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薬剤誘発性褥瘡
2015年06月18日(木)
比較的元気な認知症の人に、褥瘡ができる人がいる。
それは薬剤誘発性褥瘡かもしれないという発表が。
実はハルシオンという睡眠薬でそうなるのだ。
それは薬剤誘発性褥瘡かもしれないという発表が。
実はハルシオンという睡眠薬でそうなるのだ。
そんなこと言ったら、薬剤誘発性認知症もいっぱいあるのだが・・・
@@@@@@@@@@@@@@@@@@
『薬剤誘発性褥瘡』
超短時間作用型の睡眠薬(トリアゾラム)>過鎮静からの無動(アキネジア)>薬剤の過量投与に伴う褥瘡
>>>
『歩行可能な高齢患者の「背部」に褥瘡?!―その意外な原因とは』
国立長寿医療研のグループが新概念を提唱
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1506/1506056.html
糖尿病,アルツハイマー病を合併している80歳代の女性が脳卒中などの疑いで受診。この女性は杖を使って歩行することが可能だったが,診察で背部に発症間もない褥瘡が発見された―。国立長寿医療研究センター薬剤部の溝神文博氏,同皮膚科の磯貝善蔵氏らのグループはこの患者の診療から,特定の薬剤の作用が褥瘡の発生に関連していると考え検討を進めている。同様の検討はこれまでになく,新たな概念として「薬剤誘発性褥瘡」を提唱していく意向だ。
夫に処方されていた「青い薬」の不適切使用が原因
溝神氏らが,薬剤誘発性褥瘡の存在を疑ったのは次のような症例の経験がきっかけ。
「歩行可能な患者の背部褥瘡は非常に特殊」と考えた同氏らは,持参薬の精査と主要な介護者の夫と患者本人への面談などから原因を検索。夫によると,患者は服薬介助により処方された薬剤のコンプライアンスは良好であった。
ただし,持参薬評価と患者本人の聞き取りから,不眠を訴える患者に夫が自身に処方されていた超短時間作用型の睡眠薬(トリアゾラム)を自己判断で患者に飲ませていたことが発覚。患者も「最近,青い薬を飲み始めてから昼間の眠気が強くなった」と話していたことから,同氏らはトリアゾラムの不適切な使用により,患者に過鎮静からの無動(アキネジア)が起こっていたと推察。過鎮静の状態で長時間椅子に座ったことで背もたれの圧迫による背部褥瘡を発症した可能性が高いと考えた。
患者は「薬剤の過量投与に伴う褥瘡」と診断された。同氏らは,主治医らとその他の検査所見なども勘案した上で,経口薬を認知症治療薬と酸分泌抑制薬の2種のみに変更した。背部褥瘡(黒色壊死を伴うⅣ度)に対してはデブリードマンなどの治療を行い,患者は44日目に退院。140日後に治癒が確認された。同氏らは「被疑薬の中止により無動が改善し,褥瘡の原因となっていた外力の軽減。短期間に治癒が得られた」と話した。
褥瘡患者の2.7%が基準に合致,全例で認知症周辺症状への治療薬が影響
この経験から溝神氏らは「薬剤誘発性褥瘡」がこれまでにも発生していたのではないかと考え,自施設で最近の1年に褥瘡回診の対象となった患者の情報を後ろ向きに評価した。
評価期間に褥瘡回診を受けていた148例のうち,薬剤誘発性褥瘡の基準に該当すると思われる患者が4例(2.7%)見つかった(表)。全例が認知症を合併し,皮下組織を越える深い褥瘡を発症していた。先の患者同様,いずれの症例も認知症の周辺症状(BPSD)に対する薬物療法が行われており,その一部が褥瘡の被疑薬と考えられた。同氏は「薬剤による過鎮静が起こることで,無動となる時間が数時間は持続する。深部褥瘡が発生するには十分な時間」と話す。
また,いずれの症例も発症前の日常生活動作(ADL)の評価では,自立歩行または介助歩行が可能であった。こうしたことから,薬剤誘発性褥瘡は普段同氏らが多く遭遇する,フレイルな患者とは違い,ある程度脂肪量がある患者が発症していることや,創部の病態が異なるなどの特徴も見られた。同氏は「こうした点は薬剤誘発性褥瘡の特徴かもしれない」と分析する。患者らは被疑薬の中止によりADLが回復していたと見られ,褥瘡は完治していた。
「高齢患者の処方適正化と維持に向けた取り組みを続けたい」
同センターには認知症やその他の疾患を合併した患者が多く受診する。中には先の症例のように薬剤の過量投与に伴う入院例も少なくない。そこで,薬剤師が各診療科の主治医と連携し,外来や入院時に薬剤師による面談を実施。本人や家族への服薬指導や使用薬の整理,副作用の確認なども行っている。今回の後ろ向き解析においても,患者に対する「処方の適正化」が薬物関連有害事象の改善に一定の効果を上げていると考えられる。
ただ,薬物の過量投与に関連した薬剤誘発性褥瘡はあまり知られていないと溝神氏。高齢者における薬剤の過剰使用の問題には,高齢者が医療や介護を受ける場の多様性があり意思統一や情報共有が難しいこと,患者自身が薬剤を積極的に希望し,薬剤の減量に抵抗を示す場合も少なくないなど多面的な要因が指摘されている。平成24年度厚生労働科学特別研究事業による「かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン」によると,かかりつけ医の94.5%が認知症患者を診療し,89.2%が過鎮静のリスクのある抗精神病薬※や抗不安薬,睡眠薬などの向精神薬を使用しているとの調査結果もある。
そのため,こうした患者の退院後のフォロー体制への取り組みも重要と同氏。「今後,薬剤誘発性褥瘡が新しい薬物有害事象として認識されていく必要がある。引き続き,関係者への働きかけや実態調査などを続けていきたい」と述べている。
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『薬剤誘発性褥瘡』
超短時間作用型の睡眠薬(トリアゾラム)>過鎮静からの無動(アキネジア)>薬剤の過量投与に伴う褥瘡
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『歩行可能な高齢患者の「背部」に褥瘡?!―その意外な原因とは』
国立長寿医療研のグループが新概念を提唱
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1506/1506056.html
糖尿病,アルツハイマー病を合併している80歳代の女性が脳卒中などの疑いで受診。この女性は杖を使って歩行することが可能だったが,診察で背部に発症間もない褥瘡が発見された―。国立長寿医療研究センター薬剤部の溝神文博氏,同皮膚科の磯貝善蔵氏らのグループはこの患者の診療から,特定の薬剤の作用が褥瘡の発生に関連していると考え検討を進めている。同様の検討はこれまでになく,新たな概念として「薬剤誘発性褥瘡」を提唱していく意向だ。
夫に処方されていた「青い薬」の不適切使用が原因
溝神氏らが,薬剤誘発性褥瘡の存在を疑ったのは次のような症例の経験がきっかけ。
「歩行可能な患者の背部褥瘡は非常に特殊」と考えた同氏らは,持参薬の精査と主要な介護者の夫と患者本人への面談などから原因を検索。夫によると,患者は服薬介助により処方された薬剤のコンプライアンスは良好であった。
ただし,持参薬評価と患者本人の聞き取りから,不眠を訴える患者に夫が自身に処方されていた超短時間作用型の睡眠薬(トリアゾラム)を自己判断で患者に飲ませていたことが発覚。患者も「最近,青い薬を飲み始めてから昼間の眠気が強くなった」と話していたことから,同氏らはトリアゾラムの不適切な使用により,患者に過鎮静からの無動(アキネジア)が起こっていたと推察。過鎮静の状態で長時間椅子に座ったことで背もたれの圧迫による背部褥瘡を発症した可能性が高いと考えた。
患者は「薬剤の過量投与に伴う褥瘡」と診断された。同氏らは,主治医らとその他の検査所見なども勘案した上で,経口薬を認知症治療薬と酸分泌抑制薬の2種のみに変更した。背部褥瘡(黒色壊死を伴うⅣ度)に対してはデブリードマンなどの治療を行い,患者は44日目に退院。140日後に治癒が確認された。同氏らは「被疑薬の中止により無動が改善し,褥瘡の原因となっていた外力の軽減。短期間に治癒が得られた」と話した。
褥瘡患者の2.7%が基準に合致,全例で認知症周辺症状への治療薬が影響
この経験から溝神氏らは「薬剤誘発性褥瘡」がこれまでにも発生していたのではないかと考え,自施設で最近の1年に褥瘡回診の対象となった患者の情報を後ろ向きに評価した。
評価期間に褥瘡回診を受けていた148例のうち,薬剤誘発性褥瘡の基準に該当すると思われる患者が4例(2.7%)見つかった(表)。全例が認知症を合併し,皮下組織を越える深い褥瘡を発症していた。先の患者同様,いずれの症例も認知症の周辺症状(BPSD)に対する薬物療法が行われており,その一部が褥瘡の被疑薬と考えられた。同氏は「薬剤による過鎮静が起こることで,無動となる時間が数時間は持続する。深部褥瘡が発生するには十分な時間」と話す。
また,いずれの症例も発症前の日常生活動作(ADL)の評価では,自立歩行または介助歩行が可能であった。こうしたことから,薬剤誘発性褥瘡は普段同氏らが多く遭遇する,フレイルな患者とは違い,ある程度脂肪量がある患者が発症していることや,創部の病態が異なるなどの特徴も見られた。同氏は「こうした点は薬剤誘発性褥瘡の特徴かもしれない」と分析する。患者らは被疑薬の中止によりADLが回復していたと見られ,褥瘡は完治していた。
「高齢患者の処方適正化と維持に向けた取り組みを続けたい」
同センターには認知症やその他の疾患を合併した患者が多く受診する。中には先の症例のように薬剤の過量投与に伴う入院例も少なくない。そこで,薬剤師が各診療科の主治医と連携し,外来や入院時に薬剤師による面談を実施。本人や家族への服薬指導や使用薬の整理,副作用の確認なども行っている。今回の後ろ向き解析においても,患者に対する「処方の適正化」が薬物関連有害事象の改善に一定の効果を上げていると考えられる。
ただ,薬物の過量投与に関連した薬剤誘発性褥瘡はあまり知られていないと溝神氏。高齢者における薬剤の過剰使用の問題には,高齢者が医療や介護を受ける場の多様性があり意思統一や情報共有が難しいこと,患者自身が薬剤を積極的に希望し,薬剤の減量に抵抗を示す場合も少なくないなど多面的な要因が指摘されている。平成24年度厚生労働科学特別研究事業による「かかりつけ医のためのBPSDに対する向精神薬使用ガイドライン」によると,かかりつけ医の94.5%が認知症患者を診療し,89.2%が過鎮静のリスクのある抗精神病薬※や抗不安薬,睡眠薬などの向精神薬を使用しているとの調査結果もある。
そのため,こうした患者の退院後のフォロー体制への取り組みも重要と同氏。「今後,薬剤誘発性褥瘡が新しい薬物有害事象として認識されていく必要がある。引き続き,関係者への働きかけや実態調査などを続けていきたい」と述べている。
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