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脈診、腹診、靖国神社
2014年09月08日(月)
今日は、東洋はり医学会で平穏死の講演。
終了後、脈診と腹診の講習会を見学。
その後、靖国神社に参拝した。
終了後、脈診と腹診の講習会を見学。
その後、靖国神社に参拝した。
脈診と腹診
昨日は、東洋はり医学会で平穏死についての講演をしました。
対象は全員が鍼灸師さんで、半数は視覚障害者とのこと。
死だけでなく、東洋医学に馳せる想いも語ってきました。
明治7年までは、日本の医学といえば、東洋医学、漢方でした。
しかし文明開化の流れがあり、以降蘭方、すなわち西洋医学を修めた
ものだけが医師であると法律で定められて今日の医療に至っています。
私の大好きな総合診療とは、人間全体を診ること。
人体を細分化して沢山の病名をつけて沢山出すような
現代医学は間違っている、という話もしました。
ドクターGのような一過性のクイズではなく、長い長い「物語」を
支えていくことが地域医療の役割であると思っています。
鍼灸師さんも一緒に、地域の病んでいる人を支えましょうと。
高齢者が増える今後は、東洋医学的な医学が必要になります。
そしてがんに限らず、全ての病気に緩和ケアが必要であるので
鍼灸の時代が戻って来るというお話もして、話を終えました。
終了後、会場全体を使って技術講習会が行われていました。
互いに教え合ったり、先輩が後輩を指導していました。
上級者はなにやら研究をしていました。
鍼灸師は、脈診と腹診を重視していました。
脈診とは、左右の3本の指で患者さんの脈を触れる診察法。
脈が大きい・小さい、沈む・浮くなんて言葉で表現します。
脈診で五臓六腑のどの臓器が病んでいるかを証をたてることから開始。
経絡(ツボ)を探して、そこに浅い鍼をうつと即座に脈が変化します。
私自身は鍼ではなく、脈診と腹診に重点を置いていう点に心を打たれました。
脈と腹だけでなく顔、舌、手足もみんなで穴が開くほど見ていました。
そうした光景が会場全体であちこちで行われている姿は、圧巻でした。
ちなみに写真は名誉会長さんが私に脈診を教えて頂いている様子です。
視覚障害者が半数なのでスライドは使えず話しだけの2時間の講演でした。
しかしそのほうがよかったと思いました。
スライドを使うと、スライドに引っ張られることがあるからです。
視覚障害者の名刺にメールアドレスも書いてあったのでどうやって
メールを読むのかを聞いてみました。
音読ソフトがあるので心配要らないと言われました。
書籍も点字で読むのではなく、音声変換ソフトで読むので
3倍早いモードでも読める、つまり速読も可能だそうです。
そして最近は、点字を習わないひともいるとのこと。
現在の医療は、患者さんの話を聞くことと、体に触ることを
すっかり忘れているような気がします。
私は必ず脈や体に必ず触れることを若い医師に日々指導します。
今日の講習会の様子を遠くから見ながらこれが本当の医師だと思った。
時代が変われば、必ず東洋医学が再評価される日が来ることでしょう。
体を触らずにお薬を出すのは医師では無い、と確信した1日でした。
九段下にある教育会館での用事が終われば、もう夕方でした。
日本武道館を横手に見ながら坂を上がると、そこは靖国神社。
久しぶりに参拝しました。
若者たちも沢山、参拝していました。
若いカップルたちも沢山来ていました。
門の横の掲示板には一通の遺書が書かれていました。
昭和18年9月3日にニューギニアのウエクワにて戦死された
陸軍少佐の森本三郎さんが書かれた遺書でした。
兵庫県印南郡別所村出身の26歳です。
現在、別所村は姫路市になっています。
同じ兵庫県人がとても26歳とも思えぬ立派な文章を書かれていて、
彼の年齢の2倍以上生きても子供っぽい自分が恥ずかしくなりました。
遺族が涙するので遺品は残さないこと、
両親に対する感謝の気持ちなどが箇条書きで書かれていました。
森本さんがこれを書いた気持ちを想うと目頭が熱くなりました。
そこに体格のいい元気な若者たちが10人くらい通り過ぎました。
声をかけてみると、明治大学相撲部の学生さんたちでした。
参拝に来たのではなく神社の横にある土俵での大学リーグだったと。
二戦二勝だったと言うハシモト力士に無理を言って、一緒に写真を
撮ってもらいました。
ハシモト君の後ろ姿に、森本三郎さんを重ねて見ていました。
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この記事へのコメント
昔は薬剤師は腹診も脈診もたいていの人ができました、店で注射もできたのに。。・・医療用の薬も薬剤師の判断で売れたのに・・・
Posted by 薬剤師 井澤康夫 at 2014年09月08日 07:07 | 返信
私は、不勉強で、今でも、脈診とか腹診は勉強していません。
私は現代医療と、古典(西洋と東洋の)医療の、両方を検証できたら良いのになあと思っています。
以前、新潟県か、宮城県の医師会が、その地域の、民間療法や、迷信のように思われる人々の暮らしの知恵を、一つ一つ、検証して、現代医療にも、通じる安全な民間療法は進めても良いと書いた本がありました。
そのように、脈診も、血圧や脈拍とどう違うのか、確かに、右腕の血圧は、計れるのに、左腕の血圧は、計かれないと言う人もいました。ご自分で「私は脈なし病なんです」と仰っていました。
それほど、脈差があれば、誰にでも分かりますけど、整形外科的な疾病で、多少の脈差があっても、針や、マッサージで、脈差が無くなるときもありますから、それが内臓疾患だとまで言えるかどうか検証したいです。
昔、革命前の中国の、奥地で、「若者が遊びに行くと、湖の妖精が出て来て、若者は故郷に帰って死ぬいわれがある湖」の話を聞いて、軍医さんが調べたら、「妖精は、日本住血吸虫だった」という話を、「中国の長征運動」と、言う話で、聞いたことがあります。
ですから、古典は素晴らしいと思いますが、常に、科学や現代医学で、検証したいです。
それは、患者さんのためであるし、鍼灸を、より広く広めるためでもあると思います。
とりわけ、視力障害者の方達の向学心は高く、何等かの医療機関で、共同研究なさったら、良いなあと思います。
Posted by 大谷佳子 at 2014年09月09日 02:38 | 返信
脈診、舌診、腹診、東洋医学、漢方薬、戦前戦後街の開局薬剤師が(も)勉強して受け継いで来たのに偉いお医者さん達はそんな事には一言も触れない、一般の人はさらに知らない、薬剤師自身も何も言わない、殆どの方に知られずに消えて行く運命か•••••戦前戦後通じて•日本独自の漢方薬体系を作り上げて来た薬剤師がいたから今の日本漢方があるのに、努力されて来た薬剤師の先輩達が何の評価もされてないように思えてとても残念です。
匿名から大谷佳子への返信 at 2014年09月09日 11:25 | 返信
明治鍼灸専門学校を昭和55年に卒業した時は男2名、女性1名は薬剤師がクラスにいた。
大阪鍼灸専門学校の研究科に行くと、もっと、多くの薬剤師が鍼灸の免許を取りにきていた。
谷町の赤あんど薬局とか、結構鍼灸の免許取って、日産玉川病院で代田文彦(のちの東洋医学会会頭)の指導で何年も研修していた。
北海道の、夕張診療所を立ち上げた、村上医師も、もとは薬剤師だった。
薬剤師で、富山医科薬科大に入学した人もいるらしい。
私の弟子入りした米山義先生は鍼灸師だったが、弟さんは「鍼灸師の免許だけでは、診断できない」と言って愛知医科大から、名古屋大学大学院に行った。
「匿名」も、薬剤師が注射をできるようにしたかったら、厚生省に、抗議したらどうかね。
私は、長尾先生のブログに、コメントしただけで、他人のコメントは全く読んでいないので、一切関知しない。
Posted by 大谷佳子 at 2014年09月11日 02:04 | 返信
私は現代医学が、東洋医学より上だと思っているわけではない。
ただ、機械的に対立の統一と言う弁証法的に考えただけで、陰(マイナス)陽(プラス)南北と言う風に、現代医学と東洋医学の両方が大事だと思っている。
しかも、医学(現代医学と東洋医学)を自然科学とすると、社会科学の立場から、本当に「患者の立場に立った科学かどうか」の検証が必要だと考える。
さらに、古典医学の中には、中世ヨーロッパに盛んに教会の神父さんや尼さん達が、ブランディやハーブを使って、薬を調剤していたことも、含まれると思う。それはキリスト教の宗教的な基盤があったから、古代中国のような漢方理論はで無くて、ただプラグマティックに利用したのだろうと考える。
これは私に素朴な考えであって、医学史を正式に習ったわけでは無いので、時間があれば勉強してみたい。
Posted by 大谷佳子 at 2014年09月12日 02:12 | 返信
漢方の進歩から取り残された手法を今更ながら懐古趣味で自慢するのはどうなんでしょう?
医学と対応できない古の方法で、今の人の求める医療が提供出来ると考えておられるなら、社会をナメてます
漢方が何をしたのかな?
漢方で解剖学は進歩した?生理学は?病理は?感染症は?公衆衛生は?
結局、医学としてほとんどの貢献できなかった“漢方“理論、診察手法の反省が足りないんじゃないかな?
すべてが病因まで辿れるものではないし、症候学も大事だけれど、客観的評価に堪えない秘術にそれほどの価値を認めようというのに無理がある
戦前の薬剤師?薬理学?
そんなので、現代に大きな顔でご活躍されたら迷惑です
この10数年でも治療薬マニュアルがどれだけ分厚くなったことか知らないのでしょうか?
昔話でグルグル回るだけの勉強で満足出来る人にしか、漢方はむかないんじゃないかな?
困ったものです
Posted by 漢方が何をしたのかな? at 2014年09月12日 04:42 | 返信
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