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病院総合医と在宅総合医

2014年01月19日(日)

午後は、たかせクリニックの高瀬義昌先生のお招きで、東京医科歯科大学で
開催された日米医学医療交流財団のセミナーに参加させて頂いた。
ドクターGこと病院総合医と在宅総合医の視点の違いが面白かった。
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水戸協同病院総合診療科長の金井貴夫先生の講演は、
総合医の必要性を訴えるものだった。
まあこれは、30年前から日野原先生が言われていることとと同じ。

対して、新宿ヒロクリニックの英先生は、病院総合医と
在宅医の視点を明確に主張された。さすが。

私なりに例えるならば、
病院総合医=隠れた病気を掘り起こす特殊な名人芸
在宅総合医=隠れた病気を探すのではなく、いいところを延ばす医療
         寄り添う医療、支える医療


一見、同じように見える総合医であるが、両者の言い分を
聞いているとかなり議論の本質が見えてきた。

プライマリーケア学会連合会での在宅医療の立ち位置が不明瞭で
ある理由が、はっきり分かる機会でもあった。

どちらも必要なのだが、ケースバイケースで話し合いを重ねて
いろんな道具を持っているのが、真の総合医であると思った。


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金井先生講演

 

家庭医とは、

・精神科も診る

・家族も診る

・そして自分の守備範囲を分かっていること

・多職種連携にも参加

 

英国のデータ

1000人の地域の総合医の話。

1ケ月に1回以上体調を崩した人が750人

そのうち医師を受診した人は9人

そのうち他の医者に紹介した人は4人

そのうち大学病院に紹介を要した人は1人だったと。

 

マニュアルを超えることが大切。

総合医は医療経済学的にもメリットがある

数分の面接で5割の診療が終わる。

検査前には、8割が終わっている。

検査は推定診断を確認する作業。

 

高血圧から肺梗塞を起こした人

睡眠障害はSASが原因だった人の診断過程。

 

緩和医療も総合医の仕事と

早期からの緩和医療は寿命を延ばす。

 

がん=ポリファーマシーのリスク

30日分31万円の投薬の実例提示。

「日本のポリファーマシー」という本

 

・専門医は足し算の医者。

・家庭医は引き算ができる医者

 


英先生講演 

 

在宅医も総合医だが、

隠れた病気を見つけるためではない

支える医療を行う医者

 

それは総合診療専門医では無い

 

在宅医療で多いカテゴリーは、従来

1 インスリン 2 HOT 3 CPAP だったが、

SASでのCPAPは、HOTを抜いた

 

介護者を育てることも在宅医の仕事

・吸引を覚える

・点滴を覚える

・トイレ介助を覚える

・急変はすべて病院、では介護者は育たない

 

緊急時に行くのが在宅医ではない!

予め対症療法を指導しておき、その後はどうか

2時間後あたりに確認しに行くことが大切

今後の療養方針を決めるのが緊急往診。

 

すなわち、

往診は治療のためでは無く

療養方針を決めるためにある

 

在宅医の、生活障害把握能力は高い

 

悪いとことを探す医療なのか、

いいところを伸ばす医療なのか、の違い。

 

Hb3でも輸血しないこともあれば

Hb9でも貧血の治療を行うことがある。

 

すなわち在宅での医療行為は

数字での適応では無い

生活で適応を決める

 

高齢者は介護的対応=連携、仲間との山登りと同じ

悪性腫瘍、2~3人でのロッククライミングと同じ

 

在宅に帰ってきたら

・生活再建を目指す

・1週間は環境整備 

 

【症状安定期】

病状によっては違う

食欲が出て笑顔が見られる時期

末期がんでは1~2日のことも

 

【症状変化期】=小急変期=介護者が成長する時期

在宅でこたえらえるか、どうか

再入院するのか、しないのか

1晩様子を見る=つなぎのことも

その間に介護者が成長することも多い

 

【体力低下期】

LWの確認期

そして【看取り期】へ

 

在宅医療とは、

疾病改善より生活障害重視

問題解決型医療ではなく、寄り添い型医療

 
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見事な解説に脱帽!



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