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消費税増税の0.5%,904億円が在宅医療支援へ分配

2014年11月10日(月)

消費税が3%アップしたが、その0.5%に相当する904億円が
全国の都道府県に在宅療養支援などの目的で分配される。
その使い道を、消費税の負担者である国民は注視すべきだ。
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医療改革の進捗状況を議論、日医代表も参加
 
2014年11月7日(金) 池田宏之(m3.com編集部) 
 
 社会保障制度改革の進捗状況の確認などを担う、政府の「社会保障制度改革
推進会議」(議長:清家篤・慶応義塾長)の第3回が11月6日に開かれた。委員
の中に医師資格を持ったメンバーはいなかったが、医療介護分野を議論するに
当たり、専門委員として日本医師会副会長の今村聡氏や国立長寿医療研究セン
ター名誉総長の大島伸一氏らが選ばれ、議論に参加した。この日は、厚労省が、
医療・介護分野の改革の進捗状況を説明し、国費904億円を使って設置された
新基金の効果の説明を求めて行くことや、データに基づく医療費水準の在り方
を検討する方針で一致した。
 
日医、消費税引き上げ求める
 
 改革の進捗状況を説明したのは、厚労省医政局長の二川一男氏。医療につい
ては、医療介護総合確保推進法の成立を踏まえ、2014年度に新設された「地域
医療介護総合確保基金」(新基金)に国費904億円が充てられることや、病床
機能報告制度の開始、地域医療構想(ビジョン)の考え方などについて、現在
の取り組み状況を報告した。東京大学名誉教授の神野直彦氏は、厚労省の報告
について「医療と介護が有機的に関連づけられている。着実に改革をやってい
て、感謝したい」と述べた。
 
 委員の意見が集中した1点目は、新基金。一橋大学大学院経済学研究科特任
教授の田近栄治氏は、904億円が消費税の0.5%分に当たることを踏まえて、「(単
純計算で都道府県に)20億円ずつ流れる。アウトカムが何かを示さないといけ
ない」と述べ、国費投入の効果を明示するように求めた。三菱総合研究所政策・
経済研究センター主席研究員の武田洋子氏も同調し、「基金の効果検証のプロ
セスは欠かせない」と指摘。大島氏は、地方の抱える事情について、「違いす
ぎる」と述べ、一律的な政策でコントロールすることの難しさを踏まえ、医療
などの提供体制構築に努力をしている自治体に、資金が多く流れる仕組みを確
立するように求めた。
 
 二川氏は、11月中には正式に交付することや、基金が地域医療構想の実現や
在宅医療の充実に向けた事業を選定対象としていることを説明した上で、「20
14年度は医療のみだが、2015年度には介護も対象になる」として、財政措置の
規模が拡大する見通しを示した。効果の明示化を求める声が相次ぐ中、今村氏
は「2014年度の申請は時間の都合で、ざっくりしたものになっている。基金の
効果は一定の時間が経過しないと分からない」と述べ、性急な評価にならない
ように釘を刺した。
 
 消費税率の引き上げについての意見も出た。今村氏は社会保障制度会改革の
財源の確保の視点から、10%を予定通り引き上げるように求めた。慶応義塾大
学商学部教授の権丈善一氏は、財政のプライマリーバランス確保に向けて10%
への引き上げの重要性を強調した上で、「多数決で負けることをしないといけ
ない」と述べ、国民の理解を得ることの難しさを吐露する場面もあった。
 
政府の社会保障制度改革推進会議は、医療分野の改革の進捗状況の確認と、今
後の方向性について議論を始めた。
 
データに基づいた医療費水準検討へ
 
 前身の社会保障制度改革国民会議から、引き続き焦点となっているのは、デー
タの活用。同会議では「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門
調査会」が動いていて、医療におけるデータ活用方法を検討している。慶応義
塾大学経済学部教授の土居丈朗氏は、地域医療構想の作り方として、「地域差
はあるのか。あれば要因を見て改革につなげてほしい」と指摘し、データ活用
に期待を寄せた。清家座長は、「データに基づいて、医療費水準の在り方を検
討するのが重要」とまとめて、終了後の会見でも、専門調査会の検討内容をフ
ォローしながら、議論を進める考えを示した。
 
 都道府県の役割への期待も、複数の委員が言及。今回の改革の中で、都道府
県は、地域医療構想の策定主体となり、新基金の交付も都道府県単位となる。
さらに、財政基盤の安定化に向けて、国民健康保険の運営主体も、市町村から
移行する流れとなっている。東京大学公共政策大学院客員教授の増田寛也氏は、
「都道府県の役割が重要になるので、ぬかりなくやってほしい」と要望を出し
た。意欲を見せたのは、奈良県知事の荒井正吾氏。荒井氏は、地方を政策実施
の場との考えを示した上で、「ベストプラクティスを国が示すのが大事」と述
べ、先進的な事例を取り入れていく考えを示した。
 
医療分野の専門委員として、日医の今村聡副会長(手前)や、奈良県知事の荒
井正吾氏(奥)が入った。
 
国民の医療への理解「低い」
 
 医師以外の医療職種の代表も発言。日本薬剤師会会長の山本信夫氏は、在宅
医療において、「医療専門職の協業が進みにくい」と指摘した上で、在宅医療
において、薬剤師の活躍の場を広げるように求めた。日本看護協会会長の坂本
すが氏は、看護師について、8割が病院や診療所での勤務になっていることか
ら、地域包括ケアシステムでの看護師の役割や多職種協働の考え方などを、看
護師の基礎教育に導入するように求めた。
 
 今村氏は、日本国民の医療の質の高さについての理解の低さにも言及。経済
協力開発機構(OECD)においても、日本の医療の質の高さが評価されているが
「30年にわたって、国民による健康度の自己評価が低い。国民には、どのよう
な医療を受けているのか理解してもらわないといけない」として、出席者にも
日本の医療の良さの理解向上への協力を求めた。
 

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