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病院と反対をするほど元気になる人
2015年04月15日(水)
最近の高齢者医療はいったいどうなっているのだろう、と悩むことが増えた。
老年医学を学ばないまま医者になり、偉くなり、そしてボケて死んでいく。
なんでも病院で言われた事と反対にすれば、元気になる人が続出している。
老年医学を学ばないまま医者になり、偉くなり、そしてボケて死んでいく。
なんでも病院で言われた事と反対にすれば、元気になる人が続出している。
Aさん、80歳代の女性は、
パーキンソン病に肺炎を合併して、大病院を受診したら入院となった。
誤嚥性肺炎と診断されて、ただちに絶食と点滴が始まった。
1ケ月目には寝たきりになり、胃ろうが作成された。
退院時カンファに伺うと、入院前と別人のように表情が無くなり、
言葉も話せず、ただ寝ているだけの人になっていた。
主治医は、死ぬまで食べられない、歩けない、と説明した。
「よくもまあ、そんなこと言うな」と思いながら、聞いていた。
以上は、よくある話。
そして当たり前の経過。
これだけの話の中に、いくつもの間違いがある。
1)1ケ月も入院すれば、ボケて寝た切りになるのは当たり前。
2)胃ろうがあっても、経口摂取を簡単に諦めてはいけない
3)入院前に歩いていた人の多くは、リハビリで歩けるように回復する場合が多い。
・絶対に食べたらダメ! →絶対に、食べないとダメ!
・一生食べられない → 一生、食べることを諦めたらダメ!
・歩けない → 訪問リハビリをすれば、退院1週間後に再び歩けるようになった!
つまり、病院の指示と反対のことをすれば良くなった、と言われるのだ。
同じ医療人として、本当に恥ずかしい思う。
そんな研修医を、クリニックの在宅実習で教えてはいるのだが、
病院という土壌に帰ると在宅研修などすべて忘れてしまうのだ。
すなわち、たった1週間くらいの在宅実習ではほとんど学べないのだ。
本来ならば医学部1年生から、死の授業や老年医学を学ぶ必要がある。
それにしても、ヘンな時代になったものだ。
何でも反対、のKO大学の近藤誠本がよく売れるはずだ。
パーキンソン病に肺炎を合併して、大病院を受診したら入院となった。
誤嚥性肺炎と診断されて、ただちに絶食と点滴が始まった。
1ケ月目には寝たきりになり、胃ろうが作成された。
退院時カンファに伺うと、入院前と別人のように表情が無くなり、
言葉も話せず、ただ寝ているだけの人になっていた。
主治医は、死ぬまで食べられない、歩けない、と説明した。
「よくもまあ、そんなこと言うな」と思いながら、聞いていた。
以上は、よくある話。
そして当たり前の経過。
これだけの話の中に、いくつもの間違いがある。
1)1ケ月も入院すれば、ボケて寝た切りになるのは当たり前。
2)胃ろうがあっても、経口摂取を簡単に諦めてはいけない
3)入院前に歩いていた人の多くは、リハビリで歩けるように回復する場合が多い。
・絶対に食べたらダメ! →絶対に、食べないとダメ!
・一生食べられない → 一生、食べることを諦めたらダメ!
・歩けない → 訪問リハビリをすれば、退院1週間後に再び歩けるようになった!
つまり、病院の指示と反対のことをすれば良くなった、と言われるのだ。
同じ医療人として、本当に恥ずかしい思う。
そんな研修医を、クリニックの在宅実習で教えてはいるのだが、
病院という土壌に帰ると在宅研修などすべて忘れてしまうのだ。
すなわち、たった1週間くらいの在宅実習ではほとんど学べないのだ。
本来ならば医学部1年生から、死の授業や老年医学を学ぶ必要がある。
それにしても、ヘンな時代になったものだ。
何でも反対、のKO大学の近藤誠本がよく売れるはずだ。
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この記事へのコメント
介護者や、家族は、あきらめたらアカン!あきらめた時にどんな方法も閉ざされてしまいます。
なんとか食べさせたい。なんとか歩かせたい!なんか方法があるはずや!と私も父の看取りの最期まで
あきらめなかった。おかげでドクターに嫌われた。でも、父は亡くなる前の晩まで食べたし、トイレにも夜以外は介護用のポータブルトイレを使わなかった。もちろん家族はしんどい事もあります。けれども、私があきらめたら終わり!とそれだけは頑張り通しました。
Posted by かわさき at 2015年04月15日 03:47 | 返信
そうだ!そう思う! 見出しに賛同します。
人に従うつもりでいるから辛いのです。他者に依存してはダメです。
参考程度に聞いておきます...位の心積りでいるのがよいのです。患者vs医者との関係に限った話ではないと思います。五木寛之著「孤独の力」にも書いてありました。大切な友人関係であってもタマな関係がいいみたい..。例えでの表現ですが「全幅の信頼を寄せて」という時代では無くなったのだと思います。
時に思うのですが、「大抵の医師が上から目線」というセリフ、「目線」というよりは「別世界」という意識があるのでは?「我々一般人とは別世界に住む名医様」と敬意を表さなければ気が済まないみたいな、そんな医師は確かに現存します。
けれども、ごく、ごく少数かも知れませんが、神様的、崇拝されて当然の御人格を持ち合わせておられる医師がいらっしゃることも事実です。
介護や医療に限った話ではないように思います。自分で学び、賢く強くなり、揺るぎない自分を確立し、判断する必要性がある時代の到来なのだなァと思う昨今です。
Posted by もも at 2015年04月15日 10:08 | 返信
アルツハイマー初期の老父が一般病棟に命に別状はない疾患で大病院に入院しました。
噂にきく一日中の付き添い要請、身体拘束、治療不可能のための退院勧告も経験しました。
素朴な疑問。
認知症は誰もがかかる可能性のあるもはや国民的な「病気」であるのに、
どうしてこんなにも厄介者、汚いモノ扱いされないといけないのか。
「病気」として、「人」としての尊厳を大切にしてもらえないのか。
医師はもしも、自分の親だったら、という想像力は働かないのか。
医療の現場、とくに医師の方々はもっと勉強してほしいと痛切に感じました。
モニタばかり見ていないで。
看護師さんたちにはよくしていただきましたが、認知症の老人に対する声かけや対応に大きな個人差があり、ノウハウを蓄積、共有してもらいたいと思いました。
医療の現場がこの大認知症時代にこんなにも遅れをとっているとは、驚きでした。
実際のところ、一般病棟での認知症患者への対応は進んでいくのでしょうか?
付き添い中に「家族よ、ボケと」と出会い、拝読し大変勇気づけられました。
ありがとうございました。
Posted by 介護ビギナー at 2015年04月15日 11:08 | 返信
同感です
在宅療養していた利用者さまが 急変して 搬送しました
時々 様子を見に行っていました
日に日に 動けなくなり 褥創悪化してしまいました
「おうちに帰りたい」というご本人とご家族の希望を在宅医の先生に訴え 1ヶ月の
入院生活を経て おうちに帰ってきます
病院は 何をやってくれたんだ!と怒れてきちゃいます
昨日 以前 勤めていたDrから相談を受けました
お身内に何ども 誤嚥性肺炎を繰り返し 入退院を繰り返している方がいるそうです
胃瘻 CVを考えているようで そうなった時 家族がみれないときは 施設しかないよね
ずーっと 昔は 胃瘻もCVもなく 自然に亡くなってたんだよね…と言われました
長尾先生の平穏死と 胃瘻をしない選択 の2冊の本をお渡ししました
すると 「また 悩んじゃうじゃん」と言われました
大事なことなんです
ぜひ悩んでください ほんとに 良い選択をしてください
最先端医療の現場から在宅に飛び込んで 看護観が変わりました
Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2015年04月16日 08:21 | 返信
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