。直腸診とMRI、そして前立腺の組織検査が行われます。細い針で前立腺の10~16ケ所から組織を採取して顕微鏡で調べます。そしてグリソンスコアという指標を用いて、5~10の5段階で評価されます。5~6であればタチがいいがん、7~8だとやや悪いがん、9~10の場合はタチの悪いがんで高い確率で遠隔転移しますから早急に治療が必要です。高齢男性の剖検例では、多くの前立腺がんが見つかる話は有名です。そのようながんは、それで命を失うことは無いので、天寿がんとも呼ばれます。大切なことは、がんの有無ではなくて、がんの悪性度です。がんはがんでも、タチの悪さが問題。悪性度の低い前立腺がんは急いで治療をせず、経過観察をする場合があります。反対にタチの悪い前立腺がんであれば治療を急ぐことになります。親族(親、兄弟)に前立腺がんの人がいる場合は、40歳代でPSA検査をしたほうがいいでしょう。またテストステロン値が低い人も、そうでない人よりタチの悪い前立腺がんになりやすいことが分かっていますので、それを考慮してPSAを測定したほうがいいでしょう。
前立腺がんの治療には、手術、放射線、ホルモン治療という3つの選択肢があります。従来、前立腺がんで手術するのは、65歳以下で15年以上の生存が見込まれる人という暗黙の基準がありました。一方、先に放射線治療を行った場合は、組織が硬くなり後で手術がしにくくなりがちでした。しかし最近、手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」の登場で前立腺がんの手術は大きく変わりつつあります。勃起障害や射精障害という従来の手術の後遺症が少なくなり、80歳台でも手術を受けるケースが増えています。ただ心臓疾患と緑内障の患者さんはダ・ヴィンチ手術の適応外です。またすでに骨などにがんが転移している人が最初に行う治療法は、LH―RHという脳からのテストステロン産生刺激をストップさせるお薬です。テストステロンは前立腺がんの発生には関係ないですが、一旦できた前立腺がんを大きくする作用があるからです。専門医とよく話し合って、増加する前立腺がんと上手に付き合ってください。(男性医療シリーズ終了)
キーワード ダ・ヴィンチ手術
手術台から離れてモニターの映像を見ながら両手と両足を使って遠隔操作でする手術。従来の腹腔鏡手術よりも精密かつ繊細な動きが可能で、患者さんへの肉体的負担も最小限で済む。現在130台以上が導入されている。
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この記事へのコメント
長尾先生、初めまして。先生の事は、学校の緩和ケアの講師の先生が、先生の書かれた本を紹介されて
知りました。(現在看護学生です)平穏死10の条件を読ませていただき、先生の大ファンになり、将来は在宅の看護師になりたいと思いました。先生の講演会にもぜひ、参加させて頂きたいとおもいます。
(来年1月26日、富田林消防所、行きます!)
それと、先生の往診、見学させていただきたいです。准看護師免許しか持っていないので、国試合格して
いつか、先生の所で看護を学べたら良いなと、思います。
Posted by 浦 紀子 at 2013年12月28日 10:14 | 返信
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