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人生は脱水への旅

2015年08月14日(金)

月刊DAYに連載をさせてもらっているが、
今月号は、「人生は脱水への旅」で書いた。→こちら
終末期では無い人の急な脱水は要治療です。

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月刊デイ9月号  人生は脱水への旅    長尾和宏
 
 熱中症に気をつける季節になりました。元気な若者でも短時間で熱中症になり搬送されてくるのを見ていると、独居の認知症の人は大丈夫なのかなあ?と心配になります。こまめな水分補給を怠らないでください。ところで人生という長いスパンで見ると、「人生とは脱水への旅である」というのが私の持論です。人間は生まれたときには、体重の約8割を水分が占めています。それが、成人すると6割に減り、高齢者になると5割になります。そして「平穏死」寸前にはおそらく4割にまで減るのです。人生とは、水分含量の観点から言えば、80年という長い年月をかけて8割から4割へとゆっくりゆっくり減っていく過程とも言えます。

 講演では平穏死寸前の状態のことをよく「干し柿」にたとえて説明します。干し柿は素晴らしい、と。なぜなら、脱水のため心臓に負担がかからないから。心臓も80年間休むことなく動き続ければ、疲れきっていて潜在的に心不全になりかけています。もし過剰な水分を人工的に入れると心臓の仕事量が増えるため心不全傾向になりますが、生理的な脱水があると心臓にかかる負担が少なく心不全にならなくて済みます。つまり生理的な脱水により心機能が長持ちするという側面もあるのです。

 一方、エネルギー効率の観点から見ると、歳を取るということはハイブリッドカーになることです。そもそも高齢になると運動量が減るので、エネルギー需要も減ります。そして倹約遺伝子などの働きも加わり、エネルギー効率が良くなります。リッター10kmしか走らない車が、20km走れるように進化するので、若い時ほどのカロリー量は要らなくなります。逆にカロリー補給過剰になると活性酸素が発生して寿命を短くします。短期間に進行する脱水は絶対に避けるべきです。しかし終末期以降に自然に緩やかに進行する脱水は、穏やかな最期を叶えるためには実は必要なことなのです。

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この記事へのコメント

人生は脱水への旅 ・・・・・・・ を読んで

乳児の時の水分量が80%、成人が60%で
高齢者が50%、やがて40%まで水分量が
減少して行き、死に至るという説明は心に
すんなりと入って来ました。


身体の水分量が40%まで減少してくると、
しんどさ辛さを和らげる体内麻薬様の物質
が生成され、穏やかに入滅して行けるよう
な気がします。


昭和40年代、昭和50年代頃のことを思い
出すと、女性は“しぼんで”、男性は“枯れ
て”死んで行ったような気がします。

“しぼむ”ことも、“枯れる”ことも、結局
は、体内の水分量が減っていたんですね。


昭和60年代以降は終末期に医療が高度に
介入して、水分補給や栄養補給(点滴)が
なされるため、身体の水分量が減少する代
わりに、逆に増加していて、体内麻薬の
分泌がなされないため、苦しむことが多く
なってきているということなのでしょうか?


身体が必要としないから水分を取らず、食事
も細ってきているのに、自然に逆らって水分
や栄養を補給するから不必要な苦しみが始ま
るのであれば ・・・・・・・、私は平穏死を望んで
いるので、不要な点滴を受けずに“枯れるよ
うに”死んで行きたいと思います。

平穏死 ・・・・・・とは、そういうことなんでし
ょうか?

Posted by 小林 文夫 at 2015年08月14日 02:10 | 返信

年老いていくということは 自然なことなんですが なかなか 理解できないんですよね

わたしも 長尾先生の 柿→干し柿理論を パクって 使わさせていただいています

ご家族が 食べれなくなってきたから 点滴をして欲しいと…
柿→干し柿理論で説明させていただいても 「何もやらないってことかぁ!」と怒られます

在宅医も いろんな先生がいて この場に及んで 点滴量が1000ml投与されちゃうのを見てしまうと
それこそ 何もできない自分が悲しいです

ご家族は 「あら〜 足が浮腫んできたわね… 足が浮腫んでくるってことは 死が近いってことですよね」と 勝手にアセスメントされます

逆に ご理解されたご家族は シューとすっきり きれいに旅立たれます
病院看護師だった時には 知り得なかったことです

柿→干し柿理論が もっとっもっと 広めていきたいです

Posted by 訪問看護師 宮ちゃん at 2015年08月15日 09:28 | 返信

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