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肺がんが一番多いがん

2014年04月07日(月)

がんが死亡率で1位。
その中でも肺がんが1位。
タバコを吸わない人の肺がんも増えている。
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当然、肺がんで在宅療養している人も多い。
みんな、家に帰ると驚くほど、元気になるのだが。

一昨日の産経新聞には、肺がん検診について書いてみた。
http://www.drnagao.com/img/media/sankei20140405.pdf

あたり前のことだが、あとで後悔している人が多いので書いた。


産経新聞検診シリーズ第5回  肺がん検診

               年に1度は胸部レントゲン検査を

 

 在宅医療をしていて最近特に感じるのは、大きな病院から紹介されてくる肺がんの患者さんが多いことです。それもそのはず。肺がんはがんの中でも一番多く、年間7万人もの人が亡くなっている病気。発見された時には、がんが既にあちこち転移していて手遅れだったとか、抗がん剤治療を受けてきたが限界が来た、という人の在宅医療を依頼されます。肺がんの多くは無症状なので、治療で完治できる段階で発見するためには、検診を受ける以外に方法はありません。なにも肺がんに限った話ではないのですが、がんで死にたくなければ早期発見、早期治療以外に方法はありません。現代の日本人は肺がんで死ぬ確率が一番高いのです。どうしたらその肺がんを早期発見できるのでしょうか。

 
 従来、肺がん検診として従来は胸部レントゲン検査と喀痰の細胞診が行われてきました。しかし自治体によっては、主に経済的事情でレントゲン検診を中止したところが多くあります。胸部レントゲンによる住民検診をしても死亡率は減らない、という論文が中止の根拠とされました。しかし現在、胸部レントゲン検査による肺がん検診は、複数医師による読影や過去の写真との比較読影をも行うならば、「効果がある」と言われています。

 
 日々の診療の中で、胸部のレントゲンを撮ることが時々あります。単に心臓の大きさを見るためだけなら正面写真1枚だけで充分です。しかし肺がんがあるか無いかも見たい時は必ず、正面と側面の2方向で撮ります。2方向から診ると、映像から得られる情報量が増え、見落としが減ります。たとえば心臓の後ろに隠れた肺がんは、正面写真では分からなくても側面写真で分かる場合があります。


 以前、胸部レントゲンだけでは発見が極めて困難な肺がんを、がんセンターの勉強会で沢山診させて頂きました。胸部のレントゲン読影は奥が深いものです。助かる段階の肺がんを発見するには、ほんのわずかな変化を見抜く専門性が必要です。一方、誰が見ても一目見て分かるような肺がんは、残念ながらかなり進行している場合が多いのです。


 胸部のレントゲン検査で異常を指摘されると、CTを撮影して詳しく調べます。それで異常があれば、入院して気管支鏡と組織検査が行われます。肺がん検診として最初からCTを使うことにはまだ科学的根拠が得られていません。放射線被曝の問題の他にも、早期の早期がんのような小さな淡い影まで見つかってしまうという問題があるからです。ただし精密検査や、喫煙者が個人レベルでCT検査をするのはもちろん構いません。


 タバコを吸うと、肺がんの危険性が高まることは事実。喫煙者が肺がんになる確率は、男性では4.4倍、女性では2.8倍高まります。たとえ本人が吸わなくても同居人が吸う場合でも副流煙のため2~3割、肺がんになる危険性が増えます。


 CT検査は肺がん以外には、COPD(慢性閉塞性肺疾患)やアスベスト中皮腫や肺結核の診断のために行う場合もあります。早期に発見できれば、胸腔鏡手術で完治する肺がんもあります。タバコを吸う方も吸わない方も、年に1度は胸部レントゲン検査をお勧めいたします。

 

キーワード 肺がん

肺がんは、小細胞(しょうさいぼう)肺がんと非小細胞肺がんに大別される。肺がん全体の約1015%が小細胞肺がん、残る8590%が非小細胞肺がん。小細胞肺がんと非小細胞肺がんとでは、病気の特徴や薬の効きめがかなり異なるので区別する。

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