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縦割り介護

2014年01月14日(火)

縦割り医療という言葉があるが、縦割り介護という言葉もあると思う。
食事介助、家事援助、身体介護、入浴介助、移動の見守り・・・
医療は必然的に縦割りになるが、介護まで縦割りになるのはよく分からない。
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夕方、生活保護の在宅患者さんを何人か回った。
みんな、ヘルパーさんが美味しそうな夕食を作ってもらっていた。

肉じゃが、焼き魚、きんぴらごぼう、卵焼き・・・
本当に美味しそう。

私は、かなり遅めの昼食を吉野家で270円で食べたばかり。
在宅患者さんの夕食は、おそらく4000ないし6000円位するのか。

私の飯の10~20倍のコストがかかっているので、美味しそうなのか。
患者さんの夕飯をのぞきこんで羨んでいる自分が情けなくなる時がある。

週に何回、夕食を作ってもらえるの?

患者さんに聞いてみたら、毎日、だという。
自分で作れないから他人が作っているわけで、論理的にはそうなるだろう。

1食に5000円として月に15万円。
1回の排せつ介助に5000円として、これも月に15万円かな。

ちょっと待てよ。
そりゃ、訪問看護が月に1回、30分だけしか入れないわけだ。

そもそも、介護とは生活を支えること。
生活とは1日中連続している一連の行為。

その1連に、いちいちコストが発生する”縦割り介護”は、
ホテルでの食事に例えるなら、まさにルームサービス。

在宅療養は満喫できるは、毎日ルームサービスは受けられるはで、
生保の在宅患者さんがとっても羨ましくなることがよくある。

日本はいい国だ。
しかしそのコストは一体、だれが負担するのだろうか。

在宅=総ルームサービスで国は潰れないのかな?

正直、こんな贅沢三昧は今だけだろう。

介護バブルに見える。

そう思いながら頑張っている小規模多機能に寄ってみた。
ここはすべてマルメ(包括性)。

やはり生活支援はマルメでしょう。
縦割り介護を見ていると、違和感がある。


介護こそ、マルメでしょう。
食事も排泄も移動もみんなひっくるめての介護じゃないのかな。

24時間定期巡回随時対応で対応している認知症の人について
今週、地域の勉強会で話する。市長も来る。

「地域包括ケア」という言葉を噛みしめている。
「包括ケア」といからには、やはり「包括制のケア」であるべきだ。

とすると、ケアマネ制度も根本から変えたほうがいいような気がする。
あるいは、要支援1~要介護5までの7段階も不要で、松竹梅の3段階で充分。

介護予防なんて絵餅に見えるし、やるならそれこそ包括制でやるべき・・・
多すぎる介護業者も統合した方が、質が上がるような気がするし。


医療の縦割りより、介護の縦割りのほうがやけに気になっている。


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この記事へのコメント

もう亡くなられた方で、(グリーンなんとか)と言う、関東地区の巨大施設の若き経営者がいました。父が知っている人の子息に当たるとか言っていました。
その人が「食事を、一斉に、朝の7時とか8時とか、昼食をお昼の12時とか、夕食を5時か6時に、利用者全員に作って、食べさすなんてできない。やはり施設だったら、決まった時間にある程度の人数に食べさせられる」と言っていました。
それもそうだなあと思いました。
私は、ヘルパー2級の資格を取ったのに、「料理が下手だ」と言う理由で、採用されませんでした。3級も取ったのですが、3級こそ、主婦の世界でした。料理の上手い主婦は就職できました。
神戸のロングステージ灘なんか、コックさんが、何処かのホテル化料亭に勤めていたに違いないくらいの高級の京料理が扇面のお盆に載っていましたからね。
色々、問題ありですね。
祖母はお料理が好きでしたが、なにしろ(田舎からでてきたもの知らず)だったので、病院の調理師さんに、料理を教えて貰ったそうです。
祖父は母に「お母さんの料理を教えて貰っておけよ」と、アドバイスしたのに、祖母も教える気が無かったし、母も料理なんか誰でもできるわと思っていたので、下手くそなんで、私の父は、祖母の手料理に騙されて結婚してしまったとぼやいていました。
それはそうと、今度大震災があると「高齢者は、施設に入って貰うようにする計画」も考えられているようです。
「絶対に、孤独死はさせません」と社会福祉協議会の人は言っていました。
私は、施設には入りたくなので、それなりの方法を、考えておかねばなりません。
尊厳死の希望と同じく「施設に入らない希望」を明確にしておいて、いざとなれば、富士山麓の青木ヶ原にでも遁走しなければ孤独死ができない。

Posted by 匿名 at 2014年01月14日 02:42 | 返信

今日もお疲れ様です。

縦割り介助ですね・・・・・
かつて、病棟看護師が行っていた業務は今や多くは看護補助者さんが担ってくれている。
呼び名はクラークさん、アシスタントさん、キーパーさん、エイドさんと様々で各々に業務が違う。
其々に細かい業務契約があり、依頼するにも戸惑うことがある。
依頼を間違えると、断られる。
“できるんですけど、他の方々に誤解がうまれる”
“1回すると、あたり前のようにまた頼まれる”っと。
無理強いすると、上からお叱りがくる。
こんなにたくさんの看護補助者さんが居てくれるのに、看護業務は増えるばかり・・・・・
入院日はたくさんの書類、契約書、承諾書、計画表、スコアシート、評価表・・・・・数え切れない。
それらの書類のPC入力に時間を要し、その後の書類分類に手間取る。電子カルテといえど、全くのペーパーレスにはならない。
7対1といえどもベットサイドにはなかなか行けない。
でも看護必要度は高くしないと?いけない。難儀ですね!!

昔は院内で職員が病院食を調理から配膳まで行っていた。
職員は給食として常食を安く提供されていた。
その給食ががとても楽しみで美味しかった。懐かしい・・・・・
今の病院食は多種多様で、優れている栄養食が開発されている。
でも、昔より残飯が多いかな?????
食事ひとつにしても、献立を考える人、刻む人、味付けする人、盛り付けする人、配膳する人、介助する人、下膳する人、食事量をチェックする人等々たくさんの方々が細かいパーツで分かれ、それを越えた業務はできない?しくみ。
なぜだろう?

ひとりの患者さんにたくさんの人々が直接的・間接的に関わっているのに・・・・・患者さんは見えないかな?

Posted by rara at 2014年01月15日 08:05 | 返信

「縦割り」というより「立悪る」介護。

Posted by 社会福祉士河本健二 at 2014年01月16日 11:24 | 返信

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