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がん診断訴訟

2014年01月19日(日)

夫のがん診断が不適切だったということで、市民病院が約4000万円、訴えられている。
20年前の新聞ならいざ知らず、低レベルで意味不明な民事訴訟の新聞報道である。
しかしこんな報道から見えてくるものものがある。
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がん診断不適切で夫死亡、山形市を提訴

記事:山形新聞
提供:山形新聞
14/01/07

 山形市立病院済生館で膵臓(すいぞう)がんの適切な診断が行われなかったため、夫=当時(77)=が死亡したなどとして、東根市の女性と長女らが6日までに、山形市に逸失利益と慰謝料など3863万円の損害賠償を求める訴訟を山形地裁に起こした。

 訴状によると、女性の夫は直腸がんを患った影響で人工肛門となり、2005年11月、排便困難な状態となって同病院を受診した。その際、腸管に腫瘍が見つかり、膵臓がんに進行する疑いがあったものの、より詳しい内視鏡検査などは行われなかった。その後は年齢的な問題などで手術は勧められず、未承認の抗がん剤を投与され、副作用で死期が早まったと主張。06年4月、夫は他界しており、早い段階で適切な診断を受けていれば死亡しなかったとしている。

 同病院の担当者は「訴状が届いたばかりで、現段階ではコメントできない」としている。


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弁護士も弁護士なら、新聞も新聞。
レベルが低すぎて、話にならない。

しかしこれは、今年(2014年)の報道だ。
法曹界もメデイア界も、いまだにこんなことをしていることを恥ずかしくないのか。

いくつか論点を紹介したい。

1)患者は、内視鏡検査を嫌がったのかな。
 後期高齢者ならそんなことはよくある。
 患者側にも要因があったのではないか。

2)抗がん剤で死期が早まったかどうかは
  主観的なもので、永遠に分からないと思う。

3)早い段階で適切な診断を受けていれば、
  本当に助かったかな???
 
  早期発見=助かるではない。
  十二指腸がん(?)やすい臓がんは、厳しいがん。

4)77歳の後期高齢者には、一律に早期発見という言葉は使わない。
  早期発見という言葉は、壮年者ないし前期高齢者に買うべき言葉。

5)こんな意味不明な民事訴訟がなぜ、新聞報道ネタなのか?
  よく分からない。

6)今から7年前の出来ごとを、家族が今頃、訴えているのだろう?
  家族は、なぜ今頃そんなことをするのか?   
  弁護士さんに相談したら、そうけしかけられたのか。

7)もし患者さんが、がん放置療法教の信者さんだったら、どうなのか?


私にすれば、いいがかりのような裁判に見える。

しかしこの新聞報道から見えることは沢山ある。
その意味で面白い報道であった。

  



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