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泉南アスベスト訴訟・最高裁判決

2014年10月11日(土)

アスベスト公害といえば、尼崎のクボタが先駆けでありまだまだ係争中である。
今回、大阪の泉南アスベスト訴訟の最高裁判決が大きく報道された。→こちら
私は、これまでアスベスト中皮腫の方を看取ってきたが、本番はこれからだ。
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アスベスト健康被害には、

・職業病(労働災害)
・周辺住民への被害(公害)に分れる。

悪性胸膜中皮腫は、ほぼ10割、アスベストが原因だが、
肺癌は、喫煙者の場合、アスベストの関与がどれくらいか分りにくい。

最大の問題点は、アスベストを吸ってから40~50年後に健康被害が分ること。
病気は忘れたころにやってくるのが、アスベスト被害。

10歳の時に、アスベスト工場の横の公園で毎日遊んでいた子供が、
50歳になった時に、中皮腫を指摘されて大騒ぎになる。

認定患者となるためには、腫瘍の組織が必要で、それを採取する間も無く
旅立たれたかたがたの無念も知っている。

尼崎には、飯田さんという方が中心となって相談センターも開設されていて
徐々に社会啓発も進んでいる。

一番、申し上げたいのは、健康被害は今、始まったばかりであることだ。
これから20年間、アスベスト患者は増加の一途を辿ることが分っている。

そして今回、何十年前にアスベスト規制をしていなかった国の責任が言い渡された。
アスベスト事件は、また一歩前進したと言えるだろう。


ところで・・・

私の疑問は、アスベストがそうなら、タバコはどうなのか?
タバコの健康被害で毎年、何万人もの人が亡くなっている。

しかも因果関係は、とっくにエビデンスになっていて、
世界では180ケ国がFCTC(タバコ規制枠組み条約)に加盟しているというのに。

タバコとアスベストを比較したら、健康被害は比では無い。
日本の経済損失は、何千億円にも上ることがすでに分っている。

もし、長い喫煙履歴のある人が、国を訴えたら、100%敗訴するであとう。
なぜなら、健康被害が分っていながら、国は大っぴらに売っているのだから。

先週、某週刊誌で、香山リカ医師までもJTマネーに汚染されて、タバコ崇拝のような記事を
書いているのを見て驚くとともに、ガッカリした。タバコを「嗜好品」だと書いていたのだ。

九条の会で活躍しているのに、これでは台無しだ。

無知で書いているのか、確信犯なのか、JTマネーに汚染されているのかは
知らないが、東京医大の一先輩として、とても恥ずかしいことだと顔を覆った。

今日から兵庫医大で「タバコフリー学会」が開催されている。→こちら
当院の職員も、ボランテイアで学会運営を手伝っている。

こんな状況の中、複雑な想いで、最高裁判決や、リカ先生の記事を眺めていた。

以下、2本の記事を添付させて頂く。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

昨日のテレビと今朝の朝刊各紙は、最高裁が「アスベスト被害」で国に対し
初めて賠償責任を認める判断を下しました。89人の原告が約12億円の損害賠償を
求めた裁判ですが、これは画期的な判決と言えるでしょう。

 では、タバコはどうなのか、と問いたいのです。

 「タバコ病患者」は、肺がん、肺気腫(COPD)、喉頭がんなど、合わせると
何百万人にもなります。その中の重症患者だけでも何十万人にものぼります。
 とすると、その損害賠償額は、アメリカの例をみても、何兆円になるでしょうか。
 これまで、「東京裁判」(伊佐山芳郎弁護団長)、「横浜裁判」(片山律弁護団長)
「安井氏JT受動喫煙裁判 」(岡本光樹弁護団長)で、国とJTの賠償額は本来何億にも
のぼりますが、全ての裁判で、全ての裁判官が、国の責任、JTの責任を全く認めようとは
しておりません。
 今回の「アスベスト訴訟」と同じ構図で、タバコ病被害者が多数存在するのですから
最高裁は、「タバコ」について、これまでの判断を全て白紙に戻し、国とJTの責任を
認めるべきです。
 
 たばこ病訴訟を支える会 渡辺文学(禁煙ジャーナル編集長)

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

時事通信の配信記事
 
◎受動喫煙防止で超党派議連=東京五輪へ法制化目指す (10/10-18:20)
 
 自民、公明、みんななど与野党の有志議員が2020年の東京五輪・
パラリンピックに向けて、公共施設などでの禁煙や分煙を義務化する
「受動喫煙防止法」(仮称)の制定を目指す議員連盟を近く発足させる
ことが10日、分かった。みんなの党の松沢成文参院議員の呼び掛けに、
自民党の尾辻秀久元参院副議長ら約50人が参加を表明。11月にも
設立総会を開く。 

 受動喫煙の防止は、神奈川、兵庫両県で罰則付きの条例が制定されて
いるが、国レベルでは健康増進法で病院や劇場、飲食店などの施設管理者
に努力義務を課しているにすぎない。

 また、職場での禁煙は、民主党政権が事業所に全面禁煙か空間分煙を
義務付ける労働安全衛生法改正案を提出したものの、衆院解散により廃案。
関係業界などの反発もあり、自民、公明両党が今年6月に成立させた改正
法は努力規定に後退した。

 議連は新たな法案で公共性の高い施設には禁煙を義務付け、飲食店や
ホテル、パチンコ店なども禁煙または分煙とすることを検討する。義務を
果たさない施設管理者や禁止区域でたばこなどを吸った場合には、罰金を
科す方向だ。

 東京都の舛添要一知事も五輪開催を念頭に、公共施設や飲食店などを
禁煙にする条例の制定に意欲を示しており、議連は都との連携も模索する
とみられる。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

注)
我が国の受動喫煙対策は、アスベストと対比するならば、かなり緩い動きで
あることがおわかりになるかと思う。

このままでは、東京五輪で、世界に大恥を晒すことになるだろう。

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この記事へのコメント

工場に勤めていた頃、鉄骨工場には、不燃材として石綿が使われていました。
優秀建材として重宝され、ムキ出しであったように思います。
工場の周りの道路を歩いていた近所の人にも、何らかの影響があったのではないでしょうか。
日本で本格的に使われ始めて60年といわれ、解体現場からは、たいていアスベストの粉塵が上がります。

今年のノーベル物理学賞では、青色発光ダイエードで3人の日本人が選ばれ、今湧きに湧いています。
「20世紀は白熱灯の時代、21世紀はLEDの時代」ということが、受賞理由にあげられています。
水を差したくはないのですが、「青い光」は、電磁波と並んで、以前から健康被害が言われています。
短い波長のため、網膜障害、メラトニン分泌減少、自律神経疲労などが指摘され、昨年6月、日本で国際シンポジウムも開かれたそうですね。

スマートホンは持ってないのですが、電球、携帯電話、パソコン、テレビはあります。とくに夜間使用で、ドライアイや乱視などが急速に進んだように思います。
両掌を何度も強く差手して、両眼を温める毎日です。
ドイツでは、すでに照明器具の自動コントロールシステムが開発され、夜間は三分の一以下または暖色系に切り替えられるとの、報道があったように思います。

スマートホンを持ってないから言うわけではありませんが、みなさん、猫背でストレート首になり、骨盤も後傾、ベタ足になっていますね。
21世紀。いつまで生きられるか分かりませんが、「ブルーライト」で、体内時計まで、狂いませんように。老婆(爺)心ながら。

Posted by 鍵山いさお at 2014年10月11日 02:16 | 返信

鍵山氏のお話では、「青色発光ダイオード」もいろいろあるのですね。
でもアスベストのほうがやはり、怖いです。
何故世界中がアスベストの使用を止めているのに、日本だけ、国中にアスベストの使用を、許可したのでしょう。
特に、小学校などの文教施設や、下町の工場などに、多く使用されているは、ひどいです。
愛国心が無いのですね。

Posted by 大谷佳子 at 2014年10月12日 12:41 | 返信

先輩二人、そのうち1人は甥御さんがFacebook等で世界中に友人、何処でしたか留学も、バックパッカー的旅行が趣味と。
最近、その甥御さんを案内人に、欧州、台湾等々、甥御さんの友人宅にステイしたり、現地に部屋を借りたり
の旅行を。
列車や地下鉄、バスに乗ってあちらこちら回って、感想は?と聞きましたら、指を動かしながら「何処の国でも、スマホ触ってる、日本と全く同じ光景、びっくりよ。バスを聞いたらスマホ出して調べて教えてくれたけれど、、、。」と。
鍵山様のコメントを読み、生活が便利になるものは、その代償に、人間の身体には何かしら悪影響、動物としての能力が退化する部分も多いのかもと。
一度便利なもの、旨いもの、一時期気持ち良くなるものを知ると、悪影響が出てもなかなか止められない、捨てられない、依存するのが人間?

Posted by 小畑ふみこ at 2014年10月12日 11:01 | 返信

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