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在宅医不在のALSの意思決定プロセス
2015年05月02日(土)
ALSなどの神経難病の患者さんを沢山診ているが、胃ろう造設、気管切開、
そして人工呼吸器装着までの意思決定プロセズには、膨大な時間を費やしている。
何度も何度も、こうすれば・・、ああすれば・・・と、仮定の説明をしている。
そして人工呼吸器装着までの意思決定プロセズには、膨大な時間を費やしている。
何度も何度も、こうすれば・・、ああすれば・・・と、仮定の説明をしている。
今週、2人の神経難病患者さんの呼吸器装着の意思決定に
かなりの時間を費やした。
ポイントは2点につきる。
1)どんなものか、やってみないとよく分らない
2)やってみて良くなかっても、外すことができない
私の場合
1)については、演技や動画を使い説明する
2)については、お手上げがだ「私はあなたの意思を尊重する」と言い聞かせている。
「いやだ、いやだ」と強く強く拒否していた患者さんを説得して呼吸器を装着すると
「なんだこんな程度か。。悩むことなど必要無かった」という声を何度か聞いてきた。
日本のALSへの呼吸器の装着率は3割程度なのが残念。
私はALSへの呼吸器は、車いすや松葉杖と同じだと思うので、できるだけ多くの人に
与えられた生を満喫して欲しい。
だから呼吸器を装着している患者さんと花見をしたり、宴会を楽しんできた。
呼吸器をつけていてもまったく普通に生活を楽しめることは知られていない。
しかし、神経内科専門医は実に冷たい。
「この患者さんは呼吸器希望せず。DNRです」で終わり。
何度、説得しても「患者さんの意思ですから」で押し切られる。
あまりにもドライな神経内科専門医。
意思決定プロセズには、私たちのような在宅スタッフも入れて欲しいのだが、
病院の専門医が、自分たちだけで勝手に決めてその後は取りあってくれない。
・がん患者不在のキャンサーボード
・在宅医不在の神経難病の意思決定プロセズ
どうしてこんなに上から目線の医療ができるのか不思議でならない。
どうしてこんなに冷たい専門医に偉そうに言われるのか分からない。
先週の日本在宅医学会では、ALSのセッションが多かった。
これは学会の本部が、順天堂大学の神経内科学教室にあるからだ。
ALSの意思決定プロセズに関するシンポジウムで質問をした。
「どうして神経内科専門医は、こんなにも冷たいのか?」
もちろん答えは返ってこない。
大切な課題には真剣に向き合わない、お友達内閣ならぬ、お友達学会。
そんな程度の学会に何の意味があるのか?と真剣に思った。
そんな時間があったら、ほかに楽しいことをしたほうが意味がある。
GWだが、連日の看取りが続いている。
毎日、深夜往診もあり、かなり忙しい。
さっきまで、ご家族と気管切開について話合っていた。
きっと神経内科専門医の何倍もの時間を、意思決定に費やしていると思う。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
荻野美恵子先生による
ALSの意思決定プロセスの講義
神経内科医へのアンケート調査では、
多くの専門医は、ALSの経験数は1年間に3例以下
終末期の経験については86%の専門医は1例以下と答えている。
ALSの予後予測は難しい
・経験数が少ない
・個人差がある
呼吸筋麻痺にはオピオイドが健康保険で使える(2011年~)
・塩酸モルヒネと硫酸モルヒネだけ
・がんと違って少量で効果がある
ALSに必要な緩和ケア
緩和ケアの適応拡大を!
オピオイドを使ったことがあると答えた神経内科医の
64%は5例以下と症例数が少ない
神経難病緩和ケア研修会も開かれているが、
安易にモルヒネに頼るのも良くないと言われている。
しかしモルヒネを使っても呼吸器を使ってもいい。
抗うつ薬やメジャートランキライザーでも使える
モルヒネは死ぬための薬ではないことを説明する
上手に使えば、延命になり得る
かなり少ない量でも効く
塩酸モルヒネ散2.5mgから開始。
CO2=60以上なら1.25mgでもいい。
呼吸苦が緩和されるまで1回量を2.5mgずつ増量して
至適量を決定する。
おおまかに言えば、がんのモルヒネの半分程度で効く
ALSでの人工呼吸器装着は3割(欧米は数%)
新規装着者は2割程度
装着の意思決定支援は極めて難しい。
充分な社会的説明も必要。
延命治療と緩和治療の境界線は不明確
ALSに延命治療という言葉を使うことは誘導にならないか
TLS(Total locked in state)になるのは1割程度
生きるか逝くかの選択は、究極の選択
救急車を呼ぶのか呼ばないかを決めておく
「呼吸器を外す」ことについて
呼吸器を外して!と頼まれた経験があると
6割の専門医が答えている。
外すことに賛成の医師もいるが、意見は分れている。
アメリカでは36%の医師が賛成しているという。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
リビングウイル(LW)を持つ、ALS患者さんはたくさんおられる。
呼吸器を装着した人たちの心の拠り所なのだろう。
ALSの方のためにこそLWに法的担保が必要だと思うのだが、
肝腎のALS協会がそれに反対している、という現実は不可解だ。
朝日新聞は、こうした不都合な現実は絶対に報じない。
大手メデイアも報じない。
なぜ報じないのか。
それは古賀さんが番組を降ろされたのと同様、
日本の大手マスコミが既に死んでいるからだ。
大手メデイアが、権力や権威に屈して偏向報道を繰り返すなか、
タブロイド紙が、真実を報道するという不思議な国になっている。
多くの人は北朝鮮メデイアを笑うが、日本はそれ以下であることに
ほとんどの人が気がついていないという、実におめでたい国に居る。
かなりの時間を費やした。
ポイントは2点につきる。
1)どんなものか、やってみないとよく分らない
2)やってみて良くなかっても、外すことができない
私の場合
1)については、演技や動画を使い説明する
2)については、お手上げがだ「私はあなたの意思を尊重する」と言い聞かせている。
「いやだ、いやだ」と強く強く拒否していた患者さんを説得して呼吸器を装着すると
「なんだこんな程度か。。悩むことなど必要無かった」という声を何度か聞いてきた。
日本のALSへの呼吸器の装着率は3割程度なのが残念。
私はALSへの呼吸器は、車いすや松葉杖と同じだと思うので、できるだけ多くの人に
与えられた生を満喫して欲しい。
だから呼吸器を装着している患者さんと花見をしたり、宴会を楽しんできた。
呼吸器をつけていてもまったく普通に生活を楽しめることは知られていない。
しかし、神経内科専門医は実に冷たい。
「この患者さんは呼吸器希望せず。DNRです」で終わり。
何度、説得しても「患者さんの意思ですから」で押し切られる。
あまりにもドライな神経内科専門医。
意思決定プロセズには、私たちのような在宅スタッフも入れて欲しいのだが、
病院の専門医が、自分たちだけで勝手に決めてその後は取りあってくれない。
・がん患者不在のキャンサーボード
・在宅医不在の神経難病の意思決定プロセズ
どうしてこんなに上から目線の医療ができるのか不思議でならない。
どうしてこんなに冷たい専門医に偉そうに言われるのか分からない。
先週の日本在宅医学会では、ALSのセッションが多かった。
これは学会の本部が、順天堂大学の神経内科学教室にあるからだ。
ALSの意思決定プロセズに関するシンポジウムで質問をした。
「どうして神経内科専門医は、こんなにも冷たいのか?」
もちろん答えは返ってこない。
大切な課題には真剣に向き合わない、お友達内閣ならぬ、お友達学会。
そんな程度の学会に何の意味があるのか?と真剣に思った。
そんな時間があったら、ほかに楽しいことをしたほうが意味がある。
GWだが、連日の看取りが続いている。
毎日、深夜往診もあり、かなり忙しい。
さっきまで、ご家族と気管切開について話合っていた。
きっと神経内科専門医の何倍もの時間を、意思決定に費やしていると思う。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
荻野美恵子先生による
ALSの意思決定プロセスの講義
神経内科医へのアンケート調査では、
多くの専門医は、ALSの経験数は1年間に3例以下
終末期の経験については86%の専門医は1例以下と答えている。
ALSの予後予測は難しい
・経験数が少ない
・個人差がある
呼吸筋麻痺にはオピオイドが健康保険で使える(2011年~)
・塩酸モルヒネと硫酸モルヒネだけ
・がんと違って少量で効果がある
ALSに必要な緩和ケア
緩和ケアの適応拡大を!
オピオイドを使ったことがあると答えた神経内科医の
64%は5例以下と症例数が少ない
神経難病緩和ケア研修会も開かれているが、
安易にモルヒネに頼るのも良くないと言われている。
しかしモルヒネを使っても呼吸器を使ってもいい。
抗うつ薬やメジャートランキライザーでも使える
モルヒネは死ぬための薬ではないことを説明する
上手に使えば、延命になり得る
かなり少ない量でも効く
塩酸モルヒネ散2.5mgから開始。
CO2=60以上なら1.25mgでもいい。
呼吸苦が緩和されるまで1回量を2.5mgずつ増量して
至適量を決定する。
おおまかに言えば、がんのモルヒネの半分程度で効く
ALSでの人工呼吸器装着は3割(欧米は数%)
新規装着者は2割程度
装着の意思決定支援は極めて難しい。
充分な社会的説明も必要。
延命治療と緩和治療の境界線は不明確
ALSに延命治療という言葉を使うことは誘導にならないか
TLS(Total locked in state)になるのは1割程度
生きるか逝くかの選択は、究極の選択
救急車を呼ぶのか呼ばないかを決めておく
「呼吸器を外す」ことについて
呼吸器を外して!と頼まれた経験があると
6割の専門医が答えている。
外すことに賛成の医師もいるが、意見は分れている。
アメリカでは36%の医師が賛成しているという。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
リビングウイル(LW)を持つ、ALS患者さんはたくさんおられる。
呼吸器を装着した人たちの心の拠り所なのだろう。
ALSの方のためにこそLWに法的担保が必要だと思うのだが、
肝腎のALS協会がそれに反対している、という現実は不可解だ。
朝日新聞は、こうした不都合な現実は絶対に報じない。
大手メデイアも報じない。
なぜ報じないのか。
それは古賀さんが番組を降ろされたのと同様、
日本の大手マスコミが既に死んでいるからだ。
大手メデイアが、権力や権威に屈して偏向報道を繰り返すなか、
タブロイド紙が、真実を報道するという不思議な国になっている。
多くの人は北朝鮮メデイアを笑うが、日本はそれ以下であることに
ほとんどの人が気がついていないという、実におめでたい国に居る。
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この記事へのコメント
心を打ちました。ありがとうございます。
元主人です、関わりがきれません子供がいる以上父親には代わりはないと!デモこの病気になり絶望感と突き落とされたような…苦しさのあまり文字盤に「苦しいから殺して欲しい…」いわれたとき 返事ができなかった 、話せない人から夜に携帯がなった、ビックリして、聞いても無論わからない。病院へかけなおして、事情を説明したが、唯一の、携帯、メールも出来ない携帯を「ずっと携帯触っていますが、いいんですか?」と看護師…
とりあげようか?の意味??次の日に行くと動けない人の周りに文字盤も置いてない、何度も何度も呼ばれて怒っていらっしゃったんだと思う、文字盤をだしてきて、「何が言いたかったの??」と聞いたらその、指す文字をみて声も出なかった「看護師に、無視される」と?!
延命処置はしないと、言ってた本人だが可哀想で見るのも辛い、看護師さん何度も呼ばれる大変さから 気分を悪くされているんだと 家族としてどう向き合うものか?看護師に、伝えて…改善を求めたいが、胸が張り裂けそうになる!こんな病気になり、会えなかった子供達とも、会うことは出来たが抱けない、喋れない、地獄だと思った。もっと言いたいことがあるのに、…私の頭がおかしくなりそう、楽にしてあげたい…でも! 最後の言葉を聞いてあげたいが毎日が地獄を見るようで本当に辛いです
Posted by 小堀よねこ at 2015年06月25日 06:27 | 返信
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