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東北に新設医学部を

2014年01月15日(水)

被災地東北の都、仙台に地域医療を担う医学部の新設が検討されている。
理にかなったいい構想であると思うが、東北大学が反対しているらしい。
県知事としてどう考えるのか、村井知事がm3にしっかり書かれている。
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インタビュー    医療維新

 

医論争論 2014医学部新設、ほぼ100%実現する
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村井嘉浩宮城県知事に聞く


Vol.3

 

宮城の「創造的な復興」を目指す

 

2014110() 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長) 

 

――県としては、20144月くらいをメドに、「県が考える理想の医学部」を作る大学の候補を絞り込む予定。

 

 はい、そうです。各大学から申請が出た段階で、私は国からヒアリングを受けると思うのです。その前日までに考えて、ヒアリングの時に、「私はこの大学が一番、県の考え方と一番合っています。この大学をぜひ選んでほしい」と言います。写真村井知事は、「医師会からお叱りを受けると、本当に辛い。でも、必要なことはやっていく」と強い決意を語る。

 

――繰り返しになりますが、自治体病院の勤務医を養成する、総合医の担い手を養成する。これら二つ以外に、選考基準はありますか。

 

 その二つの我々の要求をクリアしてくれるかどうかが、私が応援する最大の基準。それ以上はないですね。私は大学や病院の経営については素人なので、「あれもこれも」と言うと、かえって足かせになってしまいます。経営は楽ではないと聞いているので、条件を付加して、迷惑をかけたくはないです。

 

――あとは話し合いの中で、各大学の理念に共鳴できるかなどがカギとなる。

 

 そうです。それもあります。先方がただ単に、「医学部を作りたい」、あるいは「これがチャンスだから作りたい」というのでは、我々としては納得できない。何のために作りたいのかが重要。いろいろな大学があると思いますが、我々の考え方と一番合った大学を選びたいということです。

 

――どの大学に決まるかは分かりませんが、医学部新設が実現しない可能性は

ほぼゼロなのでしょうか。

 

 実現しない可能性はないと思います。プレーヤーはもう複数出ていますから。だから新設がなくなることはないと思います。

 

――ただ、従来から宮城県医師会、東北の既存の大学は、医学部新設に消極的、あるいは反対しています。知事としてどんな説得される予定でしょうか。

 

 反対される最大の理由は、地元から医師が引き抜かれ、医師不足に拍車がかかるということ。地域医療に支障を来さないような方策を講じることは、文科省の基本方針の中に入っていますので、それはクリアできると思います(『医学部新設認可へ、文科相が方針、東北に1校』を参照)。今いるところから、医師を奪い取って、経営が厳しくなるようなことをしないように最大限、配慮します。

 

 また、地元の開業医の先生を増やしたのでは、何の意味もありません。仙台市にしても、開業医を増やしても、人口が減るので、患者の奪い合いになってしまうだけです。そういう目的では決してないということです。自治体病院で働いてもらう医師を育て、供給するのが目的なので、決して無駄な争いをするための医学部新設ではありません。これらのことを説明し、ご理解くださいという話をしようと思っています。

 

 私の熱意は十分に理解していただいていると思っています。それでもやはり、「医学部の定員増で何とかなるのではないか」と言う方がいますが、先ほども言いましたように、定員増では、少なくても宮城県では問題は解決できません。何百人も増やせば別でしょうが、それではキャンパスを別に作ってという話にもなってきます。

 

――ただやはり入学してから卒業まで6年、さらに医師として一人前になるまでには数年かかります。それでも、先ほど言われたように、「被災地の希望の光」になるから、医学部新設の意義がある。

 

 「医学部ができる」ことは、トンネルの先に明かりが見えること。私のところに来る自治体の首長さん方の要望は、「道路作ってくれ」「橋を直してくれ」など、インフラ整備が半分。残りの半分の大部分がやはり医師不足の対応。「病院経営が何とかならないか」とか、福祉、介護も含めた話が来ますが、だいたいどこでもお医者さんの話に最後は行きつきます。非常に問題は深刻なのです。

 

――それに対して、対応していくということ。

 

 そういうことです。だからぜひご理解いただきたい。

 

 震災後、宮城県では水産業復興特区を作りました。(漁協に優先的に与えられる)漁業権を民間に開放したのです。当然ながら、漁協からものすごい反発を受けました。今、もめているのは、防潮堤の高さの問題です。命を守らなければいけないと思って、譲らずにがんばっていきます。仙台空港の民営化も進めています。地方空港の民営化は全国初です。そのほか、宮城県広域防災拠点の整備を進めるなど、いろいろなことに果敢にチャレンジしています。

 

――ようやくインフラが復旧しつつあり、「創造的な復興」に2014年から舵を

切る。

 

 そうです。今の私たちは、まずは復旧・復興が優先ですが、やはり宮城県のリーダーとしては、10年後、20年後の宮城のことを考えながら、復興していくべきだろうと思っています。そうでなければ、元に戻して終わりになってしまう。この東日本大震災でお亡くなりになった方は、震災関連死も入れて2万人です。宮城県だけで1万人で、いまだに1300人は行方不明です。それだけの人の犠牲の上に成り立つ復興ですから、いろいろな意見があっても、自分が正しい、これは絶対に将来の宮城、東北のためになると思うことは、どんどんやろうと思っています。

 

 それは辛いですよ。医師会の先生方には本当にかわいがっていただき、宮城県議会議員になる時から、ずっと応援してくださっています。その医師会の先生方から、「なぜこんなことをするんだ」とお叱りを受けると、本当に辛いのです。でも、必要なことはやっていきます。

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