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15歳の背中・2015

2015年04月22日(水)

4月というと学校は新学期だ。
会社は新年度で新入社員が入って来る。
夜間高校の校医になって15年くらい経つかな。
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今日は(今日もかな)、嵐の忙しさだった。
1日に東京と大阪を5往復しているような日々が続く。

深夜早朝もひっきりなしで電話がかかり、人が亡くなる。
朝も夜も時間外も外来も沢山の患者さんの対応に追われる。

100人を超えた職員、新入職員の教育には気を抜けない。
そして毎日、全国からさまざまなお客さんがみえられる。

その中で、日々のクレーム処理は辛い。
24時間、あまり寝れないまま、雑用に走り回っている。

今日は、産業医業務が2つあった。
新年度らしい挨拶と抱負を述べた。

夜の診察を終えて、車を飛ばす。
夜間高校の健康診断が待っている。

いろんな事情があってこの学校に来た15歳。
灘高と真逆だが、無限の可能性を秘めている。

毎春、15歳の背中を眺めながらいろんなことを考える。
実に個性豊かで、この健診だけで1本の映画ができるほど考えさされる。

まずは15歳は、とても騒がしい。
ここは動物園か?と思うくらいはしゃぐ。

やたら大人びた15歳が多い。
30歳ぐらいに見える15歳も沢山いる。

肥満が多い。
相撲部屋ではないが、100Kg超え、150kg超えもいる。

15歳でも、もう立派なメタボ。
AKBみないな可愛い15歳女子が「もうあかん、腹の肉が!」と嘆いた。

「なにゆうてんねん。まだ15歳やんか。あんた何歳からメタボなん?」

「8歳からはメタボ!」

たしかに当たっているのだ。
15歳では、メタボはもう完全に出来上がっている。間違いない。

国は呑気にも40歳からメタボ検診をやっているが、もう完全に終わっている。
まだ続ける気ならば、早期に「認知症予防検診」くらいに名前を変えないと。

いまどきの15歳のファッションは、実に多様で奇抜でアナーキー。
お尻が半分出ている(出している)子が多いが、ピークは過ぎたよう。

驚くくらい大きな瞳には、綺麗な放射状の線が光っている。
大人気のカラーコンタクトは、5日分で2000円と教えられる。

1日2~3箱のタバコを止められない可愛い15歳の女の子たち。
酷いアトピーも多くて、正常な皮膚の15歳はほとんどいない。

外国人やハーフとおぼしき子には、恐る恐る日本語で話してみた。
また夜間高校には妊婦も珍しくなく、年に何人か出産している。

子供たちが子供たちを産み育てている世界。
頑張れ、お国に貢献しているぞ!

何もかも桁違いの15歳たちに圧倒されながら、粛々と健診業務をこなす。

この子たちは、それぞれに大きな不安を抱きながらも、毎日、必死で生きている。
15歳はもう完全に大人と言っていいのだが、子供といえばまだ子供。

この子たちに、56歳のオッサンに、何ができるのだろう?
自分が15歳だった時の社会状況と比べると、相当に違う。

なんだか申し訳ないような悲しい気持ちにもなる。
オッサンは、この子供たちのために頑張らないと。

良く見るとどのどの子供たちも、芸能人の○○さんにソックリだ。
それくらい個性が豊かで、驚くくらいの多様性があるのだろう。

56歳のオッサンの人生の可能性が、10%ならば
15歳の彼らの可能性は、120%で、宝の山だらけ。

帰りがけに、恒例の「健康の授業」を依頼された。
10年ぐらい前から、ボランテイアで年に何度か講演をやっている。

いくつかの大学で教えているが、高校でも教えている。
5月は、恒例のタバコと覚せい剤の授業のリクエスト。


健診終了後、新規の在宅患者宅で神経難病のミニレクチャー。
そのあとも患者さんを叩き起こしながら、深夜まで在宅回診。


気がついたら4月もはや後半戦。
今週末は盛岡の日本在宅医学会で2~3つ講演するが、準備はまだゼロ。


PS)
世の中は、まさに欲望の渦。
渦に振り回される我が人生。

人に謝ってばかりの気弱な毎日。
南の島で自由な時間に眠りたい。








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この記事へのコメント

長尾先生、まるでご自分のお子様か、恋人に会いにいらっしゃるみたいにウキウキしていますね(笑)。

Posted by にゃんにゃん at 2015年04月22日 12:17 | 返信

 "15歳の背中"楽しみな気持ち分かります。
 結果としてワーキングマザーであった私が、情緒的な満足感を得た部分として、我が子と同じ年齢の若者と共に仕事をする事ができた点があります。おそらく、家と外とでは違う一面を持つであろう年頃の、その外の部分を垣間見ることができ、ましてや優しく親切に接して頂いたことは、とても良い思い出になりました。
 我武者羅に、懸命に人生を過ごしてきて、ふと「人生の半分は過ぎたナ」と柄にもなく振り返ることがあるようになった時に、ひたすらに強い自分であったのに、若者に優しい面差しを向ける事ができるようになり、若者に自分の何かを投射したり、子育てを反省したり、そして二度とは同じ年齢を歩む事はできない寂しさと共に、若者の前途に希望を託すのだと思います。
 長尾先生と同じ年代の私です、共感しました。

Posted by もも at 2015年04月22日 11:06 | 返信

母子家庭の我が家は、子供4人すべて夜間高校(子供たちは「定時制普通科と工業科」…今は公立もいろんな種類の高校ができてますよ~)卒業で、あと最後の末娘が3年在学で、来年晴れて卒業(通信制も併用なので3年卒業)と共に、私の子育ても一段落つきます。がん再発も待ってくれてるようですが(笑)これで晴れて再発も怖くない?!です。
皆、子供たちは自活できるのを見届けられそうなので\(~o~)/長尾先生、夜間高校生を見守り、励まし続けてくださり、本当にありがとうございます!

Posted by あい at 2015年04月23日 12:11 | 返信

長尾先生は、始めは、夜間高校の生徒達に、無視されていたのに、15年間通って覚せい剤の危険や保健衛生一般について教えているうちに、生徒達もやっと心を開いてくれるようになったのでしょう。
長尾先生も、かわいくてしょうがないのでしょう。

Posted by にゃんにゃん at 2015年04月24日 11:45 | 返信

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