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週刊誌の医学記事は株の予想のようなもの?

2015年04月02日(木)

週刊誌には、いつも医学記事が溢れている。
関心が高いからだろう。
私も時々取材を受けるが、「私なんかでいいの?」と思いながら話している。
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「血圧を下げると、早死にするから降圧剤は飲まない!」という40歳代の患者が来た。
血圧が180以上あるのに、「放置でいい」、と言い張る。

よく聴くと、週刊誌にそのような記事があったから、と言われた。
私は「週刊誌の記事は玉石混合ですからねえ」と、暗に否定した。

その患者さんは、EPA製剤を飲んでいるのだが、これまた
「週刊誌には、中性脂肪を下げると血圧が上がると書いていた」とこれまた言い張る。

笑いながら、「そんなことないやろ。何かの間違いやろ」と言うと、
その患者さんは、「そうやな。週刊誌の記事はいい加減やもんな」と譲歩し始めた。

話していると、「週刊誌の医学記事は、株の予想みたいなもんや。
専門家がいくら予想しても外れる時は外れるし、文句を言う奴はおらん」とも言われた。

ごもっとも!
と感心していると、こうも言われた。

「がん放置なんか、仕手株や。大当たりする奴もいるし、大損する奴もいる」

至言を思わずメモってしまった。
それにしても上手く言う患者さんだ。

要は週刊誌の記事は、ひとつの「極」なのだろう。
必要悪と言い換えてもいいかもしれない。

常識があれば、非常識もある。
しかし時代が変われば、両者が逆転することはいくらでもある。

要はいろんな情報を得て自分なりに咀嚼、分析する態度が必要な時代。
医学が進歩していろんな選択肢ができることは、いろんな”常識が造られる”時代でもある。

医学部教授が、製薬会社に買収されているのは事実だ。
私は数限りなく、そうした現場を見てきたので、言い訳は虚しく感じる。

私は、できるだけ多くの週刊誌やタブロイド紙を読むようにしている。
そこには、もうひとつの「極」が存在するからだ。

与党の自民党には、共産党という真逆の「極」が必要だろう。
もし共産党が無ければ、自民党も暴走するだろし、困るだろう。

医学界を見渡せば、、がん医療界では慶応大学の近藤誠氏も「極」なのか。
標準治療に苦しめられた患者さんたちのカリスマとなっている。

認知症医療界では、では、コウノメソッドが「極」だ。
製薬会社に魂を売った教授たちが、今日も全国で洗脳セミナーをやっている。

病院医療に対しては、在宅医療が「極」となっている。
相反する部分があるのは、必然であり永遠に平行線かもしれない。

医療に対しては、介護が「極」となる。
つどい場さくらちゃんは、医療界の監視役にもなっている。

こう考えると、週刊誌レベルの情報も、無視できない。
そこに大きな真理が眠っている可能性がある。

仕手株のように大化けする”情報の芽”があるかもしれない。

情報を楽しむ余裕や柔軟さが求められる。

・集団的自衛権の行使
・ISや中韓への対応
・沖縄基地問題
・原発推進政策
・医療介護制度改革
・がん対策基本法や新・オレンジプラン

私は、たとえばこれらの諸問題は、すべて間違った方向を向いていると思う。
いや、そう確信しているのでこのブログでも時々、発信しているだけ。

医者のくせに政治に口出しして、と非難する人がいるがそれは完全に間違っている。
医療は完全に政治の上に乗っているし、そもそも政治は市民が造るものなのだ。


ちなみに私の好きな言葉は、”一切智の夢”
南方熊楠の座右の銘である。











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※本ブログは転載・引用を固くお断りいたします。

この記事へのコメント

確かに、長尾先生のブログなのですから、長尾先生の思った事をお書きになって良いのです。
それを拝読させて頂いて、思った事を書いて良いのかと思っていました。
長尾先生に賛同する意見や長尾先生を称賛する意見だけしか書いてはいけないのでしょうか?
長尾先生は「ブログに対してコメントをもらうことが励みだ」とかご著作を読んだ「p読者からの感想だけが励みになる」と、仰っています。
身近に、長尾先生を励ます人達がいないのかしらと心配します。
私は自民党や安倍さんの支持者ではありませんが、唐突に「古賀氏がこう言った」とか言われてもそんなに古賀氏について存じているわけではありません。
大学時代から「命を懸けてやり遂げる!」と叫んでバリケードを組んだ人達が、9月10月になるとバリケードから出てこっそり試験を受けて卒業したのを見ていますから、何か言ったからと言って信じる若さも、持ち合わせていないのです。
でも、長尾先生のブログに、批判的なことを申し上げている私も長尾先生に甘えていたのかも知れません。
今後は自重いたします。

Posted by 大谷佳子 at 2015年04月02日 11:28 | 返信

 「経営者は孤独なものです。」と以前、その立場にある方の呟きを聞いた事があります。分かるような気がしました。
 社会的な立場を問わずとも、元来、人間は孤独。親兄弟が居て、伴侶があり、友人、仲間があったとしても深いところの本質は "孤独"だと思います。一人で生まれて、独りで死ぬのですし、考え方やポリシーが似ているような気がしても、紙一重の違いは必ずあります。
 書くという行為により、発散できる実感は同感です。けれど、言葉を尽くしても受け止め方は千差万別。
受け手のキャパシティの違いによって、違う方向へ進む懼れもあります。また、巨大化したトップブロガーの難しさも、おありでしょうと時に思います。私は、これまでどうりの長尾'Sブログでいいと思います。
 但し、書き込みの質もブログの質を問われてしまうので、自戒の気持ちも持ち合わせていきたいとも思っています。

Posted by もも at 2015年04月04日 01:26 | 返信

長尾先生、今日はとてもうれしい事がありました。
尾籠な話で恐縮なのですけど、母が正常圧水頭症で、尿漏れがありまして、入浴介助ヘルパーさんに、今は寒いので清拭を、お願いしていました。
そのへるぱーさんが、お尻に、小さいできものがある事を,指摘してくれて、市販のクロロマイセチンや内科で貰った軟膏を付けていたのですけど、どうしても飲み薬が飲み足りなくて、ヘルパーさんに「今日は、いつもより大きくなっていますから、産婦人科に行って切って消毒してもらって下さい」と言われたので、昨日の金曜日、雨の降る中を、母を連れて産婦人科に行ってオペレーションの後、念入りに消毒してもらいました。
「家でも、一日に2~3回は軟膏を刷り込んで下さい」とお医者さんが仰ったので、今日はどうかなと見てみたら、すっかり治っているのです。うれしかったので、ヘルパーステーションにも電話してヘルパーさんにお礼を言いました。事務長も喜んでくれました。
お医者さんが「とりあえず女性ホルモンと膀胱をコントロールする薬を飲んで見たら尿漏れが止まることが多いので、子宮癌検査もしますから、検査結果を聞きに来てね」と仰いました。
ほんとうに入浴介助ヘルパーさんに、感謝しています。彼女を紹介してくれた社協のケアマネジャーにも深く感謝しています。

Posted by にゃんにゃn at 2015年04月04日 10:50 | 返信

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