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安楽死法制化?

2014年02月19日(水)

先日ご紹介した朝日新聞のベルギーの安楽死記事の誤りについて書きます。
実はすでに誰かが書き込みに書いて頂いたとうりです。
新聞はこんな初歩的なことも理解できずにずっと間違った報道をしてきました。
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新聞は、日本で安楽死が法制化されようとしていると書きました。

しかしそれは間違い。
正解をいいましょう。

安楽死と尊厳死を間違えているのです。
こんな根本的なこと、イロハのイの字も知らない人が記事を書いているのです。

日本尊厳死協会は、このような申し入れをしています。
http://www.songenshi-kyokai.com/messages/topics/102.html

HPには、こんなつぶやきも書かれています。
http://www.songenshi-kyokai.com/messages/column/101.html

うまく開かない方は、HPの左上の”トピックス”の欄をクリックしてください。
http://www.songenshi-kyokai.com/

あるいは、以下のような書きこみを頂いていますが、
新聞よりずっと正しいです。というかこれが正解です。

みなさまは、新聞報道を、まず疑ってかかったほうがいいです。
詳しくは、今月末に発売される「平穏死できる人、できない人」(PHP)をご参照ください。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

私は、頭が悪いので、朝日新聞の込み入った文章の基本的間違いが、何かぴんとこないのですが、「子供の安楽死」と書いてあるので、2013年の4月13日の「10の宿題と100の喜び」と題する長尾先生のブログに対して、「みー」さんと言う人が児玉真美と言う人の「子供の安楽死、アシュリー事件を巡る世界の兆候」みたいなブログを紹介していたのを思い出しました。私は「尊厳死」や「自然死」「平穏死」と「安楽死」は患者にとって正反対の間違った考えだと思います。でも、ヨーロッパや世界の動向では、「尊厳死」と「安楽死」をごっちゃにして、犯罪に利用しようとする勢力もある様な気がしました。朝日新聞は「安楽死」に反対なのか、それとも「子供の安楽死」も良いとかんがえているのか、また安楽死と尊厳死を全く違うものと考えているのか、同一と考えているのか、あいまいだなと思えました。「議論のテーマを提供しているだけだ」と言われればそうなんでしょうけど、「尊厳死」の考えを広める運動を目指す私達は、「尊厳死」は「安楽死」や犯罪とは一線を画すという立場を、絶えず鮮明にして、世界的兆候に注意しなければ、いけないように感じました。勿論、komachiさんと、おなじ意見ですし、「子供の安楽死に疑問を持つ」児玉真美さんと言う方や「みーさん」とも対立するとは思えません。頭が悪いので、今は、こんなことしか考えられません。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

朝日新聞社 広報部様

要  請  文

一般社団法人 日本尊厳死協会

理事長  岩總一郎

 

2月12日付朝刊 7ページ 「法制化議論 進まぬ日本」について、お願いがあります。

この記事は、「安楽死」と尊厳死にかかわる「延命治療の中止」とを混同しており、国民の誤解を招くと同時に、これから行われる尊厳死をめぐる法制化の議論にも大きな影響を与えることになり、ひと言、お願いをすべく、この文書を送付させていただきます。

 

記事の冒頭に書かれているように、安楽死を求める法律は日本にはありません。安楽死事件をめぐる裁判の判例として、安楽死が容認される要件が示されているに留まっています。記事に例示されている、末期がんの父親を息子が中毒死させた事件も、東海大病院で患者に薬物を注射して死なせた事件も、安楽死の要件を満たしていないと医師が起訴され、有罪判決を受けました。

ところが、東海大病院の横浜地裁判決から記事に引用されているのは、「安楽死」の要件ではなく、尊厳死に関わる「治療行為の中止」の要件です。

さらに、今回の記事では、前記ふたつの安楽死事件と同列に06年の富山県射水市で患者の人工呼吸器をはずしてしなせたケースに言及したうえで「法整備を求める声が根強いが、安楽死の法制化に向けた具体的な議論は進んでいない」とあります。しかし射水市ケースは、安楽死ではなく、「延命治療の中止」に当たり、医師は不起訴になっています。「法整備を求める声が根強い」というのは、あくまで安楽死の法制化ではなく、「患者の意思に基づく延命治療の不開始、中止」を求める声であり、安楽死を求めているわけではありません。

ご存知かと思いますが、死期が迫っている患者に耐え難い肉体的苦痛があり、患者が「早く逝かせてほしい」との意思を持っていることが明らかな場合でも、医師が医療行為で患者を死なせることを安楽死と呼びます。95年の東海大病院の安楽死事件判決でも、「治療行為の中止」と「安楽死」とを分けて判決理由を述べており、同列に語るべきものではありません。私たち日本尊厳死協会も、安楽死は認めていませんし、反対しております。

いま国会では、終末期における患者の意思を尊重するための法律案が上程されようとしています。記事のように安楽死と延命治療の中止を混同されることは、法制化の議論に水をさすことになりかねません。

本来ならば、記事全体を後半の8行(「回復の見込みがなく~)を削除していただくのが望ましいのですが、そうなると記事として成立しなくなってしまうのは理解できます。せめて、今後、安楽死と延命治療の中止を混同なさらないよう、本社内並びに他本社・支社・総局で周知徹底されることをお願いできませんでしょうか。

なお、この要請文は、当協会のホームページに掲載させていただくことをお断りしておきます。御社担当部署から回答をいただけた場合、その回答書について、掲載可能か不可かをお知らせいただければ、それに従います。

この要請文の目的は、あくまで、今後、「安楽死」と「尊厳死」とを混同していただきたくないためのものであることを申し添えさせていただきます。

 

ご参考 御社記事

 

法制化議論、進まぬ日本

 日本には現在、安楽死を認める法律はないが、司法判断などをきっかけに議論が繰り返されてきた。
 1962年、末期がんの父親を息子が中毒死させた刑事事件の判決で、名古屋高裁が安楽死を適法とする要件として、「苦痛緩和が目的」「本人の依頼、承諾」など六つを示した。95年には、医師が患者に薬物を注射した事件で、横浜地裁が延命治療中止の要件として、「回復の見込みがなく死が避けられない」「患者の意思表示か、家族から患者の意思が推定できる」などを示した。その後も、2006年に富山県の病院で、人工呼吸器を外された末期がん患者ら7人が死亡した問題が発覚。法整備を求める声は根強いが、安楽死の法制化に向けた具体的な議論は進んでいない。

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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

尊厳死法案が法制化された場合、年間の自殺者を大きく減らすことができるのだろうなと私は日本の明るい未来を想像しております。ただ、その一方で、終末期ではないけれども、悩んでいる人々、例えば、認知症や精神疾患、アトピーなど、命にかかわらない病気で悩んでいる方々の自殺を減らすことはできないような気がします。自殺者数をゼロに近い状態にするには尊厳死法案ではなく、安楽死法案が必要なのではないのだろうかと疑問に思っております。ベルギーやオランダの国民は「安楽死と自殺は対極にある」と考えており、個人の意思が非常に大事にされ、「安楽死も個人の尊厳の範疇にある」と考えているようです。長尾先生が安楽死に反対なさっていることは存じておりますが、先生のような立派で尊敬すべき方が、安楽死に対して理解を示してくださったら、どんなにか心強いだろうにと残念に思っております。

Posted by 匿名 at 2014年02月19日 11:41 | 返信

いろいろな意見があるものですね。
そういう私も、突飛な意見の持ち主ですけど。
とにかく、朝日新聞が何を言いたいのか、よくわからなくて、苦し紛れに、書きなぐったら、長尾先生のブログの引用に私のコメントが載っていたので、仰天しました。
朝、見たのですが、直ぐノートパソコンの蓋を閉じて、恐いので、一日中パソコンを、触らないようにしていました。
朝日新聞には、ひどい目にあったので、最近は、斜めに読んでいます。
朝日新聞は何だか、アナーキーな感じです。
「誰の為に」新聞の記事を書いているのか、誰を「敵」と考えているのか、さっぱり分かりません。
松本清張の小説に出てくる悪い人は大抵お医者さんか、弁護士か、大学教授です。
お医者さんのやることだから、悪いことではないかと、ステレオタイプに、考えているのでは?
安楽死法案を可決する運動があるのかと思いました。
尊厳死法案の間違いだったのですね。
なるほど
なるほど、やっと半分は、分かりました、。

Posted by 大谷佳子 at 2014年02月20日 02:38 | 返信

アトピーで辛いです
治らないのなら安楽死させてほしいと思います
生きていても何もできず毎日かゆくて痛いだけの地獄です

Posted by 匿名 at 2014年02月24日 03:05 | 返信

子供の再生能力が高い事から、
子供の安楽死は反対です。ですが、

大人の安楽死は大賛成です。例えば、
下記の様に、スイスでは1942年に認可されています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E6%A5%BD%E6%AD%BB

33年間も少子化を放置し米国のマッカーサーが作った基本的法律の厳守を国民に強制する政府が古過ぎるのです。

http://www.stat.go.jp/data/jinsui/topics/topi821.htm

半世紀も生き残ってしまった私の出した人生哲学の結論とは「地位も財産も何も無くても、人生は各々の思い出創りの旅。」(だが人は想い出さえも忘れて舎利と成って消えて逝く。遠目に霞む森と、目前の虚空な墓石を交互に見ながら、墓前に華を手向け寂寥な悲哀の中で慈悲の大儀を感じた。其れが解る日迄、若年は生き抜いて欲しい。)と願います。

等と自作のWEB本(下記)から要点を記します。

https://sites.google.com/site/social0420/wen-yun-si-xiang-zhe-xue-to-biao-xianto-wu-zong-jiaomo-zi-you/dao-cheng

千兆円を超えた債務(借金)を増税で国民に強制する政策も存知と想います。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/007.htm

本当は売れない作詞作曲家のフリーライターです。
http://www.geocities.jp/gmidlife/

Posted by 雅理雄 at 2014年08月31日 09:35 | 返信

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