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医師法21条の誤解と国会議論

2014年06月11日(水)

最近、病院での死亡例を管理者が警察に届け出た結果、記者会見になっている。
結論からいえば、病院管理者は警察に届ける必要は全く無い。
先日国会で、以上のこと、医師法21条の正しい解釈が議論された。

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小池晃議員(医師)が、開始1時間45分46秒から医療事故調のことに関して田村厚労相に質問され、
医師法21条に関しては1時間50分55秒~のところで「外表異状説」を引き出しています。

610日厚労委員会インターネット中継   をご覧ください。

少なくとも、医師はし医師法21条を知っておく必要がある。

なんて言っても「俺は医者だから法律なんて知らなくてもいい」という医師が結構いる。
国立病院や公立病院のそんな偉いお医者さんたちが、医療を破壊している。

メデイアも誰も報じないが、紛れもない真実だ。
ちなみに以下の小池議員はお医者さんである。

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小池晃議員
最後に、大臣に医師法21条について聞きたいと思います。
2001年4月3日の当委員会で私の質問に対して当時の医政局長は、「医師法21条の規定は医療事故そのものを想定した規定ではない」と答弁しました。
しかし、その後の動きの中で拡大解釈がひろがりました。改めて、医師法21条についての厚労省の解釈をお述べいただきたいと思います。
 
田村厚生労働大臣
医師法第21条でありますけれど、死体または死産死これにつきましては、殺人、障害致死さらには死体損壊、堕胎等の犯罪の痕跡をとめている場合があるわけでありまして、司法上の、その便宜のためにそれらの異状を発見した場合には届出義務、これを課しているわけであります。
であの、医師法第21条は医療事故等々を想定しているわけではないのでありまして、これは法律制定時よりかわっておりません。
ただですね、平成16年4月13日これ最高裁の判決でありますが、都立広尾病院事件でございます。これにおいてですね、「検案というものは医師法21条でどういうことかというと、医師が死と判定するために外表を検査することであるということである」ということであります。 
一方で、まさに自分の患者であるかはどうかは問わないということでありますから、自分の患者であっても検案という対象になる訳であります。
さらにですね、「医療事故調査に係る検討会」これは、平成24年10月26日でありますけれども、出席者から質問があったため、我が省の担当課長からこのような話がありました。
「死体の外表検査し異状があると医師が判断した場合には、これは警察署長に届ける必要がある。」と、一連の整理をいたしますと、このような流れの話でございます。
 
小池議員
これで医師法21条がなんでも医療事故を届け出るものではないということが、きちっと確認されたと思います。私は、これは、きちんと法改正をすべきだと思います。
あわせて今回の法案全体でいうとこれは、むしろ逆に医療を崩壊させることになって医療事故をおこすようなことになりかねないと私は思っていますので、医療事故の問題は改めてきちっと切り離して議論すべきと、法案としてもそういう処理を求めたいということで質問は終わります。
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混迷する”医療事故調”の行方医師法21条、「医療事故の届出想定せず」、
厚労相
 
小池議員の質問に対し答弁、参院厚生労働委員会
 
2014年6月11日(水) 橋本佳子(m3.com編集長) 
 
 参議院厚生労働委員会で6月10日、田村厚労相は、異状死体の届け出を定め
た医師法21条の解釈について、「医療事故等を想定しているわけではない。こ
れは法律制定時より変わっていない」と答弁した。その上で、2004年の都立広
尾病院事件の最高裁判決は「外表を検案して、異状を認めた場合」、いわゆる
外表異状説で判断していること、2012年の厚生労働省検討会で、当時の田原克
志医事課長も外表異状説を基に説明していることを挙げ、外表異状説が厚労省
の解釈であるとした(『「診療関連死イコール警察への届出」は誤り』を参照)。
写真田村厚労相の答弁を引き出した、共産党の小池晃参院議員。
 
 これは、“医療事故調”の設置などを盛り込んだ、医療・介護総合確保推進
法案に対する、共産党の小池晃議員の質問への答弁。
 
 さらに田村厚労相は、同法案で創設する医療事故調査制度は、責任追及や紛
争解決を目的とした制度ではないと明言。医療事故を調査する第三者機関であ
る、医療事故調査・支援センターの役割について、「(警察に)届け出たり、
行政処分の対象という形で、報告書をまとめたりすることはしない」と説明し
た。医療事故の報告書は、「誰がどのようなことをやったという個人名や、過
失がある、責任があるなどの書き方にはしない」とし、制度の詳細は、今後策
定するガイドラインで定めていくとした。
 
 小池議員は、今回質問した背景を、「医師法21条については2000年代、『医
療事故は警察に届け出なければいけない』と曲解、拡大解釈され、福島県立大
野病院事件などもあり、何とかしなければいけないと長年思っていた」と説明。
先の「田原課長発言」は、この拡大解釈を正す重要な発言であるものの、厚労
相の国会答弁という法律に準じる形で残す必要があるとの考えから、質問した
という。
 
 「今回の厚労省の答弁は、医師法21条の解釈について、疑問の余地をなくし
てくれたという点で、私自身、高く評価している。『医療事故が生じたら、警
察に届けなくてはいけない』と不安に思っている先生がいるが、この問題は解
決できたので、安心していい。何かあれば、今回の国会答弁を引用してもらい
たい」。小池議員は、こう語るものの、最終的には医師法21条そのものを改正
し、異状死体の届け出から、医療関連死を除くことが必要だと考える。
 
 さらに小池議員は、“医療事故調”の法案について、制度の詳細はガイドラ
インで規定されることになっていることから、「大事な問題をガイドラインに
委ねること自体に疑問がある。ガイドラインによってかなり性格が変わり得る
が、あくまで今国会の議論を反映しなければいけない。責任追及の仕組みにな
らないよう、監視をしていかなければいけない」と強調している。
 
【参議院厚生労働委員会(2014年6月10日)小池議員の質問】
 
小池議員:医療事故の調査制度について、第三者機関は我々が求めてきた制度
だが、今回の制度には懸念もあるので、正したいと思う。今回の制度は、大臣
も繰り返して言っているが、再発防止と医療の安全が目的であり、責任追及で
はないということだが、再発防止と言うと、原因究明が必要になる。原因究明
となると、直ちに責任追及に結びついていく可能性もある。その懸念が、医療
界にもある。大臣はここにどう答えるのか。安全性の向上、再発防止という政
策目的と、責任追及が今回の制度ではどう遮断されているのかいないのか、説
明していただきたい。
 
田村厚労相:平成20年に、医療安全調査委員会設置法案、大綱案を示したが、
この中では医師法21条を免除するために、公的な第三者機関で、故意や重度の
過失があった場合には、警察に報告、届け出る。また行政処分の対象にもなっ
てくる。これでいろいろな議論をしたが、やはり医療関係者をはじめ、いろい
ろな方々から異論が出たので、今般の法案になったわけだ。医師法21条に関し
ては、対象にしていない。そもそもそのような話ではなく、あくまでも民間の
第三者的な機関、つまり医療事故調査支援センターが、(警察に)届け出たり、
行政処分の対象という形で、報告書をまとめたりすることはしない。報告書を
受け取った場合にも、もちろん遺族の方々にはお渡しするが、その内容は、誰
がどのようなことをやったという個人名や、過失がある、責任があるなどの書
きっぷりにはしない。これはガイドラインで具体的に定めていきたいと思うが、
そのような責任追及というガイドラインにはせず、あくまで医療の事故、どの
ような理由で事故が起こったのか、さらには原因究明の後、再発防止の参考資
料として、使っていく内容にしたいと考えている。
 
小池議員:再発防止の問題だが、報告書の中に、個別ケースの再発防止策が書
かれていると、結果回避義務違反に問われる可能性があると言われている。(厚
労省医政局)局長に聞くが、再発防止策については、一定の事例が集まった段
階でまとめて、個々のケースが特定できないようにした上で公表するといった
配慮が必要だと思う。
 
原医政局長:医療事故調査・支援センターでは、再発防止にかかる普及啓発を
行うこととしている。ご指摘のように、一定の事例が集積された段階で、類似
事例についてまとめて普及啓発策を提案することも有効な手段であると考えて
いる。ただ、具体的にどのような形でやるかについては、今後ガイドラインを
策定する中で検討する予定なので、責任追及や紛争解決を目的とした制度では
ないことを踏まえて、医療従事者の氏名や過失の有無など個別の事例が特定で
きないような形での配慮は十分にしていきたいと思っている。
 
小池議員:条文の中には、第三者機関に対する公費負担の規定はないが、やは
り国が十分な責任を果たす必要があると思う。遺族の費用負担が、事故調査を
躊躇させるものではあってはならないと思うが、この点はどう考えるか。
 
原医政局長:特に医療事故調査・支援センターが調査にかかる場合に、その費
用をどうするかについては、(厚労省の)検討会の段階では、当然ながら遺族
や医療機関の申請に基づき行うものであるから、一定のそれぞれの負担は必要
だろう。そのほか、一般的な支援センターの運営には、学会や医療関係団体か
らの支援、あるいは国からの補助金等々が必要だとされている。その上で、遺
族から費用をいただくにしても、その検討段階では調査を申請した医療機関や
遺族の負担を求めるものの、制度の趣旨を踏まえ、申請を妨げることとならな
いよう、十分に配慮しつつ、負担の在り方について検討することとされている
ので、その観点で検討していく。
 
小池議員:最後に大臣に医師法21条について聞きたい。2001年4月3日の当委員
会で、私の質問に対して、当時の医政局長は、「医師法21条は、医療事故その
ものを想定した規定ではない」と答弁した。しかし、その後の動きの中で、拡
大解釈が広がった。改めて医師法21条についての厚労省の解釈を述べていただ
きたい。
 
田村厚労相:医師法21条だが、死体または死産児、これについては、殺人、傷
害致死、さらには死体損壊、堕胎等の犯罪の痕跡をとどめている場合があり、
司法上の便宜のために、それらの異状を発見した場合には、届け出義務を課し
ている。医師法21条は、医療事故等々を想定しているわけではなく、これは法
律制定時より変わっていない。ただ、一方で、平成16年4月13日の都立広尾病
院事件の最高裁判決において、「検案」とは医師法21条では、「医師が死因等
を判定するために、外表を検査すること」としている。一方で、これは、自分
の患者であるかどうかは問わないということなので、自分の患者であっても、
検案の対象になる。さらに、医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する
検討部会の平成24年10月26日では、出席者から質問があったため、わが省の担
当課長から、このような話があった。「死体の外表を検査し、異状があると医
師が判断した場合には、これは警察署長に届ける必要がある」。一連の整理を
すると、このような流れの話だ。
 
小池議員:これで、医師法21条が「何でも医療事故を届け出るものではない」
ということが、きちんと確認されたと思う。私はこれはきちんと法改正をすべ
きだと思う。併せてやはり今回の法全体で言うと、これはむしろ逆に、医療を
崩壊させることになり、医療事故を起こすようなことになりかねないと私は思
っているので、この医療事故の問題は改めて切り離して議論する。法案として
も、そのような処理を求めたい。

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