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貝原益軒も肉好きだった
2015年06月17日(水)
肉を食べるな、いや食べろ。
米を食べるな、いや食べろ。
一体どっちやねん!益軒はなんと言っていたんや?(6月13日の産経新聞)
米を食べるな、いや食べろ。
一体どっちやねん!益軒はなんと言っていたんや?(6月13日の産経新聞)
産経新聞・平成養生訓第4話 益軒の好物はイノシシだった 長尾和宏
米を主食に肉は珍重して腹八分目
若い時は肉が大好きでしたが、歳とともに自然と食べる機会が減ってきました。胃袋から出る胃酸の量が減ってきていることを自覚します。しかし何かの拍子に無性に肉を食べたくなることがあります。103歳の現役医師の日野原先生も夕食はステーキと聞いています。さて、貝原益軒は肉食に対してどんな考えを持っていたのでしょうか?
益軒が生きた江戸時代は、タテマエとして肉食が禁止されていましたが、大名や武士は結構さかんに鳥や獣の肉を食べていたようです。そもそも当時の肉といえば庶民は主に魚肉のことを指していたようですが。益軒と同時代を生きた水戸黄門さんは牛肉を珍重したようで、専用の冷蔵庫まで備えていた記録が残されています。さて益軒は禁欲の人のようなイメージがあるかもしれませんが、さまざまな肉を食べていたようです。養生訓にはウシ、ブタ、シカ、イノシシ、ウサギ、クジラ、ニワトリ、キジ、カモ、ツル、アヒル、ウズラ、スズメ、そしてスッポンの肉まで出てきます。魚介類では、サバ、イワシ、マグロ、カマズ、ブリ、タコ、エビ、カニ、ウナギ、ドジョウ等が出てきます。その中でも益軒は、イノシシが大好物だったようです。ただし獣肉はあくまで珍食として食べたようです。
益軒はごはんが大好きだったようです。米を主食にすることを説き、そうすれば肉を多く食べなくても済むと考えた。また日本人は胃が弱いから獣の肉を多く食べるのは良くない、と述べています。つまり肉食を否定しない一方、肉を貪ることは戒めました。快楽があればそれを貪ることが人間の本性ですが、それを抑える理性も持っています。欲望と理性の闘いのなかに生の充実があると考えたのでしょう。
最近、炭水化物ダイエットを説く一般書が沢山出て議論になっています。患者さんから「米を食べてもいいのか?」、「肉はどうなのか?」などの質問をよく受けます。米がいいとか悪いとか、肉がいいとか悪いとか、みなさんなぜ極論に走るのでしょうか?米を主食にしていろんな肉は珍味として楽しく食べればいいだけでは。要は1日30品目を目安に腹八分目でバランス良く食べること。そう答えると「糖尿病の知人が低炭水化物ダイエットで10kg痩せて糖尿病が治ったけど、どう思うか?」などと聞かれます。「それは良かったですね、痩せれば全部が解決しますからね」と言うと、「先生は、低炭水化物ダイエットに賛成ですか?反対ですか?」と詰め寄られます。仕方なく「痩せるために期間限定でやるならいいんじゃないですか」と答えています。それまでご飯を食べ過ぎて病気になった人は当然、適量に減らすべきでしょうし、相対的に蛋白質や脂肪の割合が増えてもそれは構わないと考えます。
また多くの人は長年知らず知らずのうちに食に自己流のクセがついています。その結果、たとえば糖尿病になるので、ある一定期間、偏ったクセを是正すると病気が好転するのではないでしょうか。大切なことは、まずは食べ過ぎないことでしょう。飽食はいいところが全くありません。そして益軒のごはんとお肉に対する思想を学べば、自ずと答えが出るはずです。真理とは極論と極論の間にあるのではないか。益軒が意外に常識的で中庸の人に思えてきました。
キーワード 低炭水化物ダイエット
肥満や糖尿病の治療を目的として炭水化物の摂取比率を制限する食餌療法。糖質制限食、糖質制限ダイエットとも呼ばれる。その効果や是非については医学界で論争になっている。
米を主食に肉は珍重して腹八分目
若い時は肉が大好きでしたが、歳とともに自然と食べる機会が減ってきました。胃袋から出る胃酸の量が減ってきていることを自覚します。しかし何かの拍子に無性に肉を食べたくなることがあります。103歳の現役医師の日野原先生も夕食はステーキと聞いています。さて、貝原益軒は肉食に対してどんな考えを持っていたのでしょうか?
益軒が生きた江戸時代は、タテマエとして肉食が禁止されていましたが、大名や武士は結構さかんに鳥や獣の肉を食べていたようです。そもそも当時の肉といえば庶民は主に魚肉のことを指していたようですが。益軒と同時代を生きた水戸黄門さんは牛肉を珍重したようで、専用の冷蔵庫まで備えていた記録が残されています。さて益軒は禁欲の人のようなイメージがあるかもしれませんが、さまざまな肉を食べていたようです。養生訓にはウシ、ブタ、シカ、イノシシ、ウサギ、クジラ、ニワトリ、キジ、カモ、ツル、アヒル、ウズラ、スズメ、そしてスッポンの肉まで出てきます。魚介類では、サバ、イワシ、マグロ、カマズ、ブリ、タコ、エビ、カニ、ウナギ、ドジョウ等が出てきます。その中でも益軒は、イノシシが大好物だったようです。ただし獣肉はあくまで珍食として食べたようです。
益軒はごはんが大好きだったようです。米を主食にすることを説き、そうすれば肉を多く食べなくても済むと考えた。また日本人は胃が弱いから獣の肉を多く食べるのは良くない、と述べています。つまり肉食を否定しない一方、肉を貪ることは戒めました。快楽があればそれを貪ることが人間の本性ですが、それを抑える理性も持っています。欲望と理性の闘いのなかに生の充実があると考えたのでしょう。
最近、炭水化物ダイエットを説く一般書が沢山出て議論になっています。患者さんから「米を食べてもいいのか?」、「肉はどうなのか?」などの質問をよく受けます。米がいいとか悪いとか、肉がいいとか悪いとか、みなさんなぜ極論に走るのでしょうか?米を主食にしていろんな肉は珍味として楽しく食べればいいだけでは。要は1日30品目を目安に腹八分目でバランス良く食べること。そう答えると「糖尿病の知人が低炭水化物ダイエットで10kg痩せて糖尿病が治ったけど、どう思うか?」などと聞かれます。「それは良かったですね、痩せれば全部が解決しますからね」と言うと、「先生は、低炭水化物ダイエットに賛成ですか?反対ですか?」と詰め寄られます。仕方なく「痩せるために期間限定でやるならいいんじゃないですか」と答えています。それまでご飯を食べ過ぎて病気になった人は当然、適量に減らすべきでしょうし、相対的に蛋白質や脂肪の割合が増えてもそれは構わないと考えます。
また多くの人は長年知らず知らずのうちに食に自己流のクセがついています。その結果、たとえば糖尿病になるので、ある一定期間、偏ったクセを是正すると病気が好転するのではないでしょうか。大切なことは、まずは食べ過ぎないことでしょう。飽食はいいところが全くありません。そして益軒のごはんとお肉に対する思想を学べば、自ずと答えが出るはずです。真理とは極論と極論の間にあるのではないか。益軒が意外に常識的で中庸の人に思えてきました。
キーワード 低炭水化物ダイエット
肥満や糖尿病の治療を目的として炭水化物の摂取比率を制限する食餌療法。糖質制限食、糖質制限ダイエットとも呼ばれる。その効果や是非については医学界で論争になっている。
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この記事へのコメント
長尾先生
たしかに
本日もおつかれさまでした
Posted by 尾崎 友宏 at 2015年06月17日 01:28 | 返信
ためしてガッテンで、お米を食べると便が形成されやすいと言っていました。
本当は、七分つきの胚芽米が良いのでしょうけど、母が消化能力が無いので、100%白米を食べています。
魚脂なんて言って、珍重しているくらいだから、魚のほうが牛肉より良いのかと思いますけど、牛肉を食べろと言う先生もいらっしゃいますし。
大工さんの未亡人が「背の青い魚を食べろと言ったり、背の青い魚はいかんといったり、テレビはいろんなこと言うから分からん!」と言っていました。
Posted by にゃんにゃん at 2015年06月17日 03:16 | 返信
何を 大切にして 生きていくのかってことでしょうか?
食べれるって 幸せなことなんですよね…
Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2015年06月17日 11:49 | 返信
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