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玉石混合のサ高住

2014年01月17日(金)

玉石混合という言葉がこれほど似あうカテゴリーもない、サービス付き高齢者向け住宅。
素晴らしいサ高住から、新宿歌舞伎町ではないが「入ってはいけない」サ高住まで様々。
やはり経営者の理念が細部に宿るような気がする。

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儲かればなんでもあり、タイプは論外。
しかしそれが多いのも事実。

大きくはなくとも立派な家があるのにわざわざサ高住に入る人がいる。
もったいないが、新天地を求めて、「騙されて」入って行くのを見ている。

サ高住に入る時が、縁の切れ目。
悲しい別れが、サ高住入所。

本当は、フリーアクセスを阻害してはいけないのだが、そんな言葉も知らないレベルの
経営者が、ヘンな医者と組んでやっているのが厚労省認定サ高住だから世も末かな。

人生の最期を過ごす場所だから、経営者の顔を1度は見てから入るべし。
悪人顔だったらOK,悪魔に見えたらやめておこう。

残った空き家が増えるので、そこでホームホスピスや
お泊りデイや脱法ハウスがはびこるという風に、空き家は循環していく。

なんのこっちゃ。

高齢者の住まいは足りないのか?余っているのか?
どんどんサ高住に入ると、ただでさえ多い空き家が増えるのだが・・・

私には、よく分からない。
サ高住をやりはじめた在宅医がやたら多い。

医者は悪いといってもまだ知れているのでまだまし、と考えていいだろう。
私自身は、サ高住を建てるつもりはさらさらない。

ボロアパートを離れない独居高齢者のほうがよっぽど、マトモに見える寒い夜。

サ高住の看取りでは泣かないが、ボロアパートの看取りでは泣くことがある。
そこに人間の匂いを感じるから。自分を重ねてしまうから。

年が明けても、平穏死が続いている。
私たちには日常である平穏死は、病院では超・非日常。

今夕は、中高年男性の健康管理がテーマの講演会だった。
男性ばかりの講演会は、何故か力が入る。

がんと闘っている若き在宅患者さんと訪問看護師さん2人と
がん談義に耽っている瞬間が一番楽しい時間。

一期一会の町医者冥利。

玉石混合と書いたのは、実は私ではない。
共同通信社の記者さんが書いたものだが、おそらく全国的な現象なんだろう。


厚い介護、ホスピスも 玉石混交、選び方難しく 
「サービス付き高齢者向け
住宅」共同通信社  2014115() 配信

 

 

 生活相談や安否確認が受けられる「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」が注目を集めている。手厚い介護サービスを提供したり、みとり専門のホスピス機能を持ったりするサ高住も登場。一方、安否確認など最低限のサービスしか提供しない物件もあって「玉石混交」と言われ、住宅選びが難しくなっている。

 

 サ高住は一般的に、民間の有料老人ホームに比べると入居一時金などの費用が安い。また入居待ちが多い特別養護老人ホームとは異なり、入りやすいのが特徴だ。2013年10月時点で全国に約13万戸となり、1年で約7割増えた。

 

 千葉市の生活クラブ風の村サポートハウス稲毛。団地の跡地に11年にできたサ高住で、 約20人が暮らす。同じ建物内に介護事業所や診療所があり、介護サービスが受けられる。

 

 住民のほとんどが介護保険の要介護認定を受け、認知症の人もいるが、介護の必要度が低い人が多い。家賃や管理費などは月約14万円。希望者には食事が付き、食費や介護サービス、診療所への付き添いは別料金。夜間も職員が常駐している。

 

 臼井新七(うすい・しんしち)さん(79)は都内に住んでいたが、脳梗塞で介護が必要になり、このサ高住のワンルームの部屋に移り住んだ。妻のたま江(たまえ)さん(70)は隣接した団地に住み、朝昼晩と食事を持って訪れ、一緒に食べる。

 

 「自宅で介護している時は追い詰められ、主人にあたってしまうこともあった。今は専門家に安心して任せられるので、優しい気持ちで接することができる」とたま江さん。老人ホームのような施設では食事時間などの決まりに従う必要があるが、サ高住は施設よりずっと自由に暮らすことができる。

 

 名古屋市の「ナーシングホームJAPAN」は、がんや難病患者が最期を迎えることができる、みとり専門のサ高住。訪問看護を手がけるナースコール在宅センター訪問サービスが家族の負担軽減を目的に始めた。吉田豊美(よしだ・とよみ)代表は「治療が終わると退院させられる"がん難民"も多い。死ぬためではなく、自分らしく生きるための第2の自宅になれば」と話す。

 

 診療所を併設し、病院と同じ緩和ケアを受けられる。外出は自由で、患者らが望めば自宅でのみとりもする。

 

 ただ、サ高住も課題を抱える。原則、定額料金の介護施設とは異なり、付き添いや介護サービスなどは別料金のため、毎月の支払額が変わることが多い。元気な入居者からは「認知症の人も多く、話し相手がいない」といった不満の声も聞かれるという。

 

 特色のあるサ高住が増える一方、夜間は職員がいない物件もある。国土交通省によると、介護サービスを提供しているのは約半数にとどまる。

 

 高齢者の住まいに詳しいタムラプランニング&オペレーティング(東京)の田村明孝(たむら・あきたか)社長は「本格的な介護が必要な人には適さず、また元気な人には(見守りなどが)不要なため、サ高住向きの人は実はそれほど多くない。問題があっても賃貸なので表面化しにくく、空き室も目立つ」と指摘。「同じサ高住とは言えないほど玉石混交。専門家の意見を参考に慎重に選んでほしい」とアドバイスする。

 

 ※サ高住

 

 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) 高齢者向け住宅で大半が賃貸。2011年10月から都道府県などへの登録が始まった。バリアフリー構造で安否確認と生活相談が必ず付く。介護事業所の職員らケアの専門家が少なくとも日中は建物に常駐。介護や家事サービスの有無は住宅によって異なる。入居者は原則60歳以上で、本格的な介護は必要ないが、1人暮らしが不安なお年寄りに適しているとされる。

 

 国土交通省の調査では、13年8月末時点で95%の物件で食事を提供。介護サービスがあるのは49%で、専門家が24時間常駐しているのは74%だった。介護や医療系事業者の運営が多く、地域別では北海道と大阪が多い。




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この記事へのコメント

顔を見て、判断するって、むつかしいですね。
私は、第一印象が当たった事がありません。
若い頃は、夢もあって、明るく、楽しい時期があっても、同窓会ではお互い、年をとって、無意識になにからなにまで、内心そっと比べていたり、「貴方の話を聞くと、私の方が、ましかもと思うわ」なんて露骨に言われたりします。
鬱傾向の人が増えてるというのも、経済的状況がきついからじゃないでしょうか?
木陳アパートであっても、自分の家があれば、最後まで看取ってくれるお医者さんやヘルパーさんががいれば、家から出ない方が良いですね。
食べるものが、無くても、自分の家が良いと思います。
「ごみ屋敷だから」とか「火事を出されるかも」とか、近所から苦情が出れば、仕方が無いですね。冥界に行くつもりで、施設か病院に入院して大人しく、お迎えを待つしかありません。
生まれる時は、自分の意思で、生まれなくても、死ぬ時は、他人さまに迷惑がかからないように、あの世に行きたいとは思っていますが、さあどうなることやら。

Posted by 匿名 at 2014年01月17日 12:46 | 返信

この共同通信の記者さんは、サ高住のことを良く分かっていないのでは?
どうもこの論調からすると
「安否確認など最低限のサービスしか提供しない物件」や
「介護サービスを提供しているのは約半数」
「付き添いや介護サービスなどは別料金のため、毎月の支払額が変わる」ことが
短所として挙げられているのは、おかしいと感じます。

それが自由に選べるのが、言いかえれば介護サービスをまるめて月額に含まず
必要な時だけ有償で使えるのがメリットなのでは?
長尾先生が言っておられるフリーアクセスが可能ということにもつながっていて
各自が好きな介護事業所・ケアマネ・主治医が選べるということ。
独り暮らしが不安に又は淋しくなったら、シェアハウスのつもりで
入るのは結構良いのではと想定していますが(甘い!?)

入居金不要は一大メリットですね。
家を売らなくてよいのだから、時々は、そしていざ終末期には帰っても良いし
自費ヘルパー代にも使えるし。
ただ管理費をとる以上はコンシェルジェは24時間居てほしい。
(万一の時の行動の相談相手として)

もし高サ住に入居するとしたら確認したいこと(一般論の他に)
①キッチンでどの程度の料理が出来るのか、今は宅配弁当も充実しているけれど
食堂がついていて、予約希望の日は食べられたらなお嬉しい。
②アパートと考えれば、自室への訪問介護と在宅主治医の往診(希望なら看取りも)
が認められるはずだからその確認。
困るのは、自分がどのような介護が必要になるかわからないことですが
賢く準備して天命を受け入れたいものです(と言うしかないですね)。

Posted by 梨木 at 2014年01月18日 12:48 | 返信

サ高住で職員(介護)をしております。
医療面では職員としてもかなり不安に感じる時があります。
私の職場では看護婦も常駐しておりませんし、提携しているクリニックの医師は急な往診には応じてはくれません。
また、入居者の方が独自にお願いしている在宅医の先生も1〜2分滞在するだけで職員へ様子を聞くこともなく知らない間に帰って行かれます。(聴診器で音を聞いたり、血圧を測定するところを見たことがありませんが、在宅医の先生ってこんなものでしょうか)持病を持った方も多く、介護職は医療行為ができませんから、いざという時は救急に頼ることしかできません。まさに「石」のサ高住ですね。(と言ってしまえるのが悲しいです)
お医者さんの立場からすると、在宅医って地域に貢献しているプラスイメージがあるし、クリニックとしては患者を一定数で確保できるという利点があるのかな?と考えたりします。

サ高住のニーズについてですが、どちらかというとご家族のニーズが高いのかもしれません。
独居にしておくのは心配だからというご家族からの相談は多いですが、「施設はイメージが悪いから」が理由だったりもします。(ご本人も「施設ではないです」と説明すると受け入れる場合があります)
職員としては、同年代の仲間が暮らす寮みたいな場所になるといいなあと思っております。
認知症の方も多いですが、それなりに相手の状況を受け入れながら交流されていたりもします。(物の貸し借りなどトラブルもあるので、職員が介入することもありますが)

個人的にはサ高住を「終の住処」としては推したくないです。
「玉」というか、システムがかなりしっかりしていたり、ご本人が納得して入居されている場合は別ですが。
それよりは、急に家族に介護が必要になった場合の一時避難場所として、自宅以外の避暑や越冬の場所として柔軟に利用してもらえたらよいのかな、と。

Posted by 匿名 at 2014年01月18日 01:12 | 返信

サ高賃への入所は急性期病院から自宅に帰れない回復程度の方が多いと思います。
自宅で独居で暮らしていた方が骨折、脳梗塞などで不自由になり、家事ができなくなって自宅の帰れない。その際に、子供や兄弟姉妹の援助が得られないために、サ高賃が勧められています。自宅をリホームすることには非常に消極的です。リホームをして給食制度があれば、サ高賃の入所は確実に減らすことができると思います。せっかく、住み慣れた家があるのに、狭い1DKで1月14万円への費用が必要となるのは、住居関係者のビジネスのみで、介護サービスの無視によって運営されている介護事業と思えます。救急入院初めから帰宅後のリホームを開始して、給食事業と見守り介護者を確保すれば、多くの方が自宅でくられるようになると思います。在宅医療医をもっと有効に利用すべきと思います。
 私は障害児の療育を専門にしてきた小児科専門医で、現在は家庭で高齢になった障害のある姉を介護しながら、週1日の小児科外来を担当しています。正直、姉を施設に入れたら、未だ仕事ができますが、姉の面倒を見てきた両親や兄弟が次々に亡くなり、残された2人なので、最後まで私が面倒みたいと思っています。公務員の定年後に老健の施設長を1年4ヶ月経験して、たらい回しされる高齢者に接して、看取りも経験して、子供たちや孫が高齢者の世話をしないで自分たちの都合のみを主張する対応に疲れてやめました。障害児の場合はまだ家族の絆の保たれたいる家族が多いと思います。施設入所により放置される住宅の再利用をもっと考える必要があると思います。

Posted by 近藤 郁子 at 2014年01月19日 06:38 | 返信

有料老人ホーム、グループホーム、介護料老人保健施設、高齢者専用賃貸住宅などの高齢者用の施設選択は、自らの力で暮らしができる賃貸のようなタイプから寝たきりで養護が必要と「自立」「要支援」「要介護」の状態によって入居する施設がさまざまです。
更に老人ホーム、軽費老人ホーム、介護料老人保健施設、健康型有料老人ホームを決断する際、入居金と月額の費用も大切な要素で、その内訳は食費や管理費や光熱費、要介護の場合はその諸費用が含まれることでしょう。
都道府県から入居時の料金の費用や月ごとの料金、自立、要支援、要介護、認知症入居可などの入居条件、施設種別をネットでスマホやPCから簡単に調べるネットサービスがおすすめとなっています。
そんなあなたに有益なサイトがあります。

Posted by 有料老人ホーム費用 at 2016年12月01日 04:11 | 返信

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