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人生旅の荷物は夢ひとつ

2014年12月28日(日)

産経新聞に毎週土曜日の連載を頂戴して、はや5年が経過した。
平成26年最後の連載記事は、黒田裕子さんとの想い出を書いた。→こちら
彼女の座右の銘は「人生旅の荷物は夢ひとつ」だと、先週知ったばかり。
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産経新聞・生と死シリーズ第二回  ありがとう、黒田裕子さん
                       「人生旅の荷物は夢ひとつ」
 
 去る9月24日看護師の黒田裕子さんが旅立たれました。12月21日には神戸で偲ぶ会が催され全国から多くの人が集まりました。沢山のメデイアで大きく報道されたので彼女のエピソードをよくご存知の方も多いでしょう。私は黒田さんと10年前に知り合い、主に日本ホスピス在宅ケア研究会の仕事を一緒にやってきました。というか黒田さんから命じられるままに動いてきました。現在の生と死に関する様々な活動は黒田さんの影響を強く受けています。

 20年前の阪神淡路大震災の時、黒田さんは宝塚市民病院の副総婦長でした。しかし避難所支援に外に飛び出したまま病院には帰らず退職されたそうです。彼女は「看護のトップの候補者はいくらでもいる。でも仮設住宅で困っている人を助けることが私にとって一番大切なこと」と言った。神戸市の西神第7仮設住宅ができるとその一角にテントを張り入居者が引きこもらないように見回りをしました。「孤独死を出したくない」という強い信念は、たくさんの被災者に勇気と希望を与えました。その後も国内外で大きな災害がある度にいち早く現地に入り支援活動を開始するなど、災害看護という領域の先駆者でもありました。彼女はNPO法人「阪神高齢者・障害者支援ネットワーク」の理事長として陣頭指揮を取りました。講演料を全て活動資金にしてボランテイアを貫きました。実は私自身も震災が人生の転機になったので、黒田さんと会えばいつも震災の話ばかりしていました。

 そして2011年3月11日にあの東北の震災が起きました。翌日には被災地に入られていた。その後気仙沼の面瀬仮設住宅での支援を今日まで続けられました。2011年の大晦日に電話がありました。「長尾先生、明日来てちょうだい。みんな困ってんのよ」。私は元旦の飛行機に飛び乗りレンタカーで面瀬中学に到着すると集会所ではボランテイアの学生たちも一緒に寝泊まりしていました。深夜までみんなで日本の将来について語り合いました。翌日、学生たちを風呂に連れて行こうとすると黒田さんに怒られました。「ボランテイアは風呂なんて入ったらあかんのよ!」。私は「正月なんやし、風呂ぐらいええやんか」と説得して学生たちを久々の風呂に入れました。黒田さんも渋々ついて来てくれましたが、それくらいボランテイアには厳しい指導をされていました。一方、被災者には優しく笑顔を絶やしませんでした。被災された一般家庭にも同行しましたが特に独居の高齢者は抱きしめて回っていました。1月3日には仮設住宅で講演をしました。拙書「平穏死・10の条件」はこうした被災地のお正月から物語が始まります。今年、8月9日に黒田さんと深夜まで飲んで話したのが最後でした。まさかその1ケ月半後にこの世から旅立つなんて思いもしなかった。そんな黒田さんの大好きな言葉は「人生旅の荷物は夢ひとつ」だと後に知りました。今、この言葉を静かに噛みしめています。ありがとう、黒ちゃん、と。

 今週、2冊の本が出ました。「その症状、もしかして薬のせい?」と「家族よ、ボケと闘うな!」です。よろしければお正月に読んでください。印税はすべて福島県相馬市の震災孤児の教育基金に寄付しています。では、よい年をお迎えください。
 
キーワード   NPO法人「阪神高齢者・障害者支援ネットワーク」
震災当日から長田区で高齢者や障害者の緊急避難所支援活動を開始し6月からは西神第7仮設住宅に拠点を置き支援活動を24時間体制で続けた。現在も地域福祉のためのさまざまな活動を行っている。

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この記事へのコメント

やっぱり
だいすきな ドクター や ナース 介護対象の 高齢障害者
いろいろ こまった こと 「全国で こちらが 把握している人で3人」
法律の矛準で 利用 不可能に なって しまい
「自立法」「介護保険法」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
なお あべさんが あくほう で 殺してくれます

Posted by at 2014年12月29日 08:19 | 返信

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