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三人の仙人たち

2014年01月29日(水)

あまり見ることが無い長いひげを伸ばした仙人のような寝たきりの方の
在宅医療を、咋年末から3人続けて依頼された。
お部屋に入ると、50年くらい時間が止まっている。

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ゴミ屋敷ではなく、タイムトリップ。
昔、タイムマシンが人気があったが、まさに時代を超えている。

医者と無縁の方ばかり。
4人目は、100歳を超えていた。

みんなほとんど歩くことはできない。
しかし、這ったりつかまりながら室内移動をしている。

まさに、地鶏のような生活。
それで彼女とデートしたり、碁をうったり、好きなことをして生きている。

在宅医療や介護、という言葉は、仙人たちには似合わないし、失礼に感じる。
つかず離れずで見守り、求めがあればいつでも力になりますよ、のオーラだけは出しておく。

認知症、なんて言葉も不要。
ちょとボケている、なんて言うのも野暮。

こんな現代の仙人たちに出会えるのは、在宅医療のお陰。
つかず離れずで仲良くなり、おそらく看取りまで時間を共にする。

徹底的に仙人でいて欲しい。
死ぬまで仙人でいて欲しい。

自分が、仙人でいることを邪魔する存在にはならない。
仙人がSOSを出した時だけに、寄り添う。


多職種連携なんてクソくらえ。
気にいった2、3人だけ出入りすれば十分。

医者は勘を働かせて、亡くなった日のうちに行ってあげたい。
まあ、翌日でも、3日後でもいいのだが・・・

孤独死が不幸だなんて誰が言った?
幸福な孤独死だってあるのだ。

女仙人たちも見てきたし、診ている。
みんな天然モンで活き活きしながら死んでいった。

仙人と会えるから在宅医療はやめられない。



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この記事へのコメント

今我が家に一人の女仙人がいます。(強すぎて化け物と言う人もいますが・・)

96歳になる姑ですが世話になることを嫌がり、全て自分の事は自分でやってきたのですが昨年暮れに一人で市内バスに乗り、駅近くのスーパーで買い物をした後駐車場で転び大腿骨骨折で手術を受けました。
当然周囲も寝たきりになると思っていたのですが、現在入院中ではありますがベッド回りをつかまりながら歩いています。
退院後これからどうするか思案中で、「おはよう21 3月号」また、この「三人の仙人たち」は身に詰まされるものがあります。
家族には家族の事情があり、我が家の仙人にとってはたとえ部屋を這いまわりながらでも一人で生きる事の方が幸せなような気もします。
それも出来ない状況で、かといって部屋の移動を含め皆が困る事になり、子供達と「どうすりゃいいんだ」と思案中です・・。

Posted by 桜 at 2014年01月29日 09:39 | 返信

今日たまたま生協の講座の一部で、遺品整理会社キーパーズの吉田社長のお話を
聞いてきました。雑誌・メデイアなどで既に有名な方ですが。

■いわく「孤独死」と「孤立死」は違う。
①社会から孤立していなければ、死後数日発見が遅れても孤立死ではない(室内事故死)身内、友人沢山いる方でもありうる「孤独死」と考える。
②社会から孤立していた結果誰からも長期間気づかれず、悲惨な状況で発見されるのが「孤立死」。
(確かにきちんとした在宅医がついていて下さったら、孤独死はあるかもしれないけれど孤立死はありえないなあと、今日のブログで再認識)

■年間遺品整理件数1600件、その内孤立死の作業件数約200~300件。80%が男性と。
その理由、孤立と自立の違い、防止策など、11年の現場から感じとられた臨場感溢れるお話が、怖いながらユーモアを交えて語られ、説得力ありました。

■もう一つ印象に残ったのが、「遺品から見えてくるものがある」と言うこと。
そして「遺品」を気味悪がる人いるが、死んだ後使っていたわけではない。生きている間に使われたその人の好みの反映・宝物でもあると。
そういえば昔は「お形見」と言って、亡くなった方を偲んで譲っていただいたものを、
私もまだ持っています。
新しく美しい品が溢れている今は、高価でない遺品は「そちらで処分して下さい」と。
核家族や病院死など、生前深く関わる機会が少なくなっていることと関係あるのか
いろんなことを沢山考えさせられた約2時間の講演でした。

Posted by 梨木 at 2014年01月30日 01:23 | 返信

先生は孤独を知っていますか・・・。
孤独と、ここで言う孤独死は違うように思いますが、ふと思いました。
「幸福な孤独死もあるのだ」本当に救われる言葉ですね・・。

Posted by 桜 at 2014年02月11日 08:34 | 返信

我が家の仙人が退院して自宅にいます。
この仙人のお陰で30年以上家族は翻弄され、5年前に主人が亡くなった後も「この家の主は自分だ」と豪語して止みません。

お婆さんの長男がいるのでそっちへ行ってほしいと言ったのですが、「あんたにいびり殺されてもあそこには行かない」と言い、長男も「悪いけどそっちで見てほしい」と言い、今迄の事も含めあまりの勝手さに法的な手段をとって姻戚関係を終了し、一切関係ない人と言う結論を出そうとしたのですがそれが出来ない自分に苛立っています。

今回の怪我によって以前のようには動けなくなり、お婆さんを徹底して嫌う娘や家の平和の為にも施設へ・・と思ったのですがお婆さんの長男は「女房が病気になり、自分も年金生活で余裕がない」と言い、私の息子も「婆さんには一銭たりとも出さない」と言いお婆さんの年金だけでは到底出来る事ではなく仕方なく引き取っています。
見かねたケアマネさんが「身寄りのないお年寄りは施設を住所にして生活保護をうけるという方法をとっているからやってみたら」と言って施設に申し出てくれたのですが、「市役所がいい顔をしないと思うし、こちらも100人待ちですぐには入れませんから」と言われ、今のところトイレは自分で行かれるのでお風呂の為にデイサービスを利用し、言われ言われの流れの中で取り敢えず軌道に乗りました。

3・1の記事に「独居の看取り」の事がありますが、我が家の仙人には孤独を味わいながらでも独居の方が幸せなのか、それとも「息子が死んでも自分が主だ!」といいながら、全てにおいて理不尽道を貫いてきた自信の中で世話になるのが幸せなのか、これからの私の行動にかかっているのでしょう。

Posted by 桜 at 2014年03月02日 10:40 | 返信

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