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歯の数とボケの関係

2014年07月27日(日)

昨日の産経新聞の連載には「歯の数とボケの関係」について書いた。→こちら
歯や口腔ケアはボケと直結している。
と言いながらも、歯磨きは苦手である。
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産経新聞・健康長寿シリーズ第5話   歯の数と転倒リスク
                         歯が無い人ほどボケやすい!
 
 そもそも歯は何本あるか知っていますか?人間は乳歯で20本、永久歯で28本ですが、親知らずを加えると実は32本もの歯を持っています。先週、8020(ハチマルニイマル)運動をご紹介しましたが、32本の6割がちょうど20本なのです。「そんなこと言っても歯が抜けるのは老化現象だからしょうがない」と思っている人が多いでしょう。たしかに髪の毛は老化現象でしょう。しかし歯は努力次第で残すことが可能なのです。102歳になっても現役でおられる私が最も尊敬する医師である日野原重明先生は、現在も18本の自前の歯があるそうです。入れ歯もしっかり固定されているので、発語も明瞭です。

 2000年に花田信弘先生は、歯が20本以上残っている人、10~19本の人、9本以下の人、1本も残っていない人に分けて健康調査を行いました。歯が20本以上残っている人の栄養状態はすこぶる良かったそうです。目を開いての片足立ちテストをしても、歯が20本以上ある人はバランス感覚に優れていることが分りました。すなわち歯が多いとそれだけ転びにくいのです。8020の根拠は、このような調査にあります。

 歳を取るとは、筋肉量が減少することです。そのことをサルコペニアと言います。80歳以上になると半分以上がサルコペニアにあると言われています。サルコペニは歯と密接に関係しています。食べたものを充分に噛めないと吸収力が落ちて、筋肉量も落ちるのです。筋肉量が落ちると転倒し易くなり寝たきりになり易く、寿命に大きく影響します。自前の歯がたくさん残っていたら、簡単には転ばないのです。
さて、東北大学の渡邊誠先生らは2003年の国際学会で、大変興味深い研究成果を発表されました。健康診断を受けた70歳以上の高齢者たちの歯の数と認知症の程度を調べた結果、驚くべき事実が分かったのです。平均の残存歯数は、「認知機能正常群」では14.9 本、「認知症予備群」が13.2本、「認知症疑い群」が9.4本でした。すなわち、ボケていない人ほど多くの歯が残っていて、ボケている人ほど歯が少なかったのです。ボケと歯の数が密接に関係しているという事実にみなさん驚きました。

 渡邊先生はMRIを用いて脳の大きさ(容積)と歯の数の関係も調べました。その結果。歯が少ない人ほど、記憶の中枢である海馬や前頭葉の容積が減っていたのです。歯が少ないほどやはりボケやすいのです。どうしてかというと、歯と脳は密接につながっているからだと言います。つまり歯や噛みあわせは、脳に刺激を与えているからです。噛むという動作は、さまざまな角度から脳を刺激することになります。よく噛むと脳の血流が増加し、脳の代謝が活発になるのです。では入れ歯の人はどうなるのか?総入れ歯になると歯根膜への刺激が4分の1に減ります。すると脳への刺激が減って、認知症が進行し易くなるのです。だから入れ歯になっても、歯根膜を刺激する体操をすることが大切です。

 最後に少しだけ宣伝を。先週、「病院でも家でも満足して大往生する101のコツ」という拙書が出版されました。これまで書いてきた「平穏死」や「平穏生」の決定版として是非、御笑読頂ければ幸いです。
 
キーワード 歯根膜
歯が埋め込まれている歯槽骨(しそうこつ)と歯の間にある膜。噛んだ力を受け止めるクッションのような働きをしている。歯根膜には独特のセンサーがあり、脳幹にある青班核という司令塔に刺激を伝える。
 
 

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