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拉致入院と二股紹介状

2014年04月28日(月)

こんなことを書くと、またあちことから叩かれることは、よく分かっている。
しかし叩かれても牢屋に入れられても、おかしいものはオカシイと言いたいタチ。
末期がんの患者さんが、本人が望んでも家に帰してくれない事が現実には多い。
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「在宅ホスピス」を知らない大病院の医療者たちへ

 
時々、大病院から末期がん患者さんの在宅医療の依頼がある。
しかし、それは患者さん自身が強く在宅医療を希望したから。
 
その大病院の主治医は、シブシブ、私に紹介状を書いている。
在宅ホスピスなんて鼻から信じていないと患者が教えてくれる。
 
案の定、施設ホスピスにも紹介状を書いて2股を掛けて帰って来る。
大病院では、誰が考えたのか知らないが「二股退院」が流行している。
 
大学受験の滑りとめではないが、2ケ所に併願しているのだ。
つまり彼らは在宅ホスピスは「つなぎ」にすぎないと思っている。
 
「在宅ホスピス」という素晴らしい世界を全く信じていない。
それもそのはず、一度も見たことがないから信じられないのだ。
 
当院の末期がんの在宅看取り率は、ずっと9割を超えている。
いったん在宅になった人のほとんどを看取っている現実さえ知らない。
 
家に帰ってきても、彼らは施設ホスピスの顔見せ受診に行くか迷う。
迷った挙句に義理を立てて受診するが、その往復だけで疲れ果てる。
 
もちろんなかには、施設ホスピスが似会う人もいる。
しかし大半は、「家がいい」と本人も家族も今も強く言っている。
 
しかし世話になった病院の先生の顔を立てて渋々受診しなければならない。
余命いくばくもないのに、無用なご負担、ストレスを与えている。

この「2股紹介状」の慣習は、なんとかならないものか。
 
最近、いろんな大病院から紹介された末期がん患者さんは
全員、一旦は元気になる。(中には、もう亡くなられた人もいるが)
 
「家に帰るのは絶対無理よ。帰っても無理だから1日したら
また戻ってきなさい」と婦長さんにさんざん脅かされて帰って来た。
 
その患者さんのご家族たちは、3ケ月経過した今、
「あの入院はいったい何だったんだろう?」と首をかしげるが
黙って聞いている。
 
「もう何があってもこの先、あの病院には戻ることはありません」
と本人と家族全員が断言されるが、これも黙って聞いている。
 
在宅で看とった方は、ご家族は全員に涙と笑顔がある。
「最期まで家で過ごせてほんとうに良かった」と強く感謝される。
 

中には、退院早々「病院に無理やり、拉致されていた」と
拉致の怒りを1時間以上、ぶつけてくる患者さんもいる。
 
そのとうり。
たしかに「拉致入院」以外何ものでもない。
 
何の治療もないのに、検査と「退院調整」という大義のもとに
1ケ月ちかく病室に拉致されていた意味は紹介状にも書いていない。
 
早く家に帰りたくて毎日、泣いていたそうだ。
北朝鮮の話ではない。
 
21世紀の現在でも、基本的人権の侵害が
医療という名の元で堂々と行われている。
 
しかもやっている人たちが全く気がついていない。
仮に薄々気がついていても現実をちゃんと見ようとしない。

 
いったい誰のための医療?
いったい誰のための地域連携???
 
己の資格のため?
己の満足のため?
 
地域連携部の看護師やMSWも常に共犯者だ。
無知とはほんとうに恐ろしい。
 
病院スタッフの単なる無知が、患者さんの幸せを奪っている。
たったそれだけのことなのだが、誤りを知ろうともしてくれない。
 
病院スタッフが、少しでも気がついてくれればと、しつこく
小文を書いたり、本を出版しているが、まったく効果は無い。
 
末法医療。
 
そんな言葉がふと頭に浮かんでしまう。
本来の医療のあるべき姿と全く違ったものになっている。
 
特に人生の最終段階において、それが顕著。
だから近藤誠教の信者さんは増える一方だ。
 
途中まではいい医療をしていても、最期の最期に思いやりが無い。
終わり悪ければすべてぶち壊し。
 
なんとかならないものか。
 
施設ホスピスと在宅ホスピスの距離も広がるばかり。
 
嘆いても仕方がないのだが、心に貯まった想いは
どこかに表出しないと眠りにつけない性分なのだ。

「在宅ホスピス」の素晴らしさは、どうすれば大病院のスタッフたちに
伝わるのだろうか・・・

もう少し頑張って、意味が無いと悟ったら、こんな無駄な活動はもうやめよう。
疲れると、時々、そんな迷いが浮かんでくる。

しかし今日は仕事はしていたが、久々に良いリフレッシュできた。
もう少し頑張ってみようと思い直す。

どんな扱いを受けても構わないから
本当のことを書き遺しておきたい。

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この記事へのコメント

人権侵害の意味を知らない医者が多いと思います。インフォームドコンセントなんて無視してる医者がほとんどです。
昨年秋に母を亡くし、一人残った87歳の老父の終の棲家となるはずだった老人ホームで主治医となった医師は、「腫瘍マーカーを監視することを主眼に毎月採血して血液検査をする」方針で、長女の私が問い合わせても「患者本人が承諾している」「検査結果も患者本人に説明している」故に、家族の私の承諾を得ずとも何も問題は無い、と主張しています。
施設からもこの件について連絡は来ず、父の愚痴からわかりました。
87歳の老父は、「なんとなく癌に関するようなことを言っていたけど、何故に続けてあんなにたくさん血を取られるのか」不満と不安を訴えています。検査結果の説明も受けたことは無いと言っています。
今、父は癌再発の症状はありません。今年の秋で放射線治療後5年が経過します。父も私も、検査も治療も望んでいません。痛みが出たら痛みを軽減してほしい、と希望しています。
医者は、医者自身のために患者に検査を強いるのだと思います。ウチの場合、医者がデータを得たいだけで、そのデータを父のために有用に利用されることはありません。だって、たとえ腫瘍マーカーが跳ね上がっても、父も私も、以前のように内視鏡を入れたりバリウムを飲んだりするようなしんどい精密検査をするつもりもさせるつもりもありませんから。にもかかわらず本人が納得していないのに「医者だから」抗癌剤の副作用で造血機能も低下している87歳の老人から毎月血液を抜き取って当たり前・・・。これって、インフォームドコンセント無視の上に人権侵害しているんです。
医者って、採血するくらいどうってことない、と思ってる。他人の身体なんですよ、他人の血液なんですよ、あなたのモノじゃありません。
ウチは、87歳の老人の残りの人生を、医者にささげるつもりなんて全く無いのです。検査も治療も望んでいないのです。その医者に会った一番最初に私たちは言いました。(穏やかな死に向けて)「ただ、寄り添ってください。」・・・その時その医者は笑みを浮かべて理解ある(ような)応答をしました。それなのに、ヤツラは87歳の老体を利用し始めている。ヤツラ医療者の利益のためだけに。

もちろん、もう採血させません。施設も出ます。早急に以前お世話になった老健へ逃げる予定です。良心的な老健なので比較的長期に面倒見てもらえますが最期までは看てくれません。
再び、マトモな医者が付いている終の棲家を探さなければなりません。あるいは自宅付近でマトモな医者を探すか。
父は77歳まで医者知らずだったので、「かかりつけ医」なんて気の利いたモノはいないのです。時々行っていた近所の医院は、娘さんが継いでからは「何かあったら救急車を呼んでください。」
マトモな医者を探すのって、ちょっとかかわったくらいではわかりません。なかなか本性を現さないから。今回だって、私は騙されたのです。
マトモな医者がいる地域といない地域があるみたいです。昔からの下町のほうが良心的な医者が多いような感じがします。東京の下町に引っ越すよりも尼崎へ引っ越そうか、と話したりしています。けど、長尾先生は寝不足で長生きなさらないでしょうから、87歳の父よりも先に逝ってしまうかも。

Posted by komachi at 2014年04月28日 01:50 | 返信

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